変態端末好きが「GalaxyFold」を10日間いじりたおした
USBポート
メインカメラの付いた面の下部側面にUSB Type-Cポートが付いており、充電やデータ通信、付属のOTG変換アダプタでのUSBデバイス接続などができます。
他の変換アダプタ等とつないだ場合は、以下のような動作をしました。
「Type-C→HDMI変換ケーブル」を差した場合
「SAMSUNG DeX」が起動し、デスクトップPCのように使えるモードになりました。
GalaxyS8から対応している機能で、これはGalaxyFoldでも対応しているようです。
「DAC内蔵型のType-C→イヤホンジャック変換アダプタ」を差した場合
筆者の検証環境では使えました。
今回使用したのは変換アダプタ内にサウンドチップがあって、USBオーディオデバイスとして機能するタイプのものです。変換アダプタは割高ですが、OTG対応しているType-C機器でドライバが合えば、PCだろうとスマホだろうと大体使えます。
ここでは、AQUOS zero付属のものを使用して検証しましたが、難なく認識し、変換アダプタから有線イヤホンにてサウンド出力できました。イヤホンジャックがどうしても欲しいという方は、とりあえずこれでどうにかなりそうです。
※編集部追記2019/11/13:メーカーに確認したところ「USB-C Headset Jack Adapter」はfold対応とのことです。
https://www.galaxymobile.jp/accessories/usb-c-headset-jack-adapter/ [リンク]
「直結型のType-C→イヤホンジャック変換アダプタ」を差した場合
残念ながら、今回の検証環境では非対応であると判断しました。
使用したのはUSB Type-Cの規格で言う「Audio Adapter Accessory Mode」準拠の物で、Type-Cポートから直接アナログのサウンドを入出力するタイプのものです。変換アダプタは安く買えますが、対応機器は限られます。DAC内蔵型の例で使用したAQUOS zeroでも非対応でした。
ここでは、MediaPad M5 8.4に付属のものを使用して検証しましたが、「接続されたUSBデバイスは対応していません」と表示され、使うことはできませんでした。
排熱
変態端末マニアにおなじみの「CAT S60」を使って、サーモグラフィーを撮ってみました。
GalaxyFoldでゲームや無茶をしているときには、メインカメラの右側が特に温かくなります。メインディスプレイ側から見ても、その部分は特に温かいです。なお、その反対側で若干熱を持っているのは、メインディスプレイのICチップでしょうか。
背面全体が熱くなるわけではないので、熱によってバッテリーの劣化を早めてしまう心配はなさそうです。
アプリ開発者から見て
GalaxyFoldのメインディスプレイは「右側にノッチのある、スクエアに近い画面」、カバーディスプレイは「やたらと縦長な画面」となっております。アプリ開発者にとっては、ステータスバーとナビゲーションバーが常時表示されているタイプなら、画面サイズに臨機応変に対応できれば、GalaxyFoldでも問題なし、と見れます。全画面表示の場合は、メインディスプレイの右寄りノッチと、カバーディスプレイの四隅の丸まりに注意が必要かもしれません。
また、他の折り畳み端末と同じく、「アプリ起動中に画面サイズを変更可能」というところにも注意が必要です。画面回転やアプリ分割画面を許可しない構成でも、GalaxyFoldの場合はメイン←→カバーディスプレイの切り替えで、解像度変更が可能です。しかも、スクエアに近い画面と、やたら縦長な画面との切り替えになるので、構成が甘いとボロが出やすいです。
そもそも、Galaxyには「ポップアップ表示」という、縦長専用のアプリを超横長表示にもできてしまう悪魔の機能があります。アプリ側でうまく設定すれば、起動中のサイズ変更含めて無効化できますし、今の時代、サイズ変更に関する設定・対応はちゃんとしておくべきです。
懸念点
・重量
当時重いと騒がれたiPhone11ProMax(226g)や、XperiaXZ2Premium(236g)よりも重い、276gです。実際に持ってみると、ずっしり来る重さです。とはいえ、7インチタブレットとして考えると全然軽いですし、折り畳んだ際は、横幅が小さく片手で持ちやすい形状ですから、さほど苦にはならないのではないでしょうか。
・イヤホンジャック、変換ケーブルが無い
GalaxyFold本体にはイヤホンジャックがどこにもなく、イヤホンジャック教の方には問題です。しかも、付属品に「Type-Cイヤホンジャック変換ケーブル」もありません。しかし、付属品としてワイヤレスイヤホンの「GalaxyBuds」があるので、普通に音楽を聴く分にはこれで十分です。ただし、ゲーム中は0.5秒ほどの遅延がありました。
・耐久性の実績懸念
まだ出たばっかりの画面折り曲げ技術ゆえ、この先末永く使えるかどうかは正直な所まだわかりません。無論、想像以上の耐久性を保持している可能性もあります。しかしながら前例のない技術ゆえ、若干の心配は付きまといます。
これまでのスマホとは異なりますため「故障紛失サポート」を付けたほうが精神衛生上いいでしょう。ただし、月額利用料や修理費などは、auの他のAndroid端末よりも倍近く高い設定です。
また、画面はAMOLEDであるため、焼き付きにも気をつけないといけません。明るさ・画面点灯時間・ダークテーマ等、焼き付き対策もしておきましょう。
GalaxyFoldについてまとめると…
GalaxyFoldの可能性について調べてみたところ、折り畳み端末の分野にGalaxyが参入したことで、未体験の驚きと感動とともに、想像を超える無限の可能性が、銀河級に広がっておりました。
境界線の無い折り畳み画面に、未来を創造する力は十分にありそうです。
ただし、その未来にたどり着くには、約25万円という端末価格が大きく立ちはだかります。今後の画面折り畳み端末については、価格をどれだけ抑えられるか、どれだけ耐久性を確保できるのかは課題のひとつ。逆に言うとこの価格差を乗り越えてしまった場合、非常にメリットの多い端末だと強く感じました。筆者は今回の10日間に及ぶレビュー体験により、かなりの愛着が湧いてしまったのも事実です。
メーカーのサムスンからは、縦に折りたたむタイプのスマートフォンに関する発表もありました。横に折り畳む“GalaxyFold系”を含め、折り畳み端末というジャンルの今後が気になるところです。
文章:おふがお
写真:おふがお、オサダコウジ
ウェブサイト: https://getnews.jp/
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