ゾクゾクする危険な裏の顔……多重人格者を演じる俳優は名優ばかり!『ジョナサン-ふたつの顔の男-』ほか傑作まとめ

ひとつの身体にふたつの人格をもち、その人格を、脳に埋め込まれたタイマーにより、12時間で切り替わるよう設定している「僕」=ジョナサンの視点を通してスリリングに展開していき、やがて観る者を翻弄する≪脳≫コントロール・スリラー『ジョナサン-ふたつの顔の男-』が、6月21日(金)より公開となります。『ベイビー・ドライバー』アンセル・エルゴート主演最新作である本作は、2018年のトライベッカ映画祭で上映され、その知的で刺激的なストーリーとエルゴートの高い演技力に絶賛の声が相次ぎました。

これまでに多重人格や同じ顔にふたつの人格もつキャラクターを主人公にした作品は、『ジキル博士とハイド氏』などを筆頭に、『シークレット ウインドウ』(04)、『嗤う分身』(13)、『スプリット』(16)など数々の名作が生まれてきました。本作でも、ひとつの身体にふたつの人格をもつ多重人格者である青年を軸にストーリーが展開していきますが、ユニークなのが、脳に埋め込まれたタイマーにより<午前7時と午後7時>に毎日12時間で切り替われるよう設定しているという点。

正反対な性格をもちながらも、互いを尊重し完璧な生活を送っているふたりが、ある女性の存在により歯車が狂っていくというコントロールの効かない展開は、観る者を間違いなく翻弄させる内容に仕上がっています。

これまで多重人格者を演じた役者たちは、既に名を馳せていた者もいれば、複雑なその役柄を演じたことをきっかけに、大ブレイクした者もいる…いずれにせよ映画史に名を残す名優ばかり!そして、いまハリウッドの若手注目株のアンセル・エルゴートもそのひとり。アンセルは本作で一人二役を演じるにあたり、『映画の終盤にかけて、観ているこちらがスクリーンの中のジョナサンとジョンに翻弄されていくような、そういった展開に演技もだんだんと難しくなりました!』とコメントを寄せています。そんな演じる本人ですら翻弄されてしまう多重人格者をテーマにした映画には、一体どんな俳優たちが挑んできたのか。エキセントリックで、何度観てもゾクゾクする名作を一挙に振り返ります!

★『ファイト・クラブ』(’99) <デヴィッド・フィンチャー監督×ブラッド・ピットがタッグを組んだ衝撃作!>
心の中に問題を抱える青年ジャックはタイラーと名乗る男と知り合う。ふとしたことからタイラーとジャックが殴り合いを始めると、そこには多くの見物人が。その後、タイラーは酒場の地下でファイト・クラブなる健闘の秘密集会を仕切ることに。たくさんの男たちがスリルを求めて集まるようになるが、やがてそのクラブは恐るべきテロ集団へと変貌していく…。
次第にエスカレートしていくブラピの怪演、エドワード・ノートンの演技力と見事にハマったその役柄が映画ファンをうならせた一作!

★『シークレット ウインドウ』(’04) <モダンホラーの帝王スティーブン・キングの小説をジョニー・デップが熱演!>
人気作家レイニーの前は、別居中のエイミーとの離婚協議による疲労のため、公私ともにスランプに陥っていた。そんなある日、彼が自分の小説を盗んだと糾弾する男シューターが出現。身に覚えのない言いがかりに困惑するレイニーだが、その日から彼の周囲で奇妙な出来事が続出する。しかしそれは、エイミーとの不和をきっかけに、自分の中に生み出したもう一人の人格だった。ジョニー・デップが魅せる仕草や狂気に満ちた表情は、とてもミステリアスで終始身震いしてしまうほど!

★『嗤う分身』(’13) <ジェシー・アイゼンバーグ主演の不条理スリラー!>
不器用で気の小さいサイモンは、向かいのアパートで暮らす憧れの同僚ハナを望遠鏡で覗くことだけが楽しみの孤独な生活を送っていた。そんなある日サイモンの職場に彼と瓜二つのジェームズが入社してくる。しかし、職場では誰も彼の存在に驚かない。容姿は同じでもサイモンよりはるかに優秀なジェームズに次第にサイモンは追い詰められていき…。
内気なサイモンの繊細さと、人気者で自信にあふれたジェームズを見事に演じ分けた、ジェシー・アイゼンバーグのポテンシャルを感じさせる作品。

★『複製された男』(’14) <ジェイク・ギレンホールが演じる、秀逸なドッペルゲンガー・ミステリー!>
自分と瓜二つの人物の存在を知ってしまったことから、アイデンティティーが失われていく男の姿を描いたミステリー。大学の歴史講師アダムは、DVDで何気なく鑑賞した映画の中に自分とそっくり端役の俳優を発見する。驚いたアダムは、取りつかれたようにその俳優のアンソニーの居場所を突き止め、気づかれないように監視するが、その後2人は対面し、顔、声、体格に加え、生年月日も同じ、更には後天的にできた傷までもが同じ位置にあることを知る。やがて2人はそれぞれの恋人と妻を巻き込み、想像を絶する運命をたどる。『ナイトクローラー』(14)などでの怪演でも知られるジェイク・ギレンホールの見応えのある演技に、ファンになる人続出?!

★『スプリット』(’17) <ジェームズ・マカヴォイの怪演が光る渾身の一作!>
見知らぬ男に拉致され、密室に閉じ込められた女子高生3人組は監禁場所で神経質な雰囲気を漂わせた男を目にする。男が部屋から立ち去り、必死に脱出方法を思案している最中、ドアの外から男と女が会話する声を耳にした3人は助けを求めて声を上げるが、そこに現れたのは、女性の服に身を包み、女性のような口調で話す先ほどの男だった。男には23人もの人格があり、ひとりの体の中で人格が激しく入れ替わっていく。そして、そんな男に24番目の人格が現れ…。
こどもから女性まで、年齢や性別をも違う人格を巧みに演じたジェームズ・マカヴォイの演技力に脱帽!

『ジョナサン-ふたつの顔の男-』ストーリー
毎日ルーティーンの生活を送る、内向的なジョナサン。彼は自分の身体にもうひとりの人格をもっていた。自分とは正反対の性格の青年ジョンだ。脳にタイマーを埋め込み、<午前7時と午後7時>に毎日12時間で切り替われるよう設定していたふたりは、ビデオテープにメッセージを残すことで、知らない時間に起こった出来事について共有しあっていた。全てが完璧のはずだった。彼女と出会うまではー。

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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