マンゴ・トムソンの日本初個展、眼に関する宣伝チラシの矛盾点や逆説を表現した作品を展示

2019/06/07 11:18 NeoL／ネオエル

マンゴ・トムソンの日本初個展「Rods and Cones」が、東京・渋谷MASAHIRO MAKI GALLERYにて開催中。

マンゴ・トムソンは、ロサンゼルスを拠点に活動するアーティスト。慣例や通常の認識を覆す作品を多く創り出すことで知られており、フィルムや音、オブジェ制作などと印刷物やアーカイブと融合させ、常にそれらと接点を持ち続けることをコンセプトに自身の境地を開拓している。本展では、生物学的な視覚構造の不思議な現象と、眼に関する宣伝チラシの矛盾点や逆説を表現した作品を展示。「Rods and Cones」は、安価なチラシの矛盾点や視覚的な構造に着目し、創り出されたトムソンの代表シリーズ。

受け取る側にとって非常に迷惑で、すぐに破棄されてしまうものでもある大量のチラシや新聞の折込広告、健康器具や美容器具の宣伝などの多くを何年も掛けて収集してきたトムソン。

そのなかでも、レーシック手術、眼鏡、眼科の広告などの多くが、安価な印刷方法で刷られた非常に読みづらいものだという事実、つまり「眼の治療に関する広告→でも読みづらい→眼の治療が必要→でも読みづらい…」というサイクルが逆説的な視力テストになっていると考え、粗悪な印刷の特性のみを逆に利用して視覚的なアート作品に昇華させた。

彼の独創的な頭脳からでしか生み出されない、前衛的な発想と世界観で描かれた作品を体感したい。
また、本展覧会では「TIME」シリーズの映像とミラー作品も合わせて紹介する。