残業しないチームが使い分けてる「伝わる」コミュニケーション手段とは?
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『「残業しないチーム」と「残業だらけチーム」の習慣』(明日香出版社)の著者である石川和男さん。石川さんは、建設会社総務部長・大学講師・専門学校講師・セミナー講師・税理士と、5つの仕事を掛け持ちするスーパービジネスパーソンです。そんな石川さんに「残業しないチームが使い分けてるコミュニケーション手法と伝達手段」についてお聞きしました。
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メールでの食い違いは命取り
メールは便利なツールです。時間を気にせずに送ることができ、CCを付けることで複数に、一斉に送信することで不特定多数に送ることもできます。
しかし、相手の顔が見えず、聴覚情報もないので、伝わりにくい場合もあります。状況によっては、複数回メールでやり取りすることさえあります。
定型文や単語登録を用いずに、文面を1つ1つ考えながら書いている人もいるので、時間がかかってしまうことも少なくありません。もちろんクレーム対応など、時間をかけてでも文面をしっかり考えながら書かなければならない場合もありますが、通常のメールでは何度も往復するのは時間の無駄です。
メールで何度もやり取りしたけど、結局疑問点が解決できない。書いていることが理解できない。仕方がないので電話をしてみたら1分で解決したということも少なくありません。
また相手の顔が見えないので、間違って相手が解釈してしまう恐れもあり、少しの食い違いが大きなクレームへと発展することもあります。
メール一辺倒では、かえって仕事が遅くなる
私がIT企業にコンサルティングに出向いたとき、こんなことがありました。
Bさんがリーダーをしているチームの残業時間が非常に多く、社内で問題になっていました。その改善策をBさんと話しているときに、Bさんがふと思い出したように言いました。 「ああ、そうだ! 部下のCからメールがあって14時までにお客様に回答しなければならないと書いてあったんです。申し訳ありません。急ぎなので返事をしてもよろしいでしょうか?」
すでに13時半を回っています。緊急で重要な案件なので、もちろんすぐに返事をするように伝えました。
するとBさんはメールを打ち出したのです。
私は驚き、つい周りにも聞こえるような大声を出してしまいました。 「どうしてこの非常事態にメールで送るんですか? Cさんはこの社内にいるんですよね?」
Cは1つ上の階で働いているとBさんが答えたので、私は続けました。 「口頭で話したらいかがですか?」
すると、Bさんは次のように返事をしたのです。 「メールの方が記録として残るからいいんですよ」
私はさらに質問を重ねました。 「このやり取りは、何回かメールでされているのではないでしょうか?」
予想通り、もう4往復もしていたそうです。私はコンサルタントとして、口頭で伝えるように指示しました。そして、残したいなら確認として最後にメールで共有すればいいと付け加えました。
多様化する伝達手段を選択して使う!
たしかにメールは、文書としての裏付けを残すツールとしては便利です。しかし電話や直接話したら1回で解決することも、メールでは何往復もする可能性があります。先ほどの事例のように、お客様に回答する案件ならスピードの面でも、メールでは伝わらないような感情面でも、電話や直接会って話す方が効果的なのです。
IT化が進み、コミュニケーションツールは面談や電話だけではなく、メール、メッセンジャー、チャットワーク、SNSなど、多様化しています。
一方で、メールによる伝達ミスや認識のズレを修正するために、残業する場合もあります。ミスの影響で出たクレームややり直しの仕事が要因になっていることもあります。
何よりコミュニケーションが不足すると、部下の様子を把握できません。認知心理学に「人は繰り返し接すると警戒心が薄れ、好感度が高まる」というザイアンス効果、別名単純接触効果と呼ばれる法則もあります。良好な関係を築く上で、口頭で伝えることも重要なのです。
コミュニケーションが良好になることで、部下が抱えている問題をいち早く把握することができます。また部下も上司と話すことで敬語の使い方などを学び、お客様と円滑に話す能力を身につけることでトラブルも減り、仕事が早くなるのです。
伝達手段で大切なのは「伝わる」こと
伝達手段で一番大切なことは、「伝わる」ことです。「伝えたつもり」ではなく、「伝わる」コミュニケーションをすることで、無駄な時間はなくなります。結果、残業も少なくなるのです。
伝達手段の使い方をまとめると、 1. 重要な案件は、直接会って対応する。
2. 急ぎの場合には、電話をする。
3. 誤解を招く可能性や複数の解釈があるときは、面談か電話でトラブルを防ぐ。
4. メールの文面で悩むことで時間がかかりそうなときは、電話をする。
5. 優先順位の低い仕事、一斉送信で伝える連絡、緊急ではないので後から確認してもらえればよい事項などは、メールやメッセンジャーを利用する。
6. 文書の裏付けを残したい場合は(面談や電話の後でも可)メールをする。
残業しないチームはメールだけに頼るのではなく、上記のように伝達手段を臨機応変に使い分けることで、仕事を効率的に進めているのです。
著者プロフィール
石川和男(いしかわ・かずお)
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最新刊の『「残業しないチーム」と「残業だらけチーム」の習慣』(明日香出版社)ほか、『仕事が「速いリーダー」と「遅いリーダー」の習慣』(明日香出版社)など、勉強法、時間術などのビジネス書を8冊出版している。
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