仕事で「成長できる人」と「成長できない人」の差はなぜ生まれるのか?

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仕事で「成長できる人」と「成長できない人」の差はなぜ生まれるのか?

あなたは自分のキャリアに満足していますか?人生100年時代と言われ、定年後も長く働かなければならないことが予想される昨今。会社が自分の人生の面倒を見てくれるとは限りませんよね。だからこそ意識的に仕事のキャリアを自分でコントロールし、独自の武器を磨くことが、とても重要な時代になってきましたよね。とは言え、何をして良いかわからない人が多いというのが現実のようです。そこで今回は広告代理店勤務時代に3,000人以上のVIPと交流し、彼らの「キャリアの磨き方」を研究している気配りのプロフェッショナル・後田良輔さんに「仕事で『成長できる人』と『成長できない人』の違い」について話を伺いました。

キャリアとは「商業高校の男性」「工業高校の女性」と同じ!?

3000人のVIPと接していて気づいたことがあります。それは、彼らは「自分のスキルを磨くことに注力していない」ということです。

通常、キャリアを磨くというと、資格を取ったり、今までの自分になかったスキルを磨くことをイメージする人が多いと思います。

でも彼らはその逆。最低限度以上のスキルUPに時間を割くのは無駄と考えています。それよりも「『今の自分がすでに持っているスキルや経験』が最も活用できるのはどこか?」ということを探すことに注力しているのです。

キャリアとスキルは同じではありません。スキルとは、何かができるようになる技術やノウハウのことだと私は考えます。一方キャリアとは、何かの仕事に取り組み、それで成果を上げることにより、周りからの評判を上げることだと思います。

つまり経験です。経験ですから資格勉強をいくらしても、実際に取り組んでみるまでは成果はわかりません。この点にVIPは注目し、今の自分でもすぐに経験できる場所はどこか?という視点で仕事を探し、それに取り組むことで「経験を積むことを優先」していたのです。

もちろん新しいスキルを勉強することは重要です。でもその順番はあくまで逆。経験することが先、勉強することは後にしていたのです。

これは異性にモテたい人の真実と同じではないでしょうか。例えばビジュアル的には普通な男女の中学生がいたとします。

彼らはモテるためにダイエットに励んだり、ファッションセンスを磨いたりと努力をし始めます。でもそれっていつに結果が出るのでしょうか?高校生?大学生?それとも社会人。何だか先が見えないですよね。でも彼らが女性なら工業高校。男性なら商業高校に進学したら、どうでしょうか?現在は違うかもしれませんが私が学生だった頃は、男女比率のバランス的に、圧倒的に目立つ存在になり、すぐにモテるようになりそうなイメージを持っていました。

つまり人の価値とは市場の需要と供給のバランスで決まってしまうこともあるのだと私は考えます。スキルを磨くことは大切です。でも同じスキルを持つ大勢の中では、そのスキルの優位性は埋没してしまうこともあるのではないでしょうか。重要なのは今のあなたで勝負できる供給が少ない場所を探し、飛び込んでみることです。

キャリアは現場の経験で磨かれます。今の自分で戦える需要の少ない場所を探すことを優先してみるのも一つの方法です。この視点が仕事で「成長できる人」と「成長できない人」の違いだったのです。では次からVIPが行っている「今の自分で戦える場所の見つけ方」についてお話しします。たった3つしかないので、ぜひあなたの習慣に取り入れて、効率的にキャリアを磨いてみてください。

キャリアを効率的に磨く方法(1) 仮説を立てる

何をするにしても闇雲に取り組んではうまくいかないものです。まずは今の自分が一番輝ける場所はどこか?という仮説を立てることを優先しましょう。その時、重要なのは「付加価値」を意識すること。例えば今の武器が営業力だとします。だから営業部の中でもっと頑張るというのはいただけない発想です。

なぜなら武器とは掛け合わせだからです。そもそも営業部で営業を頑張るのは当たり前のことですよね。これでは他人からの評価は上げにくいもの。

でもその営業力が、経理部やシステム部で発揮されたらどうでしょうか?専門職の多い職場では、コミュニケーション能力に長けた人は、重宝されることが予想されます。

つまりあなたの能力の付加価値が高くなるということです。同じ能力でも場所が変われば、何倍にも高められます。ぜひ自分の能力を最大化できる場所はどこか?という仮説を立てるようにしましょう。

キャリアを効率的に磨く方法(2) 指名を意識する

仮説を立て、自分の能力を活かせる場所に行っても、実際に仕事を任せられなければ、キャリアを磨くことはできません。お店に並んでいないものはいくら探しても買えないように、あなたの能力が周りに認知されていなければ、誰もあなたに仕事を頼めないのです。

「私は〇〇が得意です」と日ごろからアピールしていますか?仕事とは指名の奪い合いです。普段、特に意識していなくても、相手の頭の中には「××という仕事なら△△だ」という評価が出来上がっているものです。それを覆さなければ、あなたに仕事がくることはないのです。これからは「自分を指名させる」ということを意識しましょう。

日ごろから「自分は〇〇が得意」「何かあったらぜひ声を掛けてください」と伝えておきましょう。人は自分が思うほど、あなたのことを見ていないものです。だからこそ自分から宣言するという姿勢が、とても重要なのです。

キャリアを効率的に磨く方法(3) 言語化できるようにする

仕事をしていると何だか調子が良く、どんどん成果が出るときがあるものです。その様子を周りがみて、新しい仕事をさらに任せてもらえるようになります。でも「何だか調子が良く」というものが曲者。自分ではなぜ仕事がうまくいくのは理解できていないため、新しく任せてもらった仕事では、それを再現することができず、失敗してしまうことになるからです。

キャリアは何度も再現できるからこそ、光り、磨かれるものです。「なぜかわからないけど成功した」で放置せず、必ず「成功の秘訣は〇〇だった」と言語化できるまで分析するようにしましょう。「千里の道も一歩より」ということわざがあるように、このひと手間があなたの未来を180度変えてくれます。

まとめ

キャリアとは勉強のことではありません。現場で培った生きた知恵の積み重ねです。今の自分できることは何かという付加価値に仮設を立て、その能力をアピールすることでチャンスは回ってくるようになります。

そして次のチャンスに活かすために、成功の秘訣を言語化してください。この繰り返しこそ、キャリアをうまく築きながら成長できる人の秘密だったのです。あなたの貴重な時間は限られています。資格勉強に取り組むのも良いですが、まずは自分の今ある武器が輝く場所はどこか?と考えてみてください。ほんの数分で出来るこの取り組みが、あなたの何十年の人生を左右することもあると私は思います。

 

プロフィール

後田良輔氏/ビジネス書作家・コラムニスト

後田良輔氏/ビジネス書作家・コラムニスト1972年生まれ。大手3大広告代理店に勤務し、「誰でも使える気配り術」を駆使する気配りのプロフェッショナル。これまで応対したVIPは、東証一部上場社長、世界企業のCEO、政治家、医者、弁護士、大学教授、大物俳優・女優、ミリオンセラー作家、世界No.1クリエイターなど総勢3000名を超える。この特別丁寧に接しなければならない顧客との交流で磨かれたスキルと「東京・名古屋・大阪」の現場勤務で身につけたリアルな経験を組み合わせた、独自の「誰でも使える気配り術」に定評がある。

著書に、『気配りの正解』(ダイヤモンド社)『<落ちこぼれでも3秒で社内エースに変わる!>ぶっちぎり理論38』(ダイヤモンド社)、『逆境を活かす! 就活面接「エモロジカル理論」2015年度版』(実務教育出版)『1秒内定面接術」』(インプレス)など。これらの実績を買われ全国の大学や企業から講演・研修依頼が殺到。新聞・雑誌などメディア露出は50回以上。「世界からキャリアの悩みをなくすこと」をミッションとする。

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