【会ってみた No.2】積み重ねるのが人生、だから挑戦し続けたい【ミンカ・リー】後編
動画共有サイト『ニコニコ動画』に自身の作品をアップロードし、多くの人々から注目を集める“素人”『ミンカ・リー』。前回のインタビュー前編ではそんな彼女の作品に対する姿勢、『ミンカ・リー』というキャラクターの誕生、そして注目を集めたことによる生活の変化などを中心に話しを聞いた。後編となる今回はそんな彼女の等身大の姿を語ってもらった(この記事を全て読むにはこちらから)。
前編を未読の方は以下からどうぞ
【会ってみた No.2】“男”疑惑は予想外でした…【ミンカ・リー】前編
■幻想と現実の境界線に
― そもそも、パソコンに触れたのはいつだったのでしょうか。
ミンカ
「初めてPCに触れたのはもうずっと前ですね。Macユーザーだったお父さんが買ってきたんですけど、小学校に入る前じゃなかったっけなぁ。今までに自分で買った一番高いものもパソコンなんですよね。17万円ぐらいだったんですけど。だから親しみはあるほうだとは思います」
― ではネットとの距離はどんなものなのでしょう。
ミンカ
「インターネットを使うようになったのは中学校の授業からですね。それからは“ネットサーフィン(ネット上にあるサイトを巡回する)”はわりとしているほうだと思います。今だと『mixi(ミクシィ)』、『Yahoo!(ヤフー)』、『Pixiv(ピクシブ)』なんかを巡回してますね。たまにふっと思い出して『ニコニコ生放送』を見たりもしますよ」
“デジタル”とそれ程に近い距離にありながらも、好きなものは読書なのだという。
ミンカ
「最近あれを読んだんですよ。あ~あ、また忘れた…。あ!『夜は短し歩けよ乙女』です。京都が舞台なんですよ。京都の色んな場所にまつわるエピソードがあって、それによって何話かに分かれているんですよ。文章がレトロなんだけどおしゃれで。若干、ファンタジーな要素が含まれていて。京都にはわりと縁があるので親近感もありまして。最近、舞台化されたんですけど…お金がなくて行けませんでした(笑)」
しかしあまりにも本が好きだったため、目を悪くしてしまった。
ミンカ
「今はコンタクトなんですけど、外した時はメガネなんですよ。伊達メガネに対する憧れがあるんですけどね。度が入ってないやつ。おしゃれな。欲しいんですけどね。まだこれといったものが見つかってないです」
― それも一種のコスプレ願望になるのでしょうか。
ミンカ
「いえ(笑)そこまでのものではないんですけどね。ただの憧れですよ」
― では他の趣味、例えば映画に関しての好みなどはありますか。
ミンカ
「一番好きなのは『ビッグ・フィッシュ』。ティム・バートン監督の作品が好きなんですよ。幻想と現実が混ざり合ったものが好きなので、ティム・バートンの色使いなんかはすごい綺麗で幻想的じゃないですか。さっきの本の話しもそうなんだけど、リアルな部分も好きだし、非現実的な部分も好き。その2つのバランスがとれたものが好きなんですかねぇ。だからティム・バートンは相性がいいんだと思います」
■普通のオタクなんですよね(笑)
― 「メイド姿やアニメの歌」動画から浮かびあがるものを見る限り、いわゆる“オタク”の要素が読み取れるんですよね。
ミンカ
「まぁ一番好きなのは漫画なんですけどね。最近では『聖☆おにいさん』『ワンピース』『バクマン』『テガミバチ』なんかを読んでるんですけど。“ジャンプ系”が多いんですよ。少女漫画はあんまり詳しくなくって」
― しかし『ニコニコ動画』にアップロードされた動画には、アニメの歌なども使われていますよね。
ミンカ
「最初にはまってたのは漫画とネットぐらいだったんですよね。アニメなんてもう、全く興味がなかった(笑)。それで伯爵から『コードギアス』という作品をすすめられたのがきっかけで、面白いなって思えるようになったんですよ。そこからはずぶずぶとはまっていきましたね…。今ではもう、アニメイトなんか行ったら身を滅ぼすぐらいになっちゃいましたよ(笑)。それでもたまに行ってしまうんですけど…」
― この『コードギアス』というアニメ作品、『ルルーシュ・ランペルージ』と『枢木スザク』という2人の少年を中心に展開していく物語ですが、どちらが“好み”などあるのですか。
ミンカ
「スザクですね。あまりの熱血ぶりに途中から“ウザク”(うざい、とスザクがかかっている)なんて言われ出したんですけど、ウザクじゃない、スザクだって!スザクにはスザクの考えがあるんだ!って思ってました(笑)」
― では自身がなってみたいアニメキャラクターなどはいるのでしょうか。
ミンカ
「『涼宮ハルヒの憂鬱』という作品のヒロイン・ハルヒですね。あれだけ自由奔放で自分の興味がある道をどんどん進めたらね…。もう何が“憂鬱”なのかと。まぁでも実際、あんなに自由すぎる人が近くに居たら嫌ですけどね…」
― “ハルヒ”といえば、『ニコニコ動画』にアップした作品の中でコスプレを披露してますよね。
ミンカ
「そうですね。でも元々コスプレをしてイベントに出たりとか、そういうハードなことはしてなかったんですよ。しょこたん(中川翔子)のライブに行く時とかはやってましたけど。なのでそれほど好きだったというわけではないんですけど…」
― では特にコスプレ願望といったものはなかったのでしょうか。
ミンカ
「いえ、メイド以外にも何か新しいコスプレをしたいとは思っているんですけどね。『D.Gray-man (ディー・グレイマン)』という漫画に出てくる、“リナリー・リー”のコスプレなんかしてみたいですね。あとアニメなんですけど、この前まで放送してた『けいおん!』のエンディングに登場する、“平沢唯”か“秋山澪”のコスプレですね。まぁでも、どっちかっていったら澪かな」
残念ながら、さっぱり分からなかった…。
■食べる、寝る、そして猫
― 私生活があまり明かされていない彼女だが、どのように過ごしているのだろうか。
ミンカ
「1日のスケジュールを教えてしまうと、ダラダラしてると思われてしまいそうなので…。まぁ主にネットと漫画が中心とでも言いましょうか(笑)。いえでも、色んなところに行ったり外で何かしたり、あと友達と会ったりとか、活動はしてるんですけどね」
― 他には食べたり、飲んだり、寝たりとか。
ミンカ
「1日でだいたい、8時間ぐらい寝るんですけどね、多いですかね…。でも寝ているのが好きなんで、二度寝するときなんかはもう、幸せですね。反対に無理やり起きる時はもう最悪な気分」
話しは食事へと続く。
ミンカ
「ブログをやってるんですけど、ダイエットするとか食事制限をするとか宣言はしているんですけどね…。実は夜中にアイスを食べちゃっていたことが多くて。頭では分かってても体が勝手に動くんですけよね…。でもこんなところで宣言しちゃったら、ちゃんとやらなきゃいけないですね…」
しかし最近は努力が継続できるようになったという。
ミンカ
「次の動画までに3kg痩せなかったら、1年間ROMります(何も発信せず、見ている側に回る)って宣言しちゃったんですよ。なので間食をやめるようにしたり、『mixi』で毎日の食べたもの公表したり、ジムに通ったり。といっても撮影日はかなり近くまできてしまったんですけど、まぁどうにか3kg痩せたとこなんです!」
― 悩みらしい悩みはそれくらいなのでしょうか。
ミンカ
「動物を恋人にするなら断然、猫というくらい好きなので、2匹飼ってるんですよ。でその猫がネズミを捕ってくるのが悩みなんです…。それが朝起きるとベッドの近くに置いてあったんですよ。ネズミが。「昨日遅かったけどお帰り」みたいな感じでね。朝起きたら足元にね、置いてあってね。もう一瞬で鳥肌が立ちました。どうにかしてそれを伝えたいと思ってるんですけどね」
それではそろそろ終わりにしたいのですが、会いたい人を3人あげてもらえますか。
ミンカ
「やっぱり一番はしょこたんですね。次はひろゆきさん(元2ch)かな…。あ、それと『ワンピース』という漫画の作者の、尾田栄一郎さんには会いたいですね!まさか誰かに会わせていただけるんですか(笑)」
― 弊社の代表取締役は深水英一郎というのですが、それでは駄目ですか。
ミンカ
「面白い方ですか?」
― いや、とくに面白くはないですね。
ミンカ
「じゃあ駄目です」
駄目だった。
■インタビューの終わりに
ミンカ
「『ミンカ・リー』がどこへ行くかというのは、私にもまったく見えてないんですよね」
そう言いながら彼女は続けた。
ミンカ
「積み重ねるのが人生だと思っているので。色々なことを経験していきたいです。色々なものを見て、聞いて、そして吸収したものを消化して、何かを発信し続けたいですね」
― では最後に、動画を見てくれている方に何かあれば。
ミンカ
「いつも見てくれてありがとうございます。これからも生暖かく見守って下さい」
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編集後記
動画の再生数が160万回を超える『ミンカ・リー』。ただただ日々を過ごしていた“普通”の生活から一転、突如、ネット上で注目を集め始める。そんな反応をもてあましながらも、当事者達は戸惑い、そして成長していく。確かにこのようなことはレアケースかもしれないが、そこに等しくチャンスはあり、そしてそんなチャンスを逃さなかった人たちこそが、新しいムーブメントを作り出していくのかもしれない。
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