イギリスのノーフォーク警察、取り組むべき事案の選別にAIを活用
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ケンブリッジ大学との共同研究により、ノーフォークで発生した数千件の事件を分析して29のファクターを抽出。犯罪の解決可能性を導き出すアルゴリズムを開発した。
1月から開始されたテストでは、警察による現場での調査後、調査を続けるべきかの判断材料に同AIのレコメンドを含めている。
イギリスでは、すでにダーラム警察が、容疑者を拘束/保釈に関しての判断にAIを活用しているなど、警察がテクノロジーの導入に積極的。一方で信頼性の面からの不安の声も上がっているようだ。
・警察の人員不足をテクノロジーで補う
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同地域では2009年以来、警察が15%以上削減されていおり、ノーフォーク警察にいたっては、同期間に31%削減されている。一方で強盗発生件数は過去1年間で32%も増加した。
また、現在のイングランドおよびウェールズの強盗検挙率は10%程度であり、約65%の事案が追加の調査をしないまま打ち切られている。AIの導入により、リソースを注入すべき事案の選定精度が上がればしめたものだ。
・テスト内容は不透明な部分も多い
AIを活用して犯罪を効率よく検挙するのに成功したとしても、警察に対する市民の信用低下を招く可能性がある。
いまのところ、AIが活用された回数や、検挙率については公表されておらず、29のファクターについても明らかにされていない。
犯罪者の悪用リスクを考えるとアルゴリズムが機密であることは致し方ないが、AIの使用頻度や方法にはある程度の透明性が必要だ。実際、監視カメラ社会のイギリスでは、警察や政府のテクノロジー依存に対して危惧する声も多い。
ただ、警察の人員削減が急速に進められるなか、テクノロジーを活用しようとの流れに逆らうことは難しく、今回テスト中のAIに関しても、導入の方向に動くと考えられる。
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