アメコミヒーローをロボに乗せるのは日本の伝統!? 映画『ニンジャバットマン』ガジェット裏話も!中島かずき×水﨑淳平インタビュー
とんでもシーンでも、ちゃんとした理屈が考えられていた!
――ガジェットでこだわった部分を1つ教えてください。
水﨑:操作系統でいうと、ガジェットを操作する時に、バットマンの周りにUIみたいな映像がふわっと表示されるんです。あれは記号としてやっているだけで、本当はホログラムが浮かんでいるわけじゃなくて、バットマンの目にはああやって見えているというもの。実際にあの場にふわっと浮かんでいるものじゃないんです。
スタッフから、あの光の影響を周りに出すかと問われた時に、「あの光は周りに影響しない。なぜかと言うと、あれはバットマンだけに見えている」と伝えました。ホログラムとして実際に浮かんで発光していると、バットマンの顔が照らされたりしなきゃいけないので、ちょっとした言い訳です(笑)。UI周りはなんだかんだで力を入れているところです。

――小ネタが満載だと思いますが、見逃してしまいそうな注目ポイントは?
中島:僕が好きなのは、ゴリラ・グロッドが温泉で日本酒を飲んでいて、つまみに切ったバナナが用意されているところや、笛の吹き方が間違っているところ。
水﨑:ジョーカーに紙芝居を見せているシーンは、よく見るとちゃんとストーリーが書いてあって。里見さんが書いたんですよね?
里見プロデューサー:俺が書いた。バットマンの紙芝居を書いてくれと言われて、中島さんにと言われたけど申し訳なくて、発注できない~と思って自分で書きました(笑)。
水﨑:「バットマンは建前とキレイ事が大好きでゴッサムのみんなから嫌われています」とか書いてあったり(笑)。それを、ちゃんとジョーカーは水飴なめながら見てる。
中島:後半の茶室のような馬車のシーンも、バットマンは日本の文化をわかっているようでわかっていないから、へりを跨いで座っているんです(笑)。

――では、ずばり一番大変だったことはなんでしょう?
中島:サルとコウモリの塊が、なぜ物理的な攻撃ができるのか。その理屈は一応考えていて、あのサルたちの甲冑の中には時空震シンクロシステムというものがあって、それは時空震コンバータが発動したときにそのエネルギーをこっちも共振して発動できるんです。だから、五城合体したときだけ、あのサルたちの甲冑がパワーを持ってエネルギーのフィールドが作れるので、パンチも打てるんです。ゴリラ・グロッドがちゃんとカウンターシステムを用意していたということなんですよ。
水﨑:たしかにそのあたりかもしれないですね。サルの中には棒を持っているやつがいて、それが骨となって一塊になれるんじゃないか、とか。黄色い鎧のサルたちの塊がグレーになる理由は?と聞かれて、サルたちの背中の鎧が日本の昔ながらの木のおもちゃの「ぱたぱた」(ぱたぱた板返し)あるじゃないですか、その仕組みになっているから、色が変わるとか。わざわざ「ぱたぱた」を買ってきて黄色とグレーに塗ってスタッフに見せましたもん(笑)。

水﨑:城が合体するときの構造もあの時代で物が浮遊したらおかしいから、アーカム城のゴリラの城はアンカーを打って松葉杖のように持ち上げてから、その松葉杖のレールの中を走っていって、弓矢でロープを打って手繰り寄せてくっついていく。あの時代、あの状況でギリギリ出来そうな努力はしています(笑)。
――いろいろと説明が考えられているんですね。たくさんのお話、ありがとうございました!

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