5.3インチディスプレー+タッチペンでデジタル文具の使い心地 “新カテゴリー”スマートフォン『GALAXY Note』とは?

5.3インチディスプレー+タッチペンでデジタル文具の使い心地 “新カテゴリー”スマートフォン『GALAXY Note』とは?

NTTドコモが4月に発売したSAMSUNG電子製のAndroidスマートフォン『GALAXY Note SC-05D』。5.3インチの大画面ディスプレーを搭載し、付属のタッチペンでも操作でき、全世界では既に500万台を販売する人気機種になっているのだとか。「ただの大画面スマートフォンなんじゃないの?」と思っていたのですが、触ってみるとデジタル文具のような使い心地で、これは新しいカテゴリーの誕生なのだと実感しました。『GALAXY Note』の実機をお借りしたので、製品レビューをお届けします。

※記事には多数の写真を掲載しています。すべての画像が表示されない場合はガジェット通信をご覧ください

一昔前のペン入力から格段の進化

片手に端末、もう一方の手にペンが正しい姿勢

『GALAXY Note』最大の特徴は、付属のタッチペン『Sペン』を使った操作が可能なこと。アップルの『ニュートン』、シャープの『ザウルス』、Palmデバイスといった90年代のPDAで採用されていたペン入力ですが、現在のスマートフォンの性能と操作性にペン入力を組み合わせることで、あの時代から1周回ってきたような新しい使用感をもたらしています。

本体の幅は83mmなので、片手持ちの親指だけで操作するにはちょっと大きいサイズ。片手でしっかり本体を持ち、もう一方の手でペンを持つのが正しいスタイルです。取材などで立ったままメモを取る機会が多い筆者には、すんなりなじめます。もちろん、ペンを使わずに指だけで操作することも可能ですが、ペン入力のPDAなどを使っていた人には、細かい部分はペンタッチ、フリックなどは指で、などとペンを持ちながらの自然な役割分担ができてしまいます。

コンパクトな『Sペン』

『Sペン』は電磁誘導式なので、コンパクトなペン先を実現。細かい文字や繊細なタッチの描画が可能になっています。128段階で筆圧の認識も可能。ペン入力にはワコムの技術が採用されていることが報じられていますが、液晶タブレットのような書き味にも納得です。

『Sペン』は本体に収納可能

ペンは本体下部に収納が可能。『ニンテンドーDS/3DS』のタッチペン収納に慣れた人にはわかりやすいですね。

“書く”“描く”にしっかり対応

“書く”“描く”にしっかり対応

ペン入力は指によるタッチ操作の代用だけではなく、“書く”“描く”というアナログ入力にしっかり対応します。ここに、“デジタル文具”として使えるスマートフォンの新しい可能性を感じました。

直接手書きで入力 手書きで変換しながら入力

プリインストールされた『Sメモ』は、これらアナログ入力に特化したアプリで、紙のメモ代わりに手書きできます。書き始める位置をペンタッチで指定して、入力パッドに手書きで入力した文字をデジタルに変換しながら書き進めることも可能。筆者は手書きメモ派なので、ガシガシと手書きで書いていくスタイルが重宝しそう。画面右下の「+」をタッチすると次のページを追加でき、複数ページのメモはまとめてひとつのメモとして保存できます。メモ帳やノートを持ち歩いたり、残りページ数を気にする必要がないのは便利。

『7notes with mazec-T』では手書き文字を後から変換可能

こちらもプリインストールされているアプリ『7notes with mazec-T』を使うと、いったん手書きで入力した文字を、後からデジタルに変換することもできます。手書き文字入力システム『mazec』の認識率は高く、筆者の汚い字でも認識してくれますが、誤認識があっても後から入力しなおせば大丈夫。手書きの方が早い、という人はまずざーっと手書きで書いておき、落ち着いたところで変換していけばテキストデータに。

同様の機能を持つ『ショットノート』(キングジム)、『CamiApp』(コクヨS&T)なども、手書きメモをスマートフォンで撮影してデジタルデータとして管理するデジタル文具として人気ですが、筆者がこれらを使ってみた時は撮影せずに紙で残したままになることが多かったのです。外出先で書いた文字をテキストデータとして利用するには、『GALAXY Note』が最速の手段といえそうです。『mazec』は文字入力システムに統合されているので、どんなアプリでも文字入力に利用できます。

ペンの種類を選んで繊細な表現も可能

“描く”機能も充実しています。『Sメモ』や画像編集アプリ『フォトエディター』で利用できるペン先はシャープペン、筆、鉛筆、サインペンから選択でき、筆圧に応じた繊細なタッチで描くことが可能。『フォトエディター』には、背景のパターンを合成して、写真から人や物を消すことができる『Photoshop』の『コンテンツ応じる』のような機能もあり、クリエイティブ系ユーザーにも使い勝手のよい強力な画像編集機能が用意されています。

ペンを使った便利操作

人差し指でボタンを押しながら操作

『Sペン』にはボタンがついており、人差し指でボタンを押しながらペン操作する機能が利用できます。ペンを持ったまま、ボタン操作や指による操作をしなくても作業が続けられるように配慮されているようです。

キャプチャーと同時に『フォトエディター』を起動

最も便利だと思ったのは、スクリーンキャプチャーの機能。ボタンを押してペン先で画面を長押しするとスクリーンショットを撮影し、すぐに『フォトエディター』が立ち上がります。注記を書き込んだり、トリミングして保存や共有ができるので、ブラウザやアプリで表示された気になる情報を効率よく加工して再利用できます。スクリーンキャプチャーは、手のひらで画面を右から左になでる“手のひら操作”でも可能。この場合、『フォトエディター』は起動せずに、スクリーンショット画像を保存します。

どんな画面でも『Sメモ』が起動できる

ボタンを押して画面をダブルタップすると、すぐに『Sメモ』が起動します。どんな画面を表示していてもオーバーレイで『Sメモ』の編集画面が表示されるので、気になったことはその場ですぐにメモをとれます。これもなかなか便利。

ボタンを押してペンで画面を下から上にスワイプするとAndroidの「MENU」キー操作、右から左へスワイプするとAndroidの「戻る」キー操作が可能。端末のボタンを押さずにペンを持ったまま操作できます。逆に、ペン先で「MENU」キーや「戻る」キーを押しても反応しないので注意。

パワフルな基本スペック

両手持ちでタイピングしやすいサイズ

通常のレビュー記事なら基本スペックをまず紹介するところですが、今回はまずユニークなペン操作にフォーカスして機能を紹介しました。スマートフォンとしての基本機能も充実しています。

CPUは1.5GHzのデュアルコアで、画面移動も滑らか。5.3インチ、1280×800ドットの『HD SUPER AMOLED』ディスプレーはウェブサイトや動画を鮮やかに表示し、ソフトウェアキーボードも両手持ちで快適にタイピングできるサイズです。これは地味ながら、5.3インチディスプレーならではのメリットを最大限に享受できる機能でもあります。

LTEサービス『Xi(クロッシィ)』対応なので、下り最大75Mbps、上り最大25Mbpsの高速通信が利用できます。最大8台までのテザリングが可能。

バッテリー容量は2400mAh。通常の使い方なら朝フル充電で外出し、夜帰宅するまで充電しなくても、バッテリー残量は十分。

ほかにも800万画素のカメラ、ワンセグなどを搭載し、スマートフォンとして不足ないスペックです。

モバイルルーターとしても活躍

テザリングで5時間業務ができた

『Xi』の高速通信と大容量バッテリーを生かして、モバイルWi-Fiルーターとしても十分活躍しそう。『GALAXY Note』本体もGoogleアカウントと常時同期させた状態で、ノートパソコンをテザリングで連続使用してみました。

ノートパソコンは通常業務で常時ネットワークを使用していたのですが、通信は快適な速さ。5時間連続使用したところで『GALAXY Note』のバッテリー残量が15%となり、「充電してください」というアラートが表示されました。

1日中外でネットにつなぐということでもない限り、外出したときだけつなぎたいという用途に十分対応するのではないでしょうか。『Xi』の契約であれば、月に7GBまでのデータ通信は『Xiパケ・ホーダイ フラット』『Xiパケ・ホーダイ ダブル』の定額プランに追加料金なしで利用できます。

これ1台で十分に?

たとえばスマートフォンにメモ用紙とペン、ノートパソコン、モバイルWi-Fiルーターを持ち歩いている人は、ノートパソコン以外は『GALAXY Note』1台に集約してしまっても問題なさそうです。ガジェットや文具がゴチャゴチャ入ったカバンの中身をスッキリさせられそうですね。

ちゃんと電話できます

そうそう、スマートフォンなのでもちろん電話もできますよ。Bluetoothヘッドセットと組み合わせれば、手が小さい女性でも電話として利用できると思います。

スマートフォンとタブレットの間のサイズで、タッチペンを組み合わせることにより新しいカテゴリーのスマートフォンになった『GALAXY Note』。手書き派の人やデジタル文具好き、クリエーター、ネイルが気になってスマートフォンを扱いづらい女性に受け入れられるのでは。端末費用を最大24か月サポートする料金形態により、今なら実質2万円を切る販売価格も、今後の普及を後押ししそうです。

『GALAXY Note SC-05D』主な仕様
OS:Android 2.3.6
サイズ:W83×H147×D9.7mm
重量:約184g
3G連続待ち受け時間:約350時間
GSM連続待ち受け時間:約310時間
LTE連続待ち受け時間:約310時間
連続通話時間(3G/GSM):約430分/約530分
ディスプレー:約5.3インチ 800×1280 WXGA 有機EL 1677万色
外部メモリー:microSD(最大2GB)/microSDHC(最大32GB)
カメラ:有効画素数約810万CMOS
インカメラ:有効画素数約196万CMOS
CPU:APQ8060 1.5GHz デュアルコア
ROM/RAM:16GB/1GB
Xi:対応
テザリング:対応
ワンセグ:対応
カラー:Ceramic White

  1. HOME
  2. デジタル・IT
  3. 5.3インチディスプレー+タッチペンでデジタル文具の使い心地 “新カテゴリー”スマートフォン『GALAXY Note』とは?

shnsk

宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

ウェブサイト: http://mogera.jp/

TwitterID: shnskm

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。