PS2ゲームのプログラムをXbox360に無断流用されたメーカー「盗用が一目瞭然な製品」

Xbox360専用ゲームソフト『怒首領蜂 大往生 ブラックレーベルEXTRA』(発売元: 株式会社5pd)の開発を株式会社5pb.から請け負った株式会社アクアシステムが、プレイステーション2用ソフト『怒首領蜂 大往生』のプログラムソースコードを無断で盗用し、改竄しつつ『怒首領蜂 大往生 ブラックレーベルEXTRA』を完成させていた件で、新たな展開だ。

『怒首領蜂 大往生』の開発元である株式会社アリカの代表取締役副社長・三原一郎氏(開発・業務統括)が、自身のブログで今回の件に関して今後の対応を発表している。当ガジェット通信が株式会社アリカに取材をして返答をいただけたコメントと、三原氏の今後の対応は以下の通り。株式会社アリカと三原氏は、ともに同意見と考えてよい。

<株式会社アリカの回答>※弊社取材への返答
Q:  なぜアクアシステムは既存のプログラムを使用したのか?
A:  使えると判断したからではないでしょうか? 推測で申し訳ありません。
Q:  なぜアクアシステムはプログラムの使用許可を得なかったのか?
A:  盗用している事を自覚していた為と思われます。詳しくお答出来ませんが、入手手段が既に答えられないからだと思います。
Q:  法的にどこがどこに対してどのような責任を問うのか?
A: 5pb.様が弊社に対して賠償責任をとる事になります。またそれ以外の件に関しては現時点ではお知らせ出来ません。
Q:  ユーザーや一般の人たちからクレームなどがきているか?
A: 弊社にはクレームは来ておりません。5pb.様には多く問い合わせがあると聞いております。

<三原氏の回答>※公式ブログより抜粋して要約
Q:  どの時点で気がついたか?
A:  疑惑が確信に変わったのは3月11日です。
Q:  どうしてソースコードが盗用された?と気がついたのか?
A: 当初はPS2版のデータをなんらかの方法でエミュレーションしてるのでは? と思っていました。それは360版にPS2版のオリジナルの仕様が多数見つかったので偶然ではないと思ったからです。その為に慎重にPS2版との類似点を調査し、その類似性が万が一訴訟になった場合にでも勝てるのか? という所まで判断した上で5pb.社に真偽を確認した際に発覚しました。
Q:  5pb.社は盗用を意図的に行っていたのか?
A:  製品版を見ればなんなりかの盗用が一目瞭然な製品を出している訳ですから最初は確信犯だと思っていましたが、最初に問い合わせをした際の対応から、まったく気がついていない事がわかりました。つまり5pb.社からすれば、「アリカ社から真偽確認が来た」「そんな馬鹿な?」「しかし証拠を見る限りなんらかの盗用があったとしか思えない」「直ぐに開発会社に確認した」。その日の内に開発会社は盗用を全面的に認め謝罪した訳です。包み隠さず全ての情報をこちらに知らせました。その際にPS2版のエミュレーションとかいうレベルではなくPS2版のソースコードから開発をしていたという事がわかりました。要はあがってきたROMをちゃんと確認していれば直ぐにおかしいって気がついたハズのレベルの商品を出した事が5pb.社の罪だと思います(引用ここまで)。

……と、株式会社アリカと三原氏はコメントしていた。詳細については三原氏の公式ブログをご覧いただくとして、今回の件の決着方法として三原氏は「今回の件は決して許される事ではないと思います。金銭的賠償で済ませて事実は闇の中という事では気が収まりません。こんな事をしでかした会社が今後ものうのうと仕事していけるってそんな馬鹿な事はないと感情的には思います。が、現実は金銭的賠償ぐらいしか法的に手段はありません。つまり、お金で解決しましょう。これが社会の仕組みです」とブログでコメントしている。

しかしながら、「5pd.社長、志倉さんは違いました。賠償も行い、事実を公開し、社会的制裁を受けた上でやり直したい。そう言って謝罪に来られました。だから西谷は許しました。今回のニュースリリースの事で5pb.社の信用は失墜しました。業界で仕事が出来なくなるかもしれません。一度失った信用を取り戻すのは大変です。だからアリカは助けます。360版大往生の修正版は、西谷の特令として私が修正版を担当します」ともしており、非常に寛大な処置と、ファンたちのことを第一に考えた対応を考えていることがわかる(西谷氏は株式会社アリカの代表取締役の方である)。

このような事態に発展したことは非常に残念なことではあるが、これから再起をしようとしているメーカーに対して、これ以上の文句をぶつけても意味はない。今後、新たな『怒首領蜂 大往生 ブラックレーベルEXTRA』の誕生と、ゲームメーカーとして株式会社5pdがどういう再起を遂げるのかを見守りたい(このニュースの詳細記事はこちら)。

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