一流営業パーソンになれるかどうかの「4つの分かれ目」とは?

「一生懸命頑張っているのに、なかなか営業成績が伸びない」

「ノルマ達成が精いっぱいで毎月へとへと」

「断られたらと思うと飛び込み営業なんて怖くてできない」

会社の売上を握っている営業パーソン。いわば生命線を背負っている存在ですが、目先の売上目標に追われ、毎日がつらく感じている方も多いのではないでしょうか。でも、そんな厳しい環境にも関わらず、楽しく仕事をこなし軽々と営業数字を叩き出す、「一流」と呼ばれる営業パーソンがいるのも事実です。

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そこで「一流の営業パーソンが特に気にしているポイント」について、広告代理店の営業マンとして飛び込み営業成功率72.6%、累計30億円以上の案件を獲得、また3000人以上のVIPと交流し、彼らの成功の秘密を20年以上研究してきた経験を持つ「気配り」のプロフェッショナル・後田良輔さんにお話を伺いました。

一流の営業パーソンは「主語」を入れ替えている

私はこれまで3000人以上の「一流」と呼ばれる成功者と接し、また自分自身も広告代理店の営業マンとして、飛び込み営業で累計30億円以上の案件を獲得してきました。その結果、一流営業パーソンと結果が上がらない営業パーソンには、たった1つですが、大きな違いが存在していることがわかりました。それは「主語」の違いです。

結果が思うように出ない営業パーソンの主語は「自分」となっています。「自分は何を売りたいか」「自分はどうしたいか」「自分は何をすると気持ちがいいか」など、何をするにしても「自分」が主役となっています。

一方、一流営業パーソンの主語は「相手」になっています。「相手は何が欲しいのか」「相手はどうしたいのか」「相手は何をすると気持ちがいいのか」と言うように、主語を自分ではなく「相手」にしていたのです。

単発の仕事であれば、主語が自分のままでも売れることがあるでしょう。でもより大きな売上を、より長く続けていきたいと思うなら、主語を相手に変え、相手のメリットを追求する必要があったのです。この主語の入れ替えの積み重ねが、いつしか天地ほどの差となって、結果に表れていたのです。そこで今回は、簡単に主語を入れ替えることができる4つのポイントをご紹介したいと思います。

主語の入れ替え【1】「服装の選び方」

心理学のメラビアンの法則の通り、人は会った瞬間の3~5秒で第一印象が決まる傾向があります。そのため営業パーソンもビジネスの服装に気を遣うのが一般的です。

でもその服装、お客様の主語に合ったものになっていますか?流行のファッションに身を包み、一般的に清潔感があると言われる服でも、その認識をお客様が同じように感じてくれなくては意味がありません。「自分が清潔と思う」ではなく、「お客様が清潔と思う」かどうかが大切なのです。

そこで一流の営業パーソンは服を自分で選ばず、百貨店などのプロに選んでもらうようにしています。例えば「食品メーカーの人が清潔と思うスーツをおススメしてください」というように、自分のお客様の業界名を販売員に伝え、その上で勧められたスーツを購入するのです。そこに自分の好みが入る余地はありません。プロがおススメするお客様目線の服装こそ、正解の服装なのです。

主語の入れ替え【2】「『2つの先』を綺麗に整える」

デキる営業パーソンは「靴の清潔さ」を気にすると言いますが、一流営業パーソンはさらにその上を気にしています。それは「指先」です。たしかに「靴」の手入れができていると、きちんとした人だという印象を与えることができますが、実際に商談中に「靴」が見えることはほとんどありません。それよりも指、それも「指先」がとても重要になります。「爪がきちんと切られているか?」「爪に汚れが詰まっていないか?」「手荒れがないか?」などは意外と目が行き、気になる部分です。

このような「指先」こそ、あなたの誠意が宿るセールスポイントなのです。どうせ買うなら、不快な印象のある人よりも清潔な印象のある人から買いたいと思うもの。これからは「靴」と「指先」という「2つの先」を綺麗に整えるようにしてみましょう。

主語の入れ替え【3】「物の言い方」

結果が思うように出ない営業パーソンと一流営業パーソンでは、物の言い方にも明確な違いがあります。例えば、一般的な連絡。結果が思うように出ない営業パーソンは「その件につきましては木曜中に連絡します」と話しがちですが、一流営業パーソンは「その件につきましては金曜日の朝9時までに連絡します」と答えます。

営業時間ベースでよくよく考えれば、結果的には同じことを言っています。でも「木曜中に連絡します」では、そもそも何時に連絡が来るのか曖昧な状況で、個人の主観によって認識のギャップが生まれてしまいます。一方、「金曜の朝9時までに連絡します」なら明確な時間が決められているので相手が安心できますし、前倒して木曜に連絡すれば「1日早く対応してくれた」とお客様は感じ、あなたに信頼を置くようになってくれます。このように同じことを言っているのだけれど、相手が「自分のために努力してくれた」と感じるような物の言い方を意図的に考えてみましょう。

主語の入れ替え【4】「3つの利益を意識する」

一流営業パーソンは、主語を入れ替え「相手の利益」を追求しますが、その時、3つの利益を意識しているのもポイントです。実は「相手の利益」は、3つのレイヤーに細分化できるのです。1つ目は担当者の利益、2つ目はその上司の利益、3つ目は会社の利益です。自分が提案するものが、担当者の利益にしかならないものであれば、その売上は小さいものになります。ですが、担当者の利益にもなり、その上司も喜ぶ内容の提案であれば、より大きな売上になります。そして会社の大きな利益になるものであれば、永続的な取引の獲得につながるのです。このように一流営業パーソンは、目先の利益だけにとらわれず、より俯瞰的な視点を持ち、相手の会社全体の利益となる主語を見つけるように活動しています。

――営業は「物やサービス」を売っているという面もありますが、一方で「心」を売るという面も持っています。目の前の売るべき商品だけにとらわれず、これからはぜひ、相手の心に寄り添う姿勢を持つようにしてください。たったそれだけで、いろいろなことが好転しはじめ、営業も人生が劇的に変化していきます。

後田良輔氏/ビジネス書作家・コラムニスト

後田良輔氏/ビジネス書作家・コラムニスト

1972年生まれ。大手3大広告代理店に勤務し、「誰でも使える気配り術」を駆使する気配りのプロフェッショナル。これまで応対したVIPは、東証一部上場社長、世界企業のCEO、政治家、医者、弁護士、大学教授、大物俳優・女優、ミリオンセラー作家、世界No.1クリエイターなど総勢3000名を超える。この特別丁寧に接しなければならない顧客との交流で磨かれたスキルと「東京・名古屋・大阪」の現場勤務で身につけたリアルな経験を組み合わせた、独自の「誰でも使える気配り術」に定評がある。

著書に、『気配りの正解』(ダイヤモンド社)『<落ちこぼれでも3秒で社内エースに変わる!>ぶっちぎり理論38』(ダイヤモンド社)、『逆境を活かす! 就活面接「エモロジカル理論」2015年度版』(実務教育出版)『1秒内定面接術」』(インプレス)など。これらの実績を買われ全国の大学や企業から講演・研修依頼が殺到。新聞・雑誌などメディア露出は50回以上。「世界からキャリアの悩みをなくすこと」をミッションとする。

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