【ここは法廷だゼ!】弁護人が意味不明のヒートアップ「なんて人だ、この人はッ!!」
強盗犯人を匿い、犯人蔵匿罪という比較的珍しい罪で逮捕・起訴されたA。犯人を匿ったというが、その強盗自体には関わっていなかったようだ。そんなわけで、裁判もさほど長引かずに終わるかと思いきや、そうはいかなかった。
このAの弁護人(けっこう年配の男性)が一筋縄ではいかない人物だった。まず、質問を時間通りに終わらせることができず、軽く1時間以上、終了時間をオーバーする事も。
ある日の審理では、
「あなた、社会や国の掟を破る事に、何らためらいを持ってない! 平気な感じがしますよ! 悪い事をヤメる!!! という風にキッパリ言えないなんて、そんなことでいいんですかっ!? 私はねぇ、弁護しづらいですよ!」
と、いきなり激高。弁護しづらい、だなんて、いま言うことだろうか……? ヒートアップした老人弁護人は収まりがつかないのか、続けてこう怒鳴る。
「こんなんじゃ、裁判所に非難、受けますよ! それでいいんですか!? 規範意識が鈍磨してるとか言われますよ! それでいいんですかっ! 全くねえぜ、私は、呆れ返ってモノが言えないって風になってる! なんて人だ! この人はっ!」
質問タイムに質問を行わず被告人に怒りをぶつける弁護人に、法廷も困惑ムードが漂い始めた。それまで、Aは弁護人を怒らせるようなことは特に言っていなかったし、挑発的な態度も取っていなかったので、困惑も倍増である。裁判長がたしなめた。
「弁護人っ! それは質問じゃなくて意見になってますからね! 質問して下さい!」
しかしこの弁護人は全く裁判官を無視! 見たところ、裁判長よりも弁護人のほうがかなり年上だ。この裁判長に対して、『若造に説教されてたまるか』という謎のプライドでも持っているが故の無視なのだろうか……とあれこれ想像を巡らせてしまうほど意味不明な行動だ。
裁判官を無視した弁護人はその後も「困っちゃうんですよね、もう少ししっかりしてくれないと〜」などなど、質問ではなく意見を述べまくり、最後にこう叫んだ。
「注意だけしておきますからね! アナタ、自分のモノの言い方、気をつけなさい!」
法廷が静まり返った。
気をつけなきゃいけないのはアンタだよ! と、法廷の誰もが思ったのではないだろうか……。
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傍聴人。近著『木嶋佳苗 危険な愛の奥義』(徳間書店)、『木嶋佳苗劇場』(宝島社)ほか古くは『霞っ子クラブ 娘たちの裁判傍聴記』(新潮社)『あなたが猟奇殺人犯を裁く日』(扶桑社)など。好きな食べ物は氷。
ウェブサイト: http://tk84.cocolog-nifty.com/
TwitterID: tk84yuki
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