「タラレバ」世代のそのあとは……? アラサー女子の不安に一石を投じる『おとなとこども、あなたとわたし。』がスゴい!!

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おとなとこども、あなたとわたし。

アラサー未婚女子なら9割は共感するのでは?という漫画、東村アキコ『東京タラレバ娘』(講談社)。

今年2017年1月にスタートしたドラマも大好評、放送のたびに繰り出されるエッジの効いたセリフのひとつひとつに、世の女子たちは一喜一憂しています。

……ですが、ちょっと考えてみてください。
いろいろと「タラレバ」を言ったとしてもその後に幸せを得られたなら御の字。

でも、得られなかったらどうなるのか…。

そんなちょっと恐ろしい「未来のワタシ」が登場するのが、『おとなとこども、あなたとわたし。』(著:糸なつみ/KADOKAWA)です。

本作は、幼馴染同士、亡き妻をめぐる恋敵同士、母娘ほど年の離れた先輩後輩OLという年の差のある3組を描いたオムニバスストーリー。

「年の差」から生まれる3組の人間模様を描いていますが、なかでもアラサー女子にぜひ読んで欲しいのが、恋愛興味なし新人OL・エリ(22)と彼氏なしアラフィフ美魔女OL・奈々子(49)――年の差27歳の物語です。

おとなとこども、あなたとわたし。

本作に登場するアラフィフ美魔女OL・奈々子(49)の特徴はというと、

・もうすぐ50歳なのに、20代のようなふわっとした雰囲気や言動
・子どもがいるわけでもないので、自分にお金をかけている
・恋愛は良いといいながら、「結婚式」がうらやましいのかどうかわからない
・自分のことよりも人の世話を焼くおせっかい

奈々子の特徴に当てはまる女性が以前周囲にいたこともあり、私、アラサー未婚女子・宣伝担当Sは奈々子に思わず「未来のワタシ」を重ねてしまいました……。

だけど、読み進めるうち、そんな奈々子のセリフにハッとさせられたのです。

おとなとこども、あなたとわたし。 「タラレバ」世代のそのあとは……? アラサー女子の不安に一石を投じる『おとなとこども、あなたとわたし。』がスゴい!!

でも私
長距離走は
得意だから

私の
人生だもん
楽しく
いたいの

出典:
糸なつみ『おとなとこども、あなたとわたし。』第1巻、p145、146(KADOKAWA)

後輩である新人OL・エリから、「人の恋路の世話ばかり焼かずに、自分のことだけ構えばいい」と言われた奈々子が、「自分のことはわからない」と答えた後のセリフです。

ここで奈々子が言う「長距離走」は、すなわち「人生」の比喩であるようにも感じます。

50歳を間近にしてなお「女」で居続ける奈々子が言う「長距離走」には、「女でいること」も含まれているのかもしれません。これまで周囲に何を言われようと、「自分は自分」として生き、陰口を言われても笑顔で「自分の人生を楽しく」過ごしてきたのでしょう。

でも、ゴールが見えない人生という長距離走のペースは、いくらそれを得意とするランナーでもつかみにくいもの。

だからこそ、奈々子がどのように人生の長距離走を続けていくのか、アラサー女子たちにぜひ見届けて欲しいのです。
自分らしく走り続けようとする奈々子の姿は、「歳を重ねる」ことに対してどう向き合っていくのかという大きなテーマに対する、ひとつの答えを教えてくれるでしょうから。

『おとなとこども、あなたとわたし。』には、
恋愛興味なし新人OL・エリ(22)と彼氏なしアラフィフ美魔女OL・奈々子(49)
――年の差27歳の物語 の他に、

“援交”をした父を持つ男子高校生・育と、彼を純粋に慕う女子小学生・のん
――年の差7歳の物語

妻を亡くした老人・白川と、その妻に想いを寄せていた三十路男・蒲田
――年の差45歳

……の2つの物語が収められています。

1巻では年の差ある2人が交わっていく姿を、2巻ではその関係が変化していく様子を描いている本作。

それぞれの物語に共通する魅力は、埋められそうでいて埋めることが難しい「年の差」という永遠の命題が、異なる3組の関係性により、より多面的に描かれているところです。

年齢によるギャップの間で揺れ動く3組の姿は、きっとあなたの琴線に触れるはず。
ぜひ、本作ならではの「年の差」物語を味わってみてください。

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