裁判員制度に影響? 音声認識システムが地方の方言を認識できず

地域特有の言葉といえば、方言だ。カッコ悪いという人もいれば、情緒があって素晴らしい言葉とする人もいる。方言は伝統的な言葉がほとんどで、なぜか心温まる言葉でもある。そんな方言が、裁判所では問題となっているのをご存知だろうか?

北海道新聞によると、法廷での会話、すなわち被告人や証人の発言を自動的に文字として認識し、記録することができる “音声認識システム” が、津軽弁を識別しない場合があるそうなのだ。例としては、「うっと」という言葉を認識しなかったという。ちなみに「うっと」とは、津軽弁で「もっと」という意味とのこと。同紙によると、「最高裁が約4億円をかけて開発した自信作で、全国の約160法廷に導入。関西弁に対応できるバージョンもある」とのことで、かなり気合を入れて作ったもののようだ。

津軽弁で認識しなかった言葉として「じぇんこ」(お金)もあったという。青森地裁は津軽弁でよく使われている言葉を登録させ、どんな津軽弁で話をされてもちゃんと記録できるように検討しているという。結局、いくら自動認識するシステムとはいえ、基本的な部分は人間の手を加えないとうまくいかないということだろうか。北海道新聞は裁判員制度開始を前にして発覚した問題として報道している。

しかし、方言は話の流れで意味を把握する場合があり、同じ発音(もしくは似ている発音)のものが多く存在する。たとえば、「すす(煤)」「筒」「父」は、秋田弁の場合は非常によく似た発音になる(高齢者ほど同じ発音で表現する場合が多い)。その違いを間違えずに自動的に文字として記録できるのか、そこが心配である。北海道新聞は裁判員制度開始を前にして発覚した問題として報道している(このニュースの詳細記事はこちら)。
 
イラスト: 見ル野栄司
 

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