考えない大臣、枝野幸男氏――古賀茂明さん退職問題の現状まとめ

access_time create folder政治・経済・社会
古賀茂明さん

日本中から注目される人事、判断から逃げ続ける大臣

かつて「事業仕分け」で派手な立ち回りをおこなった枝野幸男氏、蓮舫氏。

しかし、本当に改革の意思があるのか調べてみると、実は大事な判断からは逃げているという事例があることがわかってきました。例えば朝霞市に9月から建設が始まった「公務員宿舎」の問題。これは枝野氏自身が「なぜやめない」と追求し凍結に追い込んだ案件ですが今年9月1日に再着工し、現在も建設が進んでいます。財務省が推し進めるこの事業に実際のところは誰もストップをかけられないのです。結局「民主党の『事業仕分け』は茶番だった」ということを象徴する出来事のひとつです。

そしてもう1つ、改革の意思がないことを象徴するのがこの古賀茂明氏の問題です。改革派の古賀氏に仕事をさせないという陰湿なやり口に枝野幸男氏は間接的に加担しています。枝野氏は、日本中から注目の集まるこの人事に対する判断から逃げ続けているのです。しかし、逃げても逃げても、到底逃げられる問題ではありません。

古賀茂明氏退職問題、ここ1週間ほどの動き

ここ1週間の動きを振り返ります。

9月14日 古賀茂明氏が、枝野幸男経産大臣に「仕事を与えて欲しい、仕事がなければ辞めます」というメールを送信

15日 官房長(経産省の偉い人)より、「枝野大臣が、退職の準備をはじめるようにと言っている」と伝言がある

16日 古賀氏は、枝野大臣も仕事を与えるつもりがないのだと思い、辞表を提出。

16日 しかし16日の会見で枝野氏は「(古賀氏の人事は)私が直接対応すべき対象ではなく、次官以下にお任せしている」と答弁。枝野氏の判断で退職の準備を始めるようにと言ったわけではないことが判明。

16日 古賀氏、辞表を撤回。「再び枝野大臣の判断を求めることにしました」と発言。

20日 枝野大臣、会見での質問に対し「私はこれまでの大臣の判断を引き継ぐのみ」との発言をおこなう

※ちなみに、古賀氏の処遇に関してこれまでの大臣から何らかの判断が下されたことはない。あえていえばこれまでの大臣の判断とはつまり「何も判断しないこと」とうことになる。

20日 蓮舫大臣は東京プレスクラブからの「古賀氏が退職した場合、公務員制度改革の要職への抜擢は有りうるか」との質問に対し「わたしからどうこう口を挟むものではない」と答弁。また、蓮舫氏は古賀氏の公務員制度改革に関する書籍を「まだ読んでいない」と発言。

考えない大臣、枝野幸男氏

間違いなく言えるのは、枝野幸男氏にせよ蓮舫氏にせよ、改革派の古賀茂明氏という人材をどう処遇して活躍してもらうかという点についての判断から逃げているという点です。官僚自ら改革を進めるということは考えられないため、適切な人事がおこなわれるように促すのは大臣の仕事であるはずですが、現政権の大臣はその判断をから逃げ続けているのです。

昨日、古賀さんに改めて「枝野氏はこれまでの大臣の判断を引き継ぐと言ってますが、大臣は、これまでの判断をすべてひっくり返すことも可能なのではないでしょうか」ときいてみたところ、「それは、可能です」とのお返事をいただきました。加えて「私は火中の栗なんでしょう」ともおっしゃっていました。

官僚を刺激することを避け、これまでと同じ路線でよしとする枝野氏。しかし特に原子力行政に関わる経済産業省に関しては、原子力行政の見直しをはじめとして、東京電力再生、電力改革などといった、未来につながる新しい課題が山積みとなっており、これまでの延長線でわたしたちにとってよい答えが導き出されるわけがありません。関わる人間が変わっていないのですから、出てくる答えは今までと同じです。

枝野氏が今問われているのは「改革の意思」の表明です。福島原発がメルトダウンしているときに「直ちに健康に影響はない」と言い続けた枝野氏は、今回も国民と正面から向き合わず、表面的な言葉だけでやり過ごそうとするのでしょうか。

わたしたちは、それを許してよいのでしょうか。「国民のために働きたい」と言い続けてきた古賀茂明氏は早ければ来週にも退職するそうです。

  1. HOME
  2. 政治・経済・社会
  3. 考えない大臣、枝野幸男氏――古賀茂明さん退職問題の現状まとめ
access_time create folder政治・経済・社会
深水英一郎(ふかみん)

深水英一郎(ふかみん)

トンチの効いた新製品が大好き。ITベンチャー「デジタルデザイン」創業参画後、メールマガジン発行システム「まぐまぐ」を個人で開発。利用者と共につくるネットメディアとかわいいキャラに興味がある。

ウェブサイト: http://getnews.jp/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。