遠方にいる夫が、妻の出産に“バーチャル”で立ち会う!VRヘッドセットを使ったSamsungの試み
VR(バーチャルリアリティ)の技術は、主にリアルな体験ができるゲームなどに導入されているが、これを日常生活に活用していこうという試みがなされているようだ。
・VRヘッドセットで遠方の夫婦を結びつける
その試みが「Samsung LifeLIVE」である。Samsungでは、「Gear VR」というVRヘッドセットを用いて、遠く離れた夫婦を結びつけ、妻の出産に夫が“仮想的に”立ち会うことを可能にした。
オーストラリアのJace氏、Alison氏らLarke夫妻は、夫は仕事の関係で、4000キロメートル以上離れた地点にいた。
・分娩室内にカメラ、オーディオ装置を設置
妻はもうすぐ出産予定である。病院の分娩室には、360度対応のカメラ、オーディオ装置、ライブストリーミング装置を設置した。
・VRヘッドセットは、妻のいる分娩室とリンク
そしてJace氏側は、特別に用意された遠方の別室にて「Gear VR」を装着。よくあるバーチャル映像のように、スクリーン越しに、今いる部屋内にバーチャル画像が出現するのではなく、ヘッドセットは妻のいる部屋とリンクしている。
・リアルタイムで映像と音声を送信
夫が顔を動かして右を見れば、それに合わせて妻のいる室内のカメラがその動きに同調。
リアルタイムで映像と音声を記録し、それをそのまま遠く離れた夫側のヘッドセットに送る。
・距離という物理的障害を超えたVR体験
夫は、妻の室内で“見た”ものを、ヘッドセットを通じて、“まさに今、自分の目で見て、耳にしている”ような感覚で、その場の空間を体験できる。
距離という物理的な問題を超えて、わが子の出産という感動的な場面に“立ち会う”ことができるのだ。
VRは決してエンターテイメント分野のものだけではなく、こうして日常的な場面に取り込むことで、より豊かな生活をおくれるように手助けしてくれるテクノロジーでもある。
今回のこの試みは、「Gear VR」のよい広告塔となるだけでなく、私たちに新しい可能性を提示してくれている。
ウェブサイト: https://techable.jp/
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