ブラザーの電子ペーパー『SV-100B』レビュー

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最近そこかしこで、「電子ペーパー」という単語が見られるようになってきました。画面技術の発達やエコブームの後押しもあり、各社から発表が相次いでいます。そんな電子ペーパー競争が激化している中、ブラザーから飛び出した 『ブラザー ドキュメント ビューワ SV-100B』をご紹介します。

この、ブラザードキュメントビューワは9.7インチの電子ペーパーパネルを採用しています。分かりやすいところでは、大体A5サイズ相当とお考えいただければよいかもしれません。

電子ペーパーパネルというのは、本機種の場合、閲覧専用のモノクロビューワなのですが、いちばんの特徴は長時間のバッテリー駆動かもしれません。本機種はなんと、約83時間連続使用可能、という超の付く省エネ仕様。これは、コンテンツ表示の切り替え際にのみ電力を消費するため、表示そのものでは電力を気にする必要がないそうなのです。一時的にインク(に代わるもの)を画面内に定着させているので、液晶などと決定的に表示方法も消費電力も異なる、というわけなのです。

情報量も圧倒的です。A4サイズであれば、1万枚分に相当するデータを2GBのmicroSDに保存できるのです。これならば分厚いマニュアルを持ったまま、職場内をうろうろする必要がない、ということですね。

さらにはBluetoothにも対応しているので、携帯電話やPDAのデータを無線通信を用いて『SV-100B』の大画面に表示させることも可能です。表示色は4段階グレースケールのモノクロ対応。1200×825ピクセルで約150dpiの解像度に対応しています。

重さは600グラムと、A5サイズの大きさに対し「ずっしり」感はまるでありません。インタフェースはUSB2.0、microSD、Bluetoothの3種類に対応しています。ちなみに、Bluetooth転送のためには別途、モバイル機器の対応が必要です。

さて、実際に手にとって使ってみたところ、液晶とはまったく異なる見え方に不思議な印象を受ける人が多いかもしれません。なんというか、透明なケースの向こう側に紙が挟まっているかのような錯覚すら起こします。電子ペーパーの場合、CRTや液晶のように「発光していない」のが一番の原因かもしれません。見え方が極めて紙に近いのです。

本機は工場やオフィス用途を想定して開発された製品とのことですが、近い将来、生活の中になじんでいそうな予感すらあります。なんかこのパネルの向こう側に、紙メディアの次の未来があるんだなー、という感慨にふけってしまいました(このニュースの元記事はこちら)。
 
 
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オサダコウジ

慢性的に予備校生の出で立ち。 写真撮影、被写体(スチル・動画)、取材などできる限りなんでも体張る系。 アビリティ「防水グッズを持って水をかけられるのが好き」 「寒い場所で耐える」「怖い場所で驚かされる」 好きなもの: 料理、昔ゲームの音、手作りアニメ、昭和、木の実、卵

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