コンペで受賞!音声認識の「Talkitt」 発話障害者の言葉を聞き取り、即座にテキスト&人工音声に変換
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米国保健社会福祉省(National Institutes for Health)の統計によると、アメリカ国内で約750万人にも及ぶ人々が、発声に何らかの障害を抱えている。西欧諸国全体でも、全人口の1.5%ほどの人が、筋萎縮性側索硬化症、脳性小児まひ、パーキンソン病、卒中や脳に障害を負うことにより、発話に支障をもっているという。
・発話障害がある人をサポート
発話障害があると、普通の人には発音が聞き取れず、互いにスムーズな意思疎通をすることが難しくなる。そんな人々の助けになるために、現代のテクノロジーを活用しようと開発されたツールが「Talkitt」である。
・Philipsのコンペで受賞
Philipsが主催する“Philips Innovation Fellows Competition”は、世界中から健康や福祉に役立つアイデアを募り、資金面で開発をサポートするコンテスト。「Talkitt」は、2014年に受賞したプロジェクトで、音声認識のソフトウェア。発声や発話に障害がある人のしゃべりを翻訳し、キャッチした音声をテキストに変換するアプリケーションだ。
・固有の音声パターンを認識、人工音声で読み上げも
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ソフトウェアは、個々人で異なる発音の特徴や言葉の選択にフォーカスし、固有の“音声パターン”を認識する。普通に聞いただけでは、非常に聞き取りにくく、わかりにくい発話であっても、「Talkitt」はそれらを解析し、聞き取った内容を即座にテキストとして起こすだけでなく、同時に聞き取りやすい人工音声が読み上げてくれるのだ。
・スマホ、タブレット、PCで。あらゆる言語に対応
この「Talkitt」は、スマートフォン、タブレット、PCで動作し、しかもあらゆる言語に対応するという。友だちと会ったり、買い物をするときに、あるいは授業中に。日常生活のあらゆるシーンで活躍してくれるはずだ。
発話に障害がある人とコミュニケーションするツールとしてだけでなく、聞き取りに慣れていない人をサポートするツールとしても役立ってくれそうだ。家族や親族だけでなく、友人、障害者をケアする医療関係者が、本人が言いたいことを汲み取り、心通わせる手助けとなってくれることだろう。
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