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【シェアな生活】「利権団体との戦いは結構めんどくさい」 畠山理仁さんインタビュー

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畠山理仁さん

『公の記者会見オープン化』という難題に立ち向かうフリーライター畠山理仁さんに”公の情報共有”についてきいてます。今回で第3回目です。前回はこちらですよ。
※連載シリーズ『シェアな生活~共有・共感・共生がもたらす新しいライフスタイル』関連記事です。

登場人物:
畠山=畠山理仁(はたけやまみちよし)。記者会見オープン化を求める活動で注目されるフリーライター。
深水=深水英一郎(ふかみえいいちろう)、ガジェット通信。

●記者クラブって強いの?

――深水:選挙の立候補者の扱いの重さを記者クラブ内で取り決めている、というお話なんですけども、それが本当なら記者クラブ自体が権力化しているということですよね。結局、メディアでどう扱われるかで選挙にもろに影響してしまう。結果まで決めちゃう可能性がある。

畠山:そうですね。最初に選別してますからね。

――深水:そこらへんに問題を感じて記者クラブに興味を持った?

畠山:うーん、問題だと思ったんでしょうね。

――深水:何か他人事みたいやな~(笑)。

畠山:あはは(笑)。問題だと思ったと言うか「俺は知りたい」と思ったんですね。「俺は知りたい」と。新聞が報じてくれないから、自分から会いに行こうと思ったんです。で、実際に会って話を聴くと「これはすごい」とか「このアイディアはいいんじゃないか」とかっていうのを、やっぱり伝えたいと思うじゃないですか。当然、普通の政党から出ている人の話も聞きますけど、そうじゃない人のアイディアっていうのも「この点は活かせるんじゃないか」とか。すごく独創的な方が多いので。

――深水:インディーズ候補の人達、まじめなんだなぁ。

畠山:マスコミに扱われない時点で「変な人」って思われちゃうんですけど、みなさんけっこう真面目ですよ。全然怖くないですよ。

――深水:そこらへんをきっかけに記者クラブって何だろう? という意識になっていったんですか?

畠山:表に出ていることって全部じゃないんだなあって。報じられていないことってすごくいっぱいあるんだなあってことを、現場に行って自分で見に行くとすごくわかって。

●空気を読まずにポイっと報道

――深水:特定の部分が恣意的にクローズアップされている。

畠山:まあでも、それは編集権だからしょうがないと思うんです。ただ、記者会見の場合は参加すらさせないという問題がありますよね。誰でも参加できた上でそれぞれが独自の編集をおこなう、というのであればいいんですけど、それすらさせない……記者会見の場合だと参加すらさせないと、こちらは情報を選ぶができないわけです。

省庁が発表した情報について、報じる/報じないということを選ぶ権利もない。その場に居ることもできないし質問する権利もない。

記者クラブの人たちがそれぞれの視点で多面的に報じてくれていればいいんですけど、どうしても報じ方が似てきてしまう。会社は違うけど同じ場所に集められて席も隣で。

――深水:職場が同じですからね。同じ会社の人より仲良くなってしまったりして。

畠山:そんな感じですよね。そういう人たちじゃなくて、たまにポイっと行って空気を読まずにポイっと好きなことをきいて帰ってくるような人がいたら、全然違う報道ができるんじゃないかな。

●記者会見に『通販生活』の人は出られるか

――深水:”インディーズ候補”の人たちの話をきいていた時代から現在の”記者会見オープン化”へ興味を持つという気持ちの変化のきっかけってなんなんでしょう?

畠山:『通販生活』っていう雑誌で読み物のページがあってそこをずっとやらせてもらってたんですけど、そのときたまたま記者会見に『通販生活』の人は出られるかっていう企画があって。10年くらい前だったと思うんですけど、省庁の記者会見に出られるかを調べたところ「記者会見には出られません」というところと、「出られるけど写真も録音もだめ」っていうところがあったりして。

――深水:行って聞けるとしても、黙って座ってきいてるだけなんですよね。もちろん質問もできない。

畠山:そうそう。”オブザーバー”ってやつですけど。「録音ができないってなんなんだろう?」っていうのはずっと思っていたんです。そのときは入れてくれって言っても入れてくれないのでいいや、となりまして。記者クラブの人たちが報じないことで、今現在できることをやろうと思ったんです。僕の場合は”選挙”の取材をやっていたので、”選挙”に関連して記者クラブの人たちがやらないところを中心に取材しようと決めていたんです。

で、去年選挙があって政権交代がありました。「記者会見をオープンにする」ということは選挙前から何回も言われていたので、「よし開くぞ」と思って問い合わせをしたら意外と開いていなかったという。

――深水:自ら記者会見をオープンにする、という感じではなかったんですね。

畠山:そうそう。でも、政権交代前は記者会見を「オープンにする」と言っていたので、「開けてよ」というのをやり始めたら、すっごい時間がかかりまして(笑)。自分で開けると言っておいて、開けないっていうのはどういうことなんだと。政権側にはそれすらできなくてどうするのと。

ご存じのように記者会見の主催は記者クラブなので、クラブが「どうぞどうぞ」と言えばいいだけですよね。別に政治が主導しなくったって。全然問題なく開くはずなんですけども、クラブが「開けたくない」って言うから。そんなのおかしいじゃない? っていう。

――深水:まあ利権団体ですから基本は開かないですよね。畠山さん自身はあまり「戦っている」っていう意識はないんですか?

畠山:んー、あまりないですね。

――深水:利権団体との戦いって結構めんどくさそうだなと。

畠山:結構めんどくさいですね(笑)。自分で何をやってるんだろう? と思うことがありますね。理不尽なことに対して怒りは感じるんですけど、あまりにひどいと笑っちゃうんですよね。もう、笑うしかないというか。

(つづく)

【シェアな生活】「利権団体との戦いは結構めんどくさい」 畠山理仁さんインタビュー
畠山 理仁¥ 798

(編集サポート:kyoko)

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深水英一郎(ふかみん)

記者:

見たいものを見に行こう――で有名な、やわらかニュースサイト『ガジェット通信』発行人。トンチの効いた新製品が大好き。ITベンチャー「デジタルデザイン」創業参画後、メールマガジン発行システム「まぐまぐ」を個人で開発。利用者と共につくるネットメディアとかわいいキャラに興味がある。

ウェブサイト: http://getnews.jp/

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