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エンジニアを幸福にしない『Yahoo!』というシステム

生駒日記

今回はmamorukさんのブログ『生駒日記』からご寄稿いただきました。

エンジニアを幸福にしない『Yahoo!』というシステム
nokunoさんの「Yahoo! JAPANを退職しました(翻訳)」という記事を読む。*1

*1: 「Yahoo! JAPANを退職しました(翻訳)」 2010.10.26 『nokunoの日記』
http://d.hatena.ne.jp/nokuno/20101026/1288105003

内容を読んでみると「まあ、そうだろう」という感じで、そんなに目新しいことが書いてあるわけではない (が、『Yahoo! JAPAN』の労働環境について知らない人が読むと「え、『Yahoo!』ってそんなところだったの??」とびっくりするかも)。著者も断っているが、これはアメリカの『Yahoo!』のことではなく、日本の『Yahoo! JAPAN』のことであり、『Yahoo! JAPAN』は外資系の会社ではなくコテコテの日本企業である (それが悪いと思うかよいと思うかは人次第)。

『Yahoo! JAPAN』の環境がそんなによくないのは『My News Japan』の「ヤフー 株主と社長がぜんぶ持ってく「独立した個人労働者」集団」(2010) *2 や「ヤフー(2005)」 *3 の記事でも分かると思う。いまでも“対価”の評価こそ低いが、“生活”の評価は5点満点中4.7点であり、まったり働く分にはそんなに悪くないと思うのだが……。

*2: 「ヤフー 株主と社長がぜんぶ持ってく「独立した個人労働者」集団」 2010.8.2 『My News Japan』
http://www.mynewsjapan.com/reports/1282

*3: 「ヤフー(2005)」 2005.8.16 『My News Japan』
http://www.mynewsjapan.com/reports/258

泣けるのは

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福利厚生にはお金がかかるかもしれません、しかしそれによって優秀な人材を会社に引き留めることができるとしたら、より多くのお金を節約できるでしょう。私たちが低い待遇に甘んじることによって、Yahoo! JPはどれだけのお金を節約できたというのでしょうか?
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「Yahoo! JAPANを退職しました(翻訳)」より引用 2010.10.26 『nokunoの日記』
http://d.hatena.ne.jp/nokuno/20101026/1288105003

というところだが、まあこれもよく言われることである。繰り返しになるが、去年就職活動を始めるまで 『Yahoo! JAPAN』の研究所は自分の就職希望度のトップ3に入っており、インターンシップ的に3か月住み込みで六本木のミッドタウンオフィスに通って仕事をした経験からも、そこまで自分は『Yahoo! JAPAN』には悪い印象を持っていない。

“『Yahoo! JAPAN』は賃金が安い”とは言われるが、いま NAIST(奈良先端科学技術大学院大学)でもらっているお給料を考えると、『Yahoo! JAPAN』のほうが金額的にはもらっていると思う。家賃補助がないので家賃込みだと言われると差は縮まるが、それを考慮にいれても(ちなみにNAISTは国立大学であり、国立だとどの大学でも地域手当以外ほとんどお給料に差はない。奈良は都会扱いしてくれるので、お給料的には東京にいるのと同じくらいもらっているはず)。

これで思い出したのは『人間を幸福にしない日本というシステム』という本。*4

*4:『人間を幸福にしない日本というシステム』 作者カレル・ヴァンウォルフレン、Karel Van Wolferen、篠原勝 毎日新聞社
http://www.amazon.co.jp/dp/4620310190/

同書も問題にするのは日本という国、そして大企業などの官僚的性質であるが、『Yahoo! JAPAN』が陥っているような官僚主義・日本的大企業主義というのに問題があるのはみんな分かっていることで、それの原因が国・企業にあるとは著者は言わず、変わるのは個人のほうだ、と説く。

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市場経済のなかにある企業の場合は、外圧によって、変わらざるをえなくなるか、それとも消滅してしまうか、どちらかに落ち着く。しかし外圧が充分でない場合は、何十年も堕落したまま漂流することだってありうる。堕落していることは組織内の人々もとっくに気づいている。しかし状況をくつがえすなにごとも起こらない。こういう状況を、とくに「有害な惰性 (injurious intertia)」と呼ぶとしよう。
有害な惰性の原因は何か。自壊に至るまで堕落しづづけていった組織を観察したことがある私に言わせれば、原因は二つある。一つは根本的な無関心。もう一つは、根本的な無能力。
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『人間を幸福にしない日本というシステム』 p.231より引用。
http://www.amazon.co.jp/dp/4620310190/

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