ロシア企業の2画面Androidスマートフォン「YotaPhone 2」 開封の儀&ファーストインプレッション

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ロシアの端末メーカー Yota Devices 社が欧州などで昨年 12 月に満を持して発売した背面に E Ink の電子ペーパーディスプレイを搭載した独特な仕様の Android スマートフォン第 2 弾「Yota Phone 2」を入手したので早速開封の儀を執り行います。Yota Devices は国内ではあまり知られない企業なのですが、親会社の Yota がロシアでモバイルブロードバンドサービスを提供しており、Yota Devices はそのサービスに対応する WiMAX 端末や LTE 端末を多数供給しているので、現地では名の知れた企業になります。また、2010 年には既に Yota Phone の開発が行われており、当時のロシア大統領であったメドベージェフ氏もこの端末を試作機の段階で触れていたことがニュースとして伝えられました。YotaPhone は 2013 年に発売され、今回紹介する YotaPhone 2 はその後継機種になります。YotaPhone 2 は本体の前面だけではなく、背面にもディスプレイを備えたユニークなデザインが目を引きますが、基本的には現在でもグローバルメーカーの製品と比較してもハイエンドの Android スマートフォンになります。YotaPhone 2 の主要スペックは、5 インチ 1,920 × 1,080 ピクセルの Super AMOLED ディスプレイ、Snapdragon 801 2.26GHz クアッドコアプロセッサ、2GB RAM、32GB ROM、背面に 800 万画素カメラ、前面に 210 万画素カメラ、2,500mAh バッテリーを搭載し、Wi-Fi a/b/g/n/ac、Bluetooth v4.0、NFC、Qi ワイヤレス充電、VoLTE に対応しています。しかし、LTE の対応バンドは 800(B20)/ 1800(B3)/ 2600(B7)なので、国内 LTE の対応状況は絶望的だと言えます。Yota Phone 2 の最大の特徴である背面の E Ink ディスプレイは 4.7 インチの大きさで、解像度は 960 × 540 ピクセルです。もちろんメインディスプレイと同様にタッチスクリーンを搭載しており、前作では非対応だったタッチ操作(マルチタッチ)も可能になっています。それでは開封していきます。実は私、ロシア企業の Android を入手するのは今回が初めてなんです。なので、結構ワクワクしています。まずはロシア企業製品の箱から紹介。

YotaPhone 2 の箱はかなりしっかりしています、。外観はブラックが基調のシックな感じ。蓋はマグネットでカチッと留まります。また、全体は 3 段階で開く仕組みで、中央に YotaPhone 2 が収納されています。他社の箱よりも厳重に保護されています。

また、書類を除く全ての付属品は引手リボン付きのスポンジに収納されており、高級製品のような扱いを受けています。

YotaPhone 2 の外観。前面に Yota Devices のロゴは無くシンプルです。端部がラウンドフォルムなので、全体的に丸い感じに仕上がっています。素材は主にプラスチック系の素材が使用されているのですが、バッテリー一体型構造なので、意外にも作りはしっかりとしていました。本体の厚さは 8.95mm と、背面にもディスプレイを搭載した機種とは思えないほどスリムさです。質量は 145g なので、5 インチスマートフォンの中では平均的だと言えます。

背面は、E Ink ディスプレイの端から本体の端にかけて緩やかにカーブしており、HTC One や LG G3 のように非常に手にフィットします。

また、背面にディスプレイがあるといっても全体的に質感は変わらないので、持った時にディスプレイとバックカバーの境界を感じるなどの違和感は全く感じませんでした。普通のサラサラ質感の端末を持っている感触です。

お待ちかねの E Ink ディスプレイです。一見すると普通のバックカバーのように見えますが、大部分は Kindle リーダーのように外光を反射して文字を表示する E Ink の電子ペーパーディスプレイがあります。

右側面には電源ボタンとボリュームボタンがあります。

実は、YotaPhone 2 はボリュームボタンのところに Nano SIM カードスロットがあり、ボリュームボタンを取り出すと SIM トレイが現れる変わった仕組みです。YotaPhone 1 では電源ボタンのところに SIM スロットがありました。

左側面は何もありません。

下には Micro USB 端子とスピーカーがあります。

上部には 3.5mm オーディオジャックがあります。

メインディスプレイは Galaxy S 5 よりも 0.1 インチ小さいだけの 5 インチフル HD の Super AMOLED なので、色の再現性や視野角はかなり良好です。一方、輝度は高くないので昼間の屋外での視認性はよくありませんが、そういう時には直射日光下でも超見やすい E Ink ディスプレイが役立ちます。

YotaPhone 2 の OS は Android 4.4.3(KitKat)で、ユーザーインタフェースはほとんどカスタマイズされていません。素の Android に近い内容です。そして、ホームアプリは Google Now ランチャー、カメラアプリは Google カメラなので、中身は Nexus デバイスに近いと言えます。そのため、動作は比較的良好です。

YotaPhone 2 のシステム周りで Nexus 異なるのは、ナビゲーションバーのスワイプアップで「YotaMirror」機能と「YotaSnap」機能を実行できることと、「YotaHub」と呼ばれる「YotaCover」と「YotaPanel」を設定できるアプリ・機能を搭載したところです。この点は以下で詳しく説明します。

YotaPhone 2 の E Ink ディスプレイで何ができるのか。それが一番重要です。こちらの記事でおおざっぱには紹介しましたが、この記事では実際の表示内容をお見せしながら少し詳細に説明します。YotaPhone 2 の E Ink ディスプレイでは、(1)Android アプリを含む Android システムのフル操作(YotaMirror 機能)、(2)4 つまでの専用ダッシュボードを表示する「YotaPanel」、ランダムな画像を表示する「YotaCover」、スクリーンショットを撮影した背面ディスプレイに表示する「YotaSnap」などの Yota Devices オリジナル機能、(3)画像を用いたデコレーションを楽しむことができます。YotaPhone 2 の特徴を理解やすいように、まずは「YotaMirror」を紹介します。これは、メインディスプレイと同じく、YotaPhone 2 の E Ink ディスプレイで Android を操作できる機能ですs。ただ、E Ink ディスプレイはモノクロ表示で、画面の切り替わりも 1 秒ほどかかるほど遅いです。メインディスプレイとして利用することはお勧めしませんが、E Ink ディスプレイは屋外での視認性が抜群に良く、また、消費電力も LCD の数分の一程度なので、節電に役立ちます。

動きはぎこちないのですが、動画も観れますよ。このまま画面をロックすれば、YouTube のバックグラウンド再生に近い使い方もできます。

WEB ページ。

カメラを起動すると背面に「Smile!」の文字やカメラを模したイラスト、次の図のような目のイラストが表示されます。Yota Phone シリーズならではの機能です。

YotaMirror を実行中にカメラを起動すると、E Ink ディスプレイがプレビュー画面になってリアカメラで自分撮りすることも可能です。

YotaMirro では、全てのアプリが E Ink ディスプレイ側に表示されるので、当然、Kindle アプリで電子書籍を閲覧することもできます。

(2)で紹介した Yota Device オリジナル機能を紹介します。メインディスプレイを利用している場合には「YotaCover」が待受画面に表示されます(後述の YotaSnap を利用している場合はスクリーンショット)。YotaCover は好きな画像を背景に、4 つのアプリショートカットを表示した Android のロック画面的なものです。設定は「YotaHub」アプリで行います。YotaCoverでは好きな画像を複数登録することができ、画面のタップで画像が切り替わります。

ドロイド君や Apple のリンゴマークにすることも可能です。このようにデコレーションできるのも YotaPhone 2 の売りです(モノクロ表示ですけど)。

「YotaPanel」は、E Ink ディスプレイのロックを解除した後に利用できるダッシュボード機能で、4 枚のパネルにカレンダーや RSS フィード、天気ウィジェット、音楽プレイヤー、連絡先など様々なツールを Android のホーム画面のように設定することができます。この設定も「YotaHub」アプリで行います。

「YotaSnap」を紹介します。これは Android のスクリーンショットを撮影し、背面ディスプレイに自動的に表示するホワイトボード的な機能です。例えば、Google マップで地図やルートのスクリーンショットを表示したり、メモアプリの買い物リストのスクリーンショットを撮っておくとポストイット代りになって便利だと思います。

説明が後になってしまいましたが、YotaPhone 2 ではメイン画面を利用している最中は E Ink ディスプレイ側にロックがかかります。逆に E Ink ディスプレイを利用している間、メインディスプレイはスリープ状態を維持します。つまり、両方のディスプレイが同時にアクティブになることはなく、端末を持っていても手のひらで誤タッチするようなことはありません、。

(3)で定義したデコレーション機能は、YotaCover のところで述べてきたように、画像で背面カバーをデザインできるということです。普通のスマートフォンではデコレーションするのにシールなどを利用しますが、YotaPhone 2 の場合は 4.7 インチの領域を画像を切り替えるだけで様々なデザインに変更できます。「画像」は星の数ほど存在すると言えるので、バリエーションはほぼ無限大です。

YotaPhone 2 のような独特なスマートフォンは「実際には使えないだろう」と言う見方もありますが、やはりスマートフォンのディスプレイは昼間の屋外では見づらいこともあり、そういう時に YotaMirror を利用して E Inke 側に切り替えると格段に見やすくなるということもありました。YotaPhone 2 は実用的だと思います。性能も Snapdragon 801 や 2GB RAM を積んでいるので満足するレベルに達しています。Antutu アプリのテストスコアは 37,000 点台でした。

バッテリーの持ちについては、5 インチの有機 EL で 2,500mAh の容量なので、バッテリー事情は Nexus 5よりも良いと言えます。実際に使用しても丸 1 日は軽く利用できますし、E Ink ディスプレイを多用すればさらに長時間利用できるはず。残念な点はカメラですね。単に写真を撮影するだけなら問題はないのですが、クオリティを求めるとがっかりします。次は写真サンプルです。


(juggly.cn)記事関連リンク
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