日本経済の抱えている問題なんて全然大したことない

access_time create folder政治・経済・社会
金融日記

今回は藤沢数希さんのブログ『金融日記』からご寄稿いただきました。

日本経済の抱えている問題なんて全然大したことない
世間では政府債務が国内総生産(GDP)の2倍に達するだの、不景気だの、雇用不安だのといろいろ経済問題で騒いでいますが、そんなことはどれも小さなことです。国家財政なんて破綻(はたん)しても、ちょっとした混乱のあとで会社が沢山つぶれて、失業者が一時的にどっとでて、公務員が首になって、年金が減るぐらいですよ。大したことではありません。

それに経常黒字があって、対外債権を抱えている日本はなかなか破綻(はたん)しません。不景気だ、雇用不安だといっても、餓死してる人なんて僕は全然知りません。そんなのは放置プレイで何の問題もないのです。

ほんの65年前の1945年8月9日、原子爆弾が長崎に投下されて、7万人が一瞬で死にました。当時の長崎の人口は24万人だったそうです。かろうじて生き残った人たちは火傷によるケロイドや被曝によるさまざまな病魔に苦しめられました。

その3日前の8月6日には広島に原爆が落とされています。14万人が死にました。『はだしのゲン』などを読めば、そういった地獄のような状況でも、生き残った子供たちがたくましく生きている様子がわかります。

その数か月前には東京大空襲があり10万人近くが死にました。また、多くの優秀な若者が特攻隊のような無茶な作戦で命を散らせました。

そういった昔の日本人に比べて、最近の日本人はどうしてこんなに軟弱になってしまったのでしょうか? 何かにつけてすぐに社会や、政府や、他人のせいにする。そして補助金をたかる。人間として当然の努力も何もせずにです。そんな堕落した豚どもをさらに甘やかすマスコミの論調。本当に小さい人間ばかり、志の低い人間ばかりがこの国に住むようになってしまいました。

もしあなたが企業家なら、こんな国内のちんけで矮小(わいしょう)な問題に関わっている暇はありません。今、世界で戦後の日本のように貧しい生活をしている人達が強烈なスピードで豊かになっているからです。

12億人が住むインドの一人あたりの国内総生産(GDP)は10万円以下です。日本は400万円です。実に40倍の差がある。それに比べて日本国内の格差問題なんて誤差の範囲内で本当に心からどうでもいい話です。

そして今、急速に世界はひとつになろうとしている。国境を超えた企業活動がかつてないほどさかんになっているからです。

僕たちは毎日のようにインド人が作ったコンピュータ・プログラムを知らず知らずのうちに使って、中国人が作った服を着ています。日本のすばらしいグローバル企業もこういった国々に次々と工場を作ったりして多数の現地の人を雇用しています。そして日本の何十分の一の所得しかない人たちをどんどん豊かにしているのです。

当然のようにこのような人類のために働いている大企業は莫大(ばくだい)な利益を上げています。そして豊かになった途上国の人たちは、こんどは世界の企業が作ったモノやサービスを買ってくれる大切な顧客になります。僕はこのような国境を超えた企業活動を心から応援したいと思っています。

世界レベルでこのように貧富の格差が急速に縮まっているというのに、それを阻止しようとする卑しい人たちがいます。世界のために何も生産せずに、既得権益の上にあぐらをかく卑しい人間です。保護主義を取って国境を超えた企業活動を妨害しようとする悪魔の如き政治家です。

しかし非常に幸運なことに、こういう愚かな政治活動は遅かれ早かれ失敗するでしょう。グローバリゼーションというのは一種の自然現象だからです。ミルクとコーヒーをカップの中で混ぜたあとに、それをまたミルクとコーヒーにわけることはできないということです。同じ能力の労働者なら肌の色や国籍に関わらず同じ賃金が支払われなければいけない。この経済の一物一価の法則が遅かれ早かれ全世界に広がっていくでしょう。それは大変すばらしいことです。

今の世の中は本当にチャンスに満ちあふれていると思います。そして失敗しても困ることはほとんど何もない。僕はこんな時代に生まれてきて本当に幸せだと思っています。

参考資料
『ネクスト・マーケット』 C.K. プラハラード著 英治出版
http://www.eijipress.co.jp/book/book.php?epcode=1071

『グローバリゼーションを擁護する』 ジャグディシュ・バグワティ著 日本経済新聞出版社
http://www.nikkeibook.com/book_detail/35140/

『フラット化する世界』トーマス・フリードマン著 日本経済新聞出版社
http://www.nikkeibook.com/book_detail/31633/

執筆: この記事は藤沢数希さんのブログ『金融日記』からご寄稿いただきました。

文責: ガジェット通信

■最近の注目記事
資本主義の罪と罰 −ビックカメラ有楽町店での薄型テレビをめぐる攻防−
巨大ナナフシからチョウの幻想的な乱舞まで! 雨季のベトナムの森に泊まる
職場は楽しくあらねばならない 驚きの米国職場体験
企業にとって必要不可欠な人材と惜しいけど残念なエリート就活生の違い
日本が移民を受け入れられるようになるための条件と提案

  1. HOME
  2. 政治・経済・社会
  3. 日本経済の抱えている問題なんて全然大したことない
access_time create folder政治・経済・社会

寄稿

ガジェット通信はデジタルガジェット情報・ライフスタイル提案等を提供するウェブ媒体です。シリアスさを排除し、ジョークを交えながら肩の力を抜いて楽しんでいただけるやわらかニュースサイトを目指しています。 こちらのアカウントから記事の寄稿依頼をさせていただいております。

TwitterID: getnews_kiko

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。