【能登地震】東京から1時間で行ける能登・輪島市の「絶望的な現状」を知るべきである / 命を軽視する日本政府による“人災”

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地震の被害は甚大。家が倒壊した痛ましい風景に心も痛む。しかし、本当に痛いのは「この状況を放置している日本政府」なのではないだろうか。

絶望的なのは輪島市ではなく「地震から4か月が経過した今現在もこの状況を放置している日本政府」

2024年4月現在、東京都・羽田から輪島市・能登空港まで1日1本のANA国内線が飛んでいる。飛行時間は約1時間。東京からたった1時間で行った先には、絶望的な輪島市の風景が広がっていた。いや、絶望的なのは輪島市ではなく「地震から4か月が経過した今現在もこの状況を放置している日本政府」といえる。

歩道に倒れ込んでいる家も複数

能登空港からクルマで約30分で輪島市の中心部に行ける。昼間も夜も、猫とは出会えても、ほとんど人は歩いておらず、賑やかさは皆無。

輪島の朝市が焼け野原になっているのは報道で知っている人は多いと思うが、街の多くの家が倒壊したままの状態で、歩道に倒れ込んでいる家も複数あった。

強く絶望を感じたのは家というより歩道

インターネット上では「倒壊した家を放置しているのは誰のせいだ?」との声が出ているが、なにより強く絶望を感じたのは家というより歩道。

街すべてを見て回ったわけではないが、歩道に亀裂があっても、穴が空いていても、盛り上がっていても、ブロックが壊れていても、ほぼ放置されている状態にしか見えない。歩くことがかなり危険な状態といえる。

公園が極めて危険

なにより衝撃をうけたのは、海岸沿いにある公園だ。子どもたちが遊んでいるのどかな風景があるとともに、地面に亀裂があり、足をはさんだり、落下してもおかしくない状態のまま放置されている。

場合によっては命を落としてもおかしくない状況といえる。これを放置していられる「日本政府の神経」が理解できない。被災地に対して目を向けていない日本政府の姿勢、歩道や公園が直されていないことがそれを物語っている。

輪島市民「歩道を歩くのはとても危ない」

小売店で働いている輪島市民に話を聞いたところ、「歩道を歩くのはとても危ない。転ぶ人もいる。歩道を直すのは一番後回しと聞いている。車道、家、最後に歩道の順番で直していくらしい」とのこと。

日本政府に絶望 / 4か月が経過した今も結果として直されていない

復旧・復興のために車道を直すことは重要だが、歩道は放置されている状況であり、「倒壊した家が歩道や車道に崩れてきてもおかしくない状況」も放置されている。命の軽視がそこに強く感じられ、日本政府に絶望した。甚大な被害を与える地震が発生し、4か月が経過した今も、歩道すら直せていない。「何もしていないわけではない」「進んではいる」という声もあるだろうが、4か月が経過した今も、結果として直されていない。

水道は8割復旧しているものの宅内復旧しているのは5割

また、ニュースで報じられている情報と現実とでは、乖離があるようだ。輪島市社会福祉協議会に取材をしたところ、水道は8割復旧しているものの、宅内まで復旧しているのは5割ほどだという。断水した家のうち、その半分はいま現在も断水したままというわけだ。

復旧・復興にいちばん無関心なのは日本政府では

これは決して、輪島市で懸命に復旧・復興作業にあたる作業員やボランティアの方々を批判・批難するものではない。彼ら彼女らは、日々、目の前にある復旧活動に懸命に挑んでいると思われる。復旧・復興に対してお金と人力を投入していない日本政府が批判・批難されるべきポイントといえる。

輪島市社会福祉協議会の職員は「忘れられてしまうのがいちばん怖い」と話していた。復旧・復興にいちばん無関心なのは日本政府ではないだろうか。

命を軽視する日本政府という人災

筆者は今まで東日本大震災、台湾花蓮沖地震、そして能登地震の取材をしてきたが、そのなかでも能登地震・輪島市は、強く絶望を感じた取材だった。東京から1時間で行ける輪島市、命を軽視する日本政府による“人災”がそこにある。

<輪島市のボランティア情報 / 2024年4月23日現在>
輪島市社会福祉協議会によると、一般ボランティアと技術系ボランティアがあるとのこと。技術系ボランティアは重機やダンプを持っており、倒壊した家屋の対応をすることもあるという。

輪島市の一般ボランティア活動に協力いただける方は、石川県公式ホームページから「県民ボランティアセンター」に登録してほしいそうだ。ボランティアの一例だが、朝にJR金沢駅前に集合し、大型バスで輪島市に移動。日中にボランティア活動をしてもらい、夕方に金沢に帰るバスに乗るという。金沢集合、金沢解散となる。

また、輪島市民の話によると、穴水市の宿泊施設に泊まりつつ、輪島市に通ってボランティア活動している人たちもいるという。さまざまボランティアの形があるので、各所に問い合わせつつ協力したいところ。

・石川県県民ボランティアセンター
https://www.ishikawa-npo.jp/volunteer/
・令和6年(2024年)能登半島地震・石川県災害ボランティア情報
https://wajimavc-ishikawa.jimdofree.com/
・石川県緊急時トップページ
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/

(執筆者: クドウ@地球食べ歩き)

※記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

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