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日本は今までずっと政治主導の民主主義国家だった

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金融日記

今回は藤沢数希さんのブログ『金融日記』からご寄稿いただきました。

日本は今までずっと政治主導の民主主義国家だった
日本はずっと官僚支配、官僚主導の国だと言われてきました。官僚の力が強すぎて、国民に選ばれた政治家が主導できない。そんなことをずっと言われてきました。「官僚主導を終わらせよう、政治主導の国にしよう」と高らかに宣言した鳩山由紀夫率いる民主党が去年の衆院選で圧勝したのは記憶の新しいところです。

しかし僕はこの民主党政権がさかんに言う“官僚主導の政治打破”のスローガンほど現実と乖離(かいり)しているものはないのではないかと思っています。小泉元首相や竹中元大臣がいつの間にか悪者にされてしまったみたいに。僕が思うに日本はずっと政治主導、それも国民の民意を反映した政治主導だったからです。むしろ民主党政権になってから“官僚主導”になったとさえ思えます。

日本には100近くの地方空港があり、そのほとんどが大きな赤字を抱えています。一方で、都心に近い羽田空港は国際線の就航が規制されており、国際ハブ空港として全く機能していません。成田空港は都心から遠く、発着料も非常に高価で、滑走路も不足していることから国際空港として見劣りします。その間、韓国やシンガポールは世界的なハブ空港を整備し、今ではアジアのリゾートに日本から旅行しようと思えば韓国のインチョン空港を経由することになりますし、欧州や中近東へはシンガポールのチャンギ空港や香港を経由したりします。日本に住んでいながら羽田や成田は非常に使い勝手が悪く、アジアの空港競争から完全に取り残されました。

皮肉なことに一部の地方空港はこれらの韓国や香港のハブ空港へのアクセスとして役だっているようです。地方の人はインチョン空港などを経由して目的地に行くのです。港湾にしても、地方にまんべんなく整備した日本は、シンガポールや香港、韓国などに対して、アジアの貨物の中継点としてまったく競争力を失いました。しかし、これらのひどい失政は国土交通省の官僚によるものでしょうか? 僕にはそうは思えません。

アジアのハブ空港、ハブ港湾の競争はふつうに分析すれば明らかで、そのためには何をすべきかというのは簡単にわかることだったからです。秀才ぞろいの日本の官僚がこんなことがわからなかったとはとても思えません。地方にたくさん空港を作ったのも、港を作ったのも政治主導だったのです。公共事業が欲しい地元の業者に利益を誘導するために、政治家が官僚に無理を言って、どんどん空港や港を作りました。そんな政治家は、地方の業者や、我が村に立派な空港を作ってくれることを期待した住民に、極めて民主的なプロセスを経て選ばれたのです。そして、国土交通省の官僚は、政治家の無理難題を実行する見返りとして、天下り公益法人での高給や退職金をもらっていただけです。

経済産業省の官僚にしたって、アジアの他の国と比べてたら、日本の法人税を下げなければいけないなんてことは自明だったでしょう。それで足りない税金は消費税にシフトさせないといけないことも自明だったでしょう。しかし、法人税を下げて、消費税を上げるのは、いかにも大企業の味方で庶民の敵のような印象を与えます。実際には法人税は庶民であるサラリーマンの給料や商品価格に転嫁されているだけなのですが。だから政治家は、法人税を下げることにも、消費税を上げることにも大変抵抗があるのです。それは政治家が何よりも国民にどう思われるかを常に考えているからです。これも政治主導、それも民意を最大限に受けての政治主導じゃないでしょうか。

日本の大きな財政赤字をみても、秀才ぞろいの財務官僚が主導していたら、このようなGDP比で200%にも達する国の借金を積み上げたとは考えられません。これも税金を取られるのは嫌だ、社会福祉を減らすのも嫌だと言う国民の声を素直に聞いた政治家に主導されてきたに他なりません。そう言った政治家の無理な難題に答えるために、財務官僚が赤字国債を大量に発行して負担を未来につけ回し、日銀が無理な金融緩和をずっと続けてきたのです。

日本は今まで強力な政治主導の国でした。民意を最大限に政治家が汲(く)み上げてきたのです。皮肉なことに、初めて与党になった民主党は政策運営に関する知識も能力も自民党に劣っていたために、結果として民主党政権になってから官僚主導になってきました。あらかじめ財務官僚の書いたシナリオで事業仕分けショーをしたり、消費税増税を首相が言い出したり。

執筆: この記事は今回は藤沢数希さんのブログ『金融日記』からご寄稿いただきました。

文責: ガジェット通信

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