相次ぐ行方不明事件、子どもを守る防犯意識

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近年、全国で子どもの行方不明事件が増加

相次ぐ行方不明事件、子どもを守る防犯意識

9月11日夕方、神戸市内で小学1年生の女児が行方不明になりました。事件・事故の両面で警察は捜査を行っていますが、有力な情報はありません。近年、子どもの行方不明事件が増加しており、子どもを守るための防犯対策や教育に注目が集まりますが、経験と学びで身についた「大人の常識」は、子どもたちには通用しないことも多々あります。

例えば、「知らない人について行ってはいけません」と教えても、子どもたちにとっては「知らない人って?」「ついていったらどうなるの?」「なぜいけないの?」と疑問に感じてしまいます。このように、ほとんどの大人は子どもたちを守る防犯対策を教えるだけであり、その危険性について理解させようとはしません。では、経験や知識の少ない子どもたちを凶悪な犯罪から守るためには、どうすれば良いのでしょうか。

地域のつながりを大切に、子どもにも理解できる防犯教育が不可欠

多くの行方不明事件は、子どもがひとりでいるときに発生しているという共通点があります。つまり、子どもをひとりにしない環境が、事件の発生を抑止します。ただ、子どもたちがひとりにならない環境を家庭だけで作り出すのは、なかなか難しいのが現実でしょう。登下校、遊びや塾の行き帰りなど、ひとりになる機会は数多く、家族の努力だけでは不可能です。しかし、子どもの存在を近所や地域の人に知ってもらえば、挨拶などの声がけにより、ひとりになる機会を減らすことができます。家族が付き添うだけが方法ではありません。地域のつながりを大切にしてください。

また、子どもたちにも理解できる防犯教育も不可欠です。親がいくら「知らない人について行ってはいけません」と教えても、下見を行っている犯罪者は、子どもたちにとって「いつもの人」になっており、「知らない人」ではありません。そのため、教え方には工夫が必要です。子どもたちが安心して遊べる場所(公園などの施設)を増やすことも、犯罪などの危険から子どもたちを守る有効な対策・方法でしょう。

何より大切なのは大人の防犯意識

子どもを巻き込んだ事件や事故が報道されるたび、「またか」と感じる人も少なくないと思います。しかし、そうした報道に接しても、即効性のある対策は思い浮かばず、不安だけが募る結果になっていないでしょうか。子どもを守るのは、大人の役目です。子どもへの防犯対策も必要ですが、何より大切なのは大人の防犯意識です。

犯罪者も捕まりたくないと考えていますから、条件を満たさない場合は行動に移すのを諦めます。警視庁が行った意識調査では、「近所の人に声をかけられた」「ジロジロ見られた」「パトロール中の警察官に会った」が、条件を満たさない要素の上位を占めています。これらは、犯罪者にとって脅威とも言える意思表示になり、犯罪者を近づけない安全な地域を作り出します。

学校単位で考えてみると、全員が同世代の子どもを持つ親です。家庭の事情はさまざまですが、話し合いを重ねながら助け合っていくことが、子どもたちにとって安全・安心な環境を作り出すことを忘れないでください。そして、子どもたちが不安を感じず、笑顔の絶えない日々が続くことを願っています。

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