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大葉健二がやってきた!  『宇宙刑事ギャバン』からのメッセージ

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『宇宙刑事・三部作』をご存知だろうか? 東映制作の特撮テレビドラマである『宇宙刑事ギャバン』(1982年)、『宇宙刑事シャリバン』(1983年)、『宇宙刑事シャイダー』(1984年)の三作品がそれにあたる。かなりの割合で「将来の夢=宇宙刑事」を目指していたといわれている30代~40代男性の方にとっては基本であり、重要な作品であろう。

そんな宇宙刑事シリーズの最初期作品『宇宙刑事ギャバン』の主役を務めたのが大葉健二氏。ちなみに『バトルフィーバーJ』の「バトルケニア」や『電子戦隊デンジマン』のデンジブルーも大葉氏であり、『秘密戦隊ゴレンジャー』ではアカレンジャーのスーツアクター(後述)も一部演じていたそうだ。

”ACTION WORKS 宇宙刑事ギャバン 発売記念イベント”「大葉健二がやってくる!2010」が行われたのは去る2010年6月26日(土)。LOFT/PLUS ONE(新宿区歌舞伎町)にて行われたこのイベントの様子をレポートしてみたいと思う。※全ての写真をみるにはこちらからどうぞ

本イベントは「大葉健二 VS JAE現役スーツアクターとのトークバトル」、「大葉健二 VS 宇宙刑事とのトークバトル」そして「大葉健二との握手会」の3部構成。

- 当時のVTRに食い入る観客
開演前は『宇宙刑事ギャバン』のVTRがひたすら上映され、来場者した100名は食い入るようにスクリーンを見つめていた。その静かな熱気からも、各々がヒーローとの再会を楽しみにしている事が感じられた。物語りも大詰め、ギャバン・一条寺烈が父(千葉真一)と再会するシーンを経たところで司会である鈴村展弘氏が登場。仮面ライダーシリーズ(クウガ、アギト、龍騎、555ほか)、魔法戦隊マジレンジャー、轟轟戦隊ボウケンジャーなどの東映作品に携わった現役の監督である。

鈴村氏の流暢(りゅうちょう)な導入から、程なくして現れた大葉健二氏。55歳とは思えない眼光はスクリーンで見せたそのままである。はつらつと登場し、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。先ほどのVTRでギャバン一条寺烈と父が再会するシーンについてはいきなりの裏話が披露される。「実はあれ、ほとんどが別撮りなんですよ。なのに大葉さんのあの(対面をして涙をぼろぼろと流すシーンの)テンションのあげ具合や一体感といったら! 」と鈴村氏から解説が入ると、会場でどよめきが起きた。大葉氏の師である千葉真一氏とのエピソードも交え、いきなり会場全体の温度が上がったかのようであった。

- 第一部
トークライブの一部のゲストとして登場したのはJAE(ジャパンアクションエンタープライズ・元JAC)の後輩であり現役のスーツアクター、おぐらとしひろ氏と橋口未和氏。スーツアクターとはいわゆる”ヒーローの中の人”であると言えばお分かりいただけるだろうか。おぐらとしひろ氏は『仮面ライダー電王』リュータロス役、橋口未和氏は『侍戦隊シンケンジャー』シンケンイエロー役として活躍をしていた。

やや緊張気味の二人—-とくに橋口さんは”神”である大葉さんの前であるおかげか、緊張が隠せない様子。現役のアクターの方からすると、『ギャバン』などの当時のアクションは、「長回し」(1シーンあたりが長い)であるとのこと。いわく「今は割とカットが細かいので、数多く撮るけれどその分負担が少ない」(橋口氏)、「大葉さんの頃のアクションは本当にすごいですよ。量も格段に違いますし」「初めてお会いしたときは、密かに心の中で『あ、一条寺烈だ! 』と思ってました(笑)」(おぐら氏)。

話題はCGと”生(撮り)”に関する内容に及ぶ。ギャバンにおける”生”の多さは「もはやバイブル級」と二人とも賞賛。大葉氏は「でも、爆発とか…当時はセメントとかガソリンを実際に爆発させるわけですけど、後片付けが大変なんで、そこはCGの方がいいですね」と笑う。また、「”背落ち”って皆さんご存知ですか? (アクションで背中から落ちる動作)これが、生でやっているとそのうち、快感になってくるんですね(会場笑)。そこが生のいいところです」などなど次々と会場を笑いに誘った。

サイバリアン(変身した後に乗るサイドカータイプのバイク)に立って乗っていた記憶しか無い、というおぐら氏の質問に対しては、会場から「(普通にまたがって乗っていたことが)あるよ」と教えられる場面も。大葉氏の、「オリジナルで(サイバリアンの)型をつくるんですけど、管理している人に『これどのくらいするんですか?』と聞いたら、『型とってなんだかんだで…650万くらいかな』」という当時のやり取りにも全員仰天。さらに大葉氏は「ドルギランもね…同じくらい(の値段)で。そうすると、ほら、責任感じますよね。作品に何かあったらどうしよう、って(笑)」「サイバリアン見たときにね、そういう周りで作品に携わっている人たちの思いを感じました」と続けた。

このドルギランの話にはこんなエピソードもある。「(ある日スタジオに入ったら)、ものすごく精巧に動いているんですよ、ドル(ドルギラン)が。コンピューター制御のすごいのが出てきたんだ、と思ったらハイ、カットー!の声で中から人間が出てきて(笑)」という裏話でも、ギャバンマニアたちから驚きの声が漏れた。

- ギャバンのデザイン、現在までの系譜
話はメガハウスから発売中の『ACTION WORKS 宇宙刑事ギャバン』のフィギュアに。つま先まで可動して、ギャバンのポージングが全てつけられるという完成度の高さには、“一条寺烈”も思わずびっくり。「こんな風にできるんですよねえ」。第二部で登場するスーツアクターからも「ポージングはね、足が一番重要なんです」「この製品はいいですね」と現場のプロからも絶賛。

「(1980年代の作品なのに)全く古さを感じさせず、今もそのデザインで愛されるギャバンはすごいですよね」というのはおぐら氏。司会の鈴村監督によると、現在放送中の『仮面ライダーダブル』、実は『宇宙刑事シリーズ』の枠として脈々と続いてきているそうだ(『仮面ライダーブラック』などのシリーズとはまた別らしい)。最初が『ギャバン』として成功を収めたからこそ、30年たった今までつながっているという。

- 第二部、『シャリバン』登場
第二部では、『ギャバン』、『シャリバン』のスーツアクターとして活躍した村上潤氏、そして『シャリバン』の主役である伊賀電役を務めた渡 洋史氏が登場。『ギャバン』ではスーツアクターも務めていたという経歴を持つ渡氏が乾杯の音頭を取ってスタートした。

「昔はね、(着ぐるみの中だから)”中身”って呼ばれてたんですよ」村上氏は当時を振り返る。渡氏も「スーツアクターなんてカッコいい名前無かったですよねえ」と続けた。

- 初めてギャバンを見たのは
大葉氏は初めてギャバンを見たときの感想をこのように語った。
「初めて見たのは、ポスターだったんですよ。レーザーブレードを構えてね。見て、思ったのは”このギャバンってのは、宇宙で一番強いんだろうな”ってこと。そこから、自分なりに(役作りを)うんと考えましたよ。本当に強い人ってのはどういう人なんだろう、と」「初めて”蒸着”したあとのスーツ見たら、メッキなんですよね。全て映り込む。ものすごくカッコいいんです。だけど、空とか、撮影クルーとか、全部映り込んじゃうから、撮影が難しくなっちゃって…結局、つや消しになっちゃって…当時、実はそれ(メッキでは無くなってしまったの)がショックだったんですけど、しょうがないですねえ」

村上氏は、デザインを見る前になんと、『ギャバン』を夢に見ていたという。「『ギャバン』ってのをやる、って話聞いたときにね、白っぽいやつが、こう、ふっと夢に出たんですよ、不思議ですよね」「(特撮の)スーツとしては、それまでのものが男性用、女性用の2種類程度しかなかったのに、体の寸法に合わせてきちんと作られていたからすごく良かったですね」

「『ギャバン』のような左右非対称のデザインというのは、やっぱり斬新でしたね」というのは渡氏。「まあ、『シャリバン』までいっちゃうと、高そうだなー、なんてそんなこと考えてましたが(笑)」

スーツについては、都度改良を加えられていたということをこんな風に語った。
大葉氏「『ギャバン』は、胸パーツを外すと下地と肩がくっついている構造なんですが、段差が出てしまったりして。そういうときは、都度、こうしたほうがいいんじゃない?なんて話をして改良していったんです。そうした欠点などが『シャリバン』では全部解消されていて(いいなあ、と)(笑)」
渡氏「都市伝説かもしれないんですが、『仮面ライダースーパーワン』(の顔を)横に延ばしていくと『ギャバン』の顔になる、ってのがあるんですよ(笑)」
村上氏「本当かなあ(笑)」
鈴村氏「なんだか大葉さんの顔が悲しい顔に」
大葉氏「(笑)」
――と、和やかかつディープな会話は続いていく。

- 痛さとか怖さ
スタントやアクションでは避けられない痛みやケガ、そして恐怖についてはこんなやり取りが繰り広げられた。
大葉氏「まあ、あんまり怖いとか言ってられなかったんで、やれって言われたらなんでもやってましたねえ。でも、階段はイヤだったなあ。全部角だから、痛いってわかってるもんね(一同笑)」
大葉氏「最初の頃は1m、2mとかでもちょっと躊躇(ちゅうちょ)していましたが、これが慣れてきて、10m、エアーマットを使っての20mとかね」「さすがに20mの落下ともなると、撮影現場全体がピリピリと緊張していました」
村上氏「エアーマット使ってってのは(ギャバンが)始めてだったんじゃないかなあ。ものすごい滞空時間を稼ぐために高いところから落ちるのやったんですが、放映のときはギリギリのところまで使ってくれてたんでうれしかったですね」
大葉氏「渡君も、若いときに吊り橋(からの落下)とかやったんだよね」
渡氏「シャリバンのときですね。ロープとかつけて」
大葉氏「まあ、気持ちいいですよねー(笑)」
渡氏「2~3mとかしかやったことないのに、いきなり50mとかですからね。こんなのやったことねえよ!と(笑)。切れたら死んだ、と思いますよ、あれは」
村上氏「やったことの無いのを挑戦する、ってのは面白かったですね」
鈴村氏「渡さんにとって『これは危なかった』というシーンなどは何かありますか?」
渡氏「全部ですよ(一同爆笑)」
鈴村氏「印象深いものといえば? 」
渡氏「シャリバンのオープニングですね。窓ガラスを割って出てくるシーンなんですけど、あんなこと練習でやるわけないじゃないですか。テストはうまくいったんですが、本番で(変な風にぶつかって)へたり込んじゃって。あれは痛かったですねえ…」

こうした生のヒーローたちの普段は聞くことの出来ないトークばかりが続く。100人以上の特撮ファンにとって夢のような時間であったに違いない。

- 宇宙刑事を目指すみんなにメッセージ
内容が濃い第二部を経て、最後は大葉健二氏との握手会でイベントは大詰め。思い思いの一言を受け止めるかのようにファンの目を見つめ、堅い握手を交わす大葉氏だった。30年の月日を越えても、僕らの一条寺烈はそこに居たのだ。

さらにガジェット通信の読者のみんなへ特別にビデオメッセージをお願いしたところ、快く了承してくださった。熱いヒーローの声は、今も変わらない。


『宇宙刑事ギャバン』大葉健二氏からのメッセージ(ニコニコ動画)
http://www.nicovideo.jp/watch/1278500089
※閲覧にはログインが必要です

”ACTION WORKS 宇宙刑事ギャバン” 商品説明ページ(メガハウス)
http://www.megahobby.jp/event/20100602_gyaban/index.html

イベント詳細(メガハウス)
http://www.megatreshop.jp/news/news100525.html

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記者:

「予備校生のような出で立ち」で写真撮影、被写体(スチル・動画)、記者などできる限りなんでも、体張る系。 「防水グッズを持って水をかけられるのが好き」などの特殊な性質がある。 好きなもの: 食べ物の写真、昔ゲーム(の音)、手作りアニメ、昭和、穀物

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