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仮想空間で痛みを感じる?

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サイエンスあれこれ

今回は神無久さんのブログ『サイエンスあれこれ』からご寄稿いただきました。

仮想空間で痛みを感じる?
最新のTVゲームなどに見る仮想空間の美しさには目を見張るものがありますが、これを“現実”と呼ぶには何か物足りない。それは、ゲームの中では、人間が外界を知る5つの感覚、視覚、聴覚、味覚、嗅(きゅう)覚、触覚のうち、視覚と聴覚しか再現できていないからでしょう。なかでも触覚は、実際にその場にいる感覚を最もリアルに伝えてくれるはずなのに、その入力が、目や耳といった専門の器官ではなく身体全身で行われるため、再現の難しさは容易に想像できます。しかし、最新の研究によれば、人間の触覚の一部を、視覚によってだますことができるらしいのです。この原理を応用すれば、触覚を再現することも夢ではなくなる?かもしれません。

『PLoSone』に5月12日付けで発表された論文(購読無料) *1 によると、一人称視点で仮想空間にいる被験者が、同じく仮想空間の中にいる目の前の相手に肩を軽くたたかれます。それと同時に実際の肩に同様の刺激を与えられると、徐々に現実と仮想の感覚が区別できなくなり、その相手に、突然平手打ちをされると、今度は現実には平手打ちはされていないのに、されたようにその痛みを感じるということがわかりました。ここでは、一人称視点というのが重要らしく、天井や横からの視点といった第三者視点ではこのような効果はみられなかったそうです。
*1:「First Person Experience of Body Transfer in Virtual Reality」『PLoSone』
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0010564

この結果は、人間が普段感じている現実感が、意外にも頼りないものだということを教えてくれると同時に、現実感というものを定量し、それを与えているメカニズムを探る手がかりにもつながるのではと、期待させてくれます。それにしても、もし完全フル仮想空間なるものが登場したあかつきには、ゲーム時間とか心拍数レベルとかが一定の閾(しきい)値を越えたら強制終了するような安全装置をつけないと危険かもしれませんね。

執筆: この記事は神無久さんのブログ『サイエンスあれこれ』からご寄稿いただきました。

文責: ガジェット通信

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