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漫画家・押見修造インタビュー「『スイートプールサイド』も『惡の華』も僕にとっては真っ当な青春」

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「惡の華」「漂流ネットカフェ」など人気作を次々と生み出す漫画家・押見修造先生の初期傑作「スイートプールサイド」。毛のない男の子と毛深い女の子の青春剃毛ストーリーがまさかの実写映画となり、6月14日から全国公開となります。

映画『スイートプールサイド』は男子なのに毛が生えないことに悩む高校1年生・太田年彦(須賀健太)が同じ水泳部の毛深い女子・後藤綾子(刈谷友衣子)に「太田くん……私の毛を剃ってくれない?」と、とんでもないお願いをされる事からはじまるストーリー。

押見先生自身も映画を絶賛し、映画にインスピレーションを受けた番外編を執筆しています。今回は、押見先生に映画のこと、なぜ息苦しい青春を描き続けるのか、など色々とお話を伺ってきました。

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――まず『スイートプールサイド』が実写化すると聞いた時の率直な感想を教えてください。

押見:マジで!? って思いました(笑)。映画化するとは想定外でしたね。全編を通じてずっと毛を剃っているだけの作品なので、映画にしようと考える人がこの世にいるとは、と。

――映画化にあたり、先生から松居監督に意見を言ったりすることはありましたか?

押見:基本おまかせしようというスタンスではあったんですけど、思ったことは伝えた方が良いと思い、脚本にコメントした部分もあります。面倒くさい原作者だったかもしれません(笑)。

「生身の人間が演じるとどうしても生々しくなりすぎてしまうのでバランスが難しい」と監督がおっしゃっていて、生々しさは残しながらも、エグいAVの様にしたくはないと。

――このポスターもそうですが、屋外で毛を剃るというギャップも映像の面白さですよね。

押見:人に見られたらまずい事しているのに、周りはうららかっていう所が良いですよね。漫画では部室の中で毛を剃るので、その改変はすごく良いなと思いましたね。

――主演の刈谷友衣子さんは、前に出演していた映画『中学生円山』でもそうだったのですが、同級生の男の子が憧れてしまう神秘的な雰囲気がありますよね。

押見:気高い感じというか、タブー感がありますよね。ズケズケと触れてはいけない感じという説得力がすごくありますよね。撮影現場を見学させてもらった時にお会いして、刈谷さんは毛深く見える様なメイク、つけ毛をしていたのですが、それを知らなくて「本当に毛深い!?」と思ってちょっとドキマギしてしまいました(笑)。刈谷さんも須賀さんも本当に顔が小さくて驚きました。後、須賀さんは良い体してるんですよ。映像で見ると細くて高校生らしい華奢さがあるんですが、実際はほどよく筋肉がついていて格好良かったですね。

――そもそもこのお話はどういった発想から生まれたのですか?

押見:次回作は何にしようかと担当さんと話し合っている時に「毛の話はどうですか?」と言われたのがきっかけです。まさかここまで全編を通した毛の話だとは思っていなかったかもしれませんが。

僕は毛深くて、毛がイヤだったほうで、そんな気持ちを後藤にたくしています。同級生で毛が薄くてツルツルで、そいつが女子に触られていたりして、悔しかった思い出がありますね。

――映画にインスピレーションを受け書いたという、番外編も発表されましたが、どういう部分を新しく描きましたが?

押見:映画を観てすごく感銘を受けたので、それをふまえて自分なりに毛を剃るシーンを書いてみたいと思いました。もう、この作品を描いてから10年経っているので、今の自分の力を出せるだけ出してみようと。

――「毛に悩みを抱えている」という本作も、「好きな子の体操着を盗んでしまった」という「惡の華」も、はじまりは些細な事なのに、物語がどんどんマズい方に展開していく所が、いつもスゴイなあと思いながら作品を読ませていただいています。

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記者:

映画・アニメ・美容に興味津々な女ライター。猫と男性声優が好きです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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