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被曝と健康、医療をもう一度、考える 7.専門家の倫理と医師の資格(中部大学教授 武田邦彦)

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今回は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました
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被曝と健康、医療をもう一度、考える 7.専門家の倫理と医師の資格(中部大学教授 武田邦彦)

このブログでは複数回、記事に載せたが、「専門家の倫理と医師の資格」の問題は福島原発事故で大きな課題として浮かび上がったものの一つである。

専門家とは何であろうか? それは主として二つの要件を持っていると考えられる。


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一つはこの図に示したように、普遍的法則、たとえば医学に基づき、長期間高度な修練を積むということで、それによって「普遍的であり、一般人とは違うレベルにある」ということが確定する。医師では医学に従い、6年制の大学を卒業して医師試験に合格し、さらに2年から5年の研修期間を終えるのだから、一般人よりかなり高い専門性を有することになる。

更に加えて「不特定多数」に責任を持つという特徴を有する。患者の人種、性別、年齢、趣味、政治的信条などにかかわらず医師は患者の治療に当たり、手術や薬の投与が収益につながるからという理由ではそれらを実施することもなく、また医療機関の理事長の命令に従って治療する事もしない.完全に個人で独立している。

これは大学教授も同じで、学長や理事長の息子が講義を受け、理事長から合格させるように命じられていても、他の学生と全く同じく取り扱う。授業料を受け取っている相手の学生を叱ったり、不可をつけて不合格にするのも専門家としての特徴である。

つまりお金をもらう客先、自分の上司のどちらの命令も聞かないということで、それが専門職としての最大の特徴であり、このことを現実的に実施するために国家資格や身分保障などがついている。


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もう一つは「専門家は自由な発言が制限される」ということで、このことは2011年にイタリアで起こった地震の予知で、予知に失敗した学者が禁固刑になった例で判る。地震学者で「学問」を専らにしている人は何を言っても罰せられない。それは学問の自由が「内的・精神的自由」に限定されているからだ。

しかし、学者がここでいう「専門家」、つまりはやや狭義の専門家の場合、その言動には強い制約がかかる。裁判官は被告に死刑の判決をすることもできるが、自ら法律を作ることは禁じられている.医師は患者の両脚を必要に応じて切断しても傷害罪に問われる事は無いが、安楽死を施すことはできない。

教師は自らの研究が学術的に定まっていない状態で、学生に教えてはいけない.つまり専門家の大きな制約は「学問的、または社会的な合意」を出ることができないと言うことを示している.福島原発事故では医師、専門家が法令の基準を逸脱し、自らの判断で「被曝は大丈夫」というような発言をした。医学者が医学会で自らの見解を述べるのには何の制約もないが、それが社会的な影響を持つことが明らかな場所(たとえば福島県が準備した住民の説明会)においては、法令を遵守すること、その内容の説明に限定される。


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また、医学会においてはランセット論文などに代表される「医療被曝とガンなどの疾病」の問題について深く研究をすることが大切である。

これまで放射線に関係する治療や検査を行ってきた医師が、真の意味で患者の信託・・・患者の治療というメリットと被曝という損害がバランスする以上は被曝させない・・・に応じてきたか、真剣に考えてきたかが問われると考えられる。

執筆: この記事は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年10月09日時点のものです。

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