サイトオーナーやブロガーにオススメ!来訪ユーザーの行動を可視化する『User Heat』レビュー

userheat_home

自分のウェブサイトやブログを持っている方は、来訪したユーザーがサイトのどこに注目しているのか、バナーをちゃんと見てクリックしてもらえているのかなど、その行動が気になりますよね。ユーザーローカルが提供している『User Heat』は、発行されたタグを埋め込むだけで、サイトを訪れたユーザーの行動を調査してくれるウェブサービス。従来はユーザーの目の動きを計測するアイトラッキングシステムを使ったり、マーケティング会社にユーザーを集めてグループインタビューしてもらうなど、調査にお金がかかりましたが、『User Heat』なら無料で調査できます。「これは便利そう!」ということで、実際にウェブサイトにタグを埋め込んで、調査してみました。

・ユーザー登録してタグを発行
『User Heat』を利用するために、まずユーザー登録します。登録内容はメールアドレス、パスワード、性別とニックネーム、調査したいサイトのURLだけ。登録後は、メールアドレスとパスワードでログインすると利用可能になります。

userheat_tag

ログイン後、「HTMLタグ発行」のタブをクリックすると埋め込みタグが表示されます。自分のサイトなら、調査したい全ページにこのタグを埋め込んでアップロードしましょう。ブログの場合は、HTMLをテキストエディタで編集できるタイプのものなら対応可能。主要なブログシステムについては、埋め込み方法の説明が記載されています。

・『モゲラ』のユーザー行動を調査

mogera_home

今回調査したのは、未来検索ブラジルが運営するゲームコミュニティ『モゲラ』(http://mogera.jp/)。クリエーターがFlashゲームなどブラウザで遊べるゲームを投稿して、ユーザーに公開できるサービスです。こちらの全ページに『User Heat』が発行したタグを埋め込み、調査しました。

mogera_home_note

『モゲラ』トップページの構造は大まかに、トップページへリンクするロゴや案内のリンク、ユーザー情報のリンクを表示する「ヘッダ」、4コのゲームをフィーチャーする「おススメゲーム」、2人のクリエーターをランダムでフィーチャーする「注目のクリエーター」、お知らせやカテゴリーリンク、新着タグを表示する「サイト情報」、カテゴリー別に新着ゲームを20コ表示する「新着ゲーム」、デイリーやウィークリー、マンスリー、累計のランキングを上位20位まで表示する「ランキング」のコラムに分かれています。ユーザーはサイトのどこに注目し、どのように行動しているのでしょうか。

・3種類のレポートを表示

userheat_reports

『User Heat』は、ユーザーの行動を「Mouse Track」「Click Map」「Gaze Heat Map」の3種類のレポートとして表示します。いずれもページのスクリーンショット上にオーバーレイ表示されるので、結果は一目瞭然です。

1ページにつき、1000~1500ページビューがレポート可能になる目安です。ログイン後にレポート表示画面を見て、レポートを参照できるページを確認しましょう。1サイトにつき1000種類のページまでレポートを参照できます。

・ユーザーのマウスの動きを可視化

userheat_mouse

「Mouse Track」は、ユーザーのサイト上でのマウス操作を検出し、ユーザーのマウスの軌跡を色分けして表示するレポート。同じユーザーのマウスの軌跡は、同じ色で表示され、ポインタの始点を「START」、終点を四角で表しています。軌跡には番号がつけられ、マウスが移動する順番が分かることがポイント。

『モゲラ』のレポートでは、ヘッダ付近や「おススメゲーム」のコラムから見始めて、次に「新着ゲーム」コラムで新しいゲーム、さらに「注目クリエーター」をチェックしているユーザーが多いことが分かります。「ランキング」コラムのみを上位から順にチェックしているユーザーもいます。レポートは特定のユーザーの軌跡を6通りピックアップして表示しているので、リロードすることで別のユーザーの軌跡を確認できます。

トップページは縦に長いページなのですが、「新着ゲーム」や「ランキング」を下までスクロールさせてチェックしているユーザーが多いこと、注目して欲しい「おススメゲーム」や「注目クリエーター」がほとんどの場合チェックされていること、バナーもチェックされていることがレポートから分かります。

・クリックされている個所を可視化

userheat_click

「Click Map」は、ユーザーがページ上でクリックした個所を表示するレポート。クリックされた個所が分かるだけでなく、頻繁にクリックされる個所を赤く色分けして表示します。

『モゲラ』では、「新着ゲーム」の新しいゲームと「アクション」のタブ、「おススメゲーム」にフィーチャーしたゲーム、検索窓がよくクリックされていることが分かります。「ランキング」は1位から20位まで、まんべんなくクリックされているようです。広告は残念ながら、あまりクリックはされていないようですね……。

レポートで気づいたのは、検索窓や「アクション」タブ、「全ゲーム一覧」リンクが予想以上にクリックされていること。このように、運営する側が意図しない部分にユーザーが注目していることに気づかされたのは大きな収穫でした。

・サーモグラフィ状に可視化

userheat_heat

「Gaze Heat Map」は、マウスの軌跡とクリックした場所から総合的に判断して、ページの中でどの部分がよく読まれているかをサーモグラフィ状に表示するレポート。よく見られている個所ほど、赤く色分けして表示します。

『モゲラ』の結果では、「おススメゲーム」「新着ゲーム」「注目クリエーター」と、「ランキング」の上位がよく見られていること、ページをスクロールさせて下までまんべんなく見られていること、ページ中央の注目度が高いことが分かります。これを見て、「バナーはおススメゲームと新着ゲームの間でセンターに置いた方がクリックされるかも」など、サイト改善を検討していくわけです。実際にそうするかは別として……。

・個人~中規模のサイトに最適
「導入がカンタン」「結果が見やすい」「ブラウザだけですべて完結する」という点が『User Heat』の特徴です。ただし、いくつか注意すべき点も。レポートは『User Heat』のユーザー間で共有され、サンプルとしてトップページに表示されることがあります。ランダム表示なので、自分のサイトが表示されることはめったにないのですが、ほかのユーザーにレポートを見られたくない、という方にはオススメできません。また、レポート対象が1日に10万ページビュー以上ある場合は利用できないようです。レポートを見られたくない大規模なサイト向けに、ユーザーローカルは法人向けサービス『ユーザーインサイト』を用意しています。

最近ブログを始めた方や、これからページビューを増やしていきたい小中規模なサイトを運営している方は、一度試してみる価値は大いにあります。サイト運営者やウェブデザイナーは、サンプルのレポートを見るだけでも参考になるはず。上手に利用して、サイトの改善やデザインのヒントをもらいましょう。

・関連リンク
User Heat

■関連記事
【画像付き】サイトオーナーやブロガーにオススメ!来訪ユーザーの行動を可視化する『User Heat』レビュー
ウェブページのスクリーンショットを撮るならオススメ!のウェブサービス『Aviary』
3Dでドット絵を描こう!3Dお絵かきウェブサービス『Q-BLOCK』が公開

  1. HOME
  2. ガジェ通
  3. サイトオーナーやブロガーにオススメ!来訪ユーザーの行動を可視化する『User Heat』レビュー

shnsk

宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

ウェブサイト: http://mogera.jp/

TwitterID: shnskm

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

記事ランキング