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ギャンブルと造山運動

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今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

ギャンブルと造山運動

ギャンブルはなぜ非対称なのだろう。儲けることはいくらでもできるが、損をすることは限界がある。基本的に最初の手持ちの金が尽きたらそこで退場。まるで片側が断崖絶壁の細い道を歩いているようなもの。反対側には余裕があるけれど、絶壁側にちょっとでもよろけたら終わり。

言い換えればなぜ人はギャンブルを好むのか?社会はなぜ制限付きではあってもギャンブルを許容しているのか?多くの敗者と僅かな勝者を作り出すのがギャンブル。普段、平等を賛美している人たちがなぜギャンブルに惹かれるのか。

よくシミュレーションでは勝てるのに実際のギャンブルでは勝てないという人は、この非対称性を無視しているのではなかろうか。シミュレーションでも最初に手持ちの金を設定するだろうけれど、破産しても何度でもやり直せる。

それが現実のギャンブルとは違う点で、ようするに無限に破産できるから、正しい現実のシミュレーションになってないのだ(笑)。もちろん現実は一度破産したら終わり。無限に負け続けることができるのはギャンブルではないのだ。

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地球の陸地は常に風化や侵食で削られている。長い歳月の間にはすべて陸地の岩や土は削られて海に流れ込んでしまうはず。そうなると海底は埋まって水面が上昇するから、地球は全部海になってしまう。もし地球のすべての地面が同じ高さなら、すべて海の底。

実際にそうならないのは造山運動で陸地の凸凹が常に生み出されているからだ。凸凹しているから海と陸地が存在するのであって、全部均してしまったら海になってしまう。人間を始めとする陸上の生物は存在できない。

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金も不均一だから意味があるのだろう。金持ちと貧乏人がいて初めて金の価値が生まれる。株式会社などはその典型。多くの人の金を集めて事業を行う。薄く広く散らばった富は、なにも生み出さない。一箇所に集まるから、そこから新たな価値が生み出される。

ギャンブルが許容されているのもそういうことなのかもしれない。ギャンブルで破産した人たちの金が、少数の勝者の元に集まる。勝者はせっかく手にした大金だから、それを元手に投資したり、事業を起こそうとするかもしれない。

もちろんくだらない事に散財してしまうかもしれないが、それは単に元に戻っただけだ。要は手にした大金を有効に使おうとする人間が僅かでもいれば、プラスなのだ。

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意外とギャンブルというのは、富を均一化する社会保障と対になるものなのかもしれない。それは一方で絶え間ない風化と侵食によって陸地を削り海を埋め立てようとする作用と、造山運動によって常に凸凹を生み出そうとする作用。

株式会社でもいいが、株の場合どうしても理屈が介在する。儲けようとするので、どうしても全体の金の流れが同じ動きになってしまう。みんなが儲かると思う企業には集中して投資され、そうでない分野には投資されない。

ギャンブルなら勝者はランダムだし、ギャンブルの勝者は、株の投資家ほど最善手を打たないかもしれない。結果的に賢い投資家が決してやらないような投資をするかもしれない。そういうのも多様性には必要。

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まあそう考えると、ギャンブルも社会の役に立っているのかな?と思ってみたり。株式会社とギャンブルは金を集める戦略の違いだけで。その意味では窃盗団とかも戦略の違いだけかもしれない。善悪の固定観念を一度取り払って、純粋に富の不均一さを生み出す手段として、さまざまな人間の活動を眺めてみると、違う風景が見えるかも。

執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年05月27日時点のものです。

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