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ゲームのパッケージがDL版に切り替わる小さな兆候

ゲームのパッケージがDL版に切り替わる小さな兆候

今回は田下 広夢さんのブログ『田下 広夢の記事にはできない。』からご寄稿いただきました。

ゲームのパッケージがDL版に切り替わる小さな兆候

コンシューマーゲームにおける、フルプライスのソフトのパッケージとダウンロード版のお話。

この手の話をすると、わりと簡単にゲームのお店なんてなくなってみんなダウンロードになっていくでしょ、ということをいう人もいるんですが、問題はタイミングで、今もうダウンロード版がどんどん売れているのか、それともいつかはダウンロード版に大きくシフトするけどずっと先のことなのか、そういうことが重要だったりします。

で、たった今どうなのかというと、コンシューマーゲームの流通の大部分はパッケージの販売によるものです。「とびだせ どうぶつの森」なんかの飛び抜けた例が一部にあることはありますが、概ねはほとんどのゲームがパッケージを中心に売れています。もちろんどうぶつの森にしたって、ダウンロード版がパッケージを凌駕しているわけじゃないですしね。これが現状認識。

そのダウンロード版の動きを知る上で、ヒントになりそうな話をあるゲームメーカーの中の人に聞きました。ただしこれは、それこそ「とびだせ どうぶつの森」なんかから比べると、ものすごく小さい小さい数字の話です。

数字が小さいだけにだけに、恐らくメディアにはまずでてこないと思います。中には、そんな小さい話をしてもねえと、軽視するような方もいるかもしれません。でも意外と、そういう小さい数字の話が積もっていった先に、大きな変換点が訪れる、なんてこともあるような気がします。ということで、ちょっと書き留めておきます。

1万本とか、2万本とかのソフト

ゲームが何本売れましたという情報は、基本的にたくさん売れたソフトのものばっかり入ってくるので、1万本とか2万本売れています、という話はユーザーさんにはあまり届きません。でも、そういうタイトルはたくさんありますし、それで採算が取れているタイトルもたくさんあります。

ゲーム業界では、メーカーがお店に対して、初回提案数というのを提示します。発売日にどのくらいの量の本数を流通させたいか、という本数で、それが1万本とか2万本のゲームというのは、さして珍しいわけではありません。洋ゲーのローカライズで、2万本ぐらいで商売になる(もちろんゲームによって全然違いますが)というのも、僕はインタビューで聞いたことがあります。

ただ、例えば初回1万本のゲームというのは、仕入れないお店がある、という数字です。つまりそのソフトはいりません、うちにはおきません、ということです。

お店にないソフトがDLで売れる

で、その初回1万本とか、それ以下のゲームのダウンロード版が伸びているんだそうです。当たり前と言えば当たり前の話です。お店にないんですからね。

初回数千本なんていうソフトは店舗からは見放されてるわけですが、それがダウンロード版で伸びちゃう。週販でみると、なんならパッケージよりもずっとダウンロード版の方が売れているというぐらいの現象が起きている、なんてこともあるそうです。

ゲームが売っていないお店にはいかなくなる

僕にそれを教えてくれた人は、営業さんなんですが、危機感を訴えていました。こういうことを放置しておくと、少しずつお店から人が離れていってしまうんじゃないか、と。「メーカーの人はダウンロード版を売ればいいと思ってるんでしょ」なんて思う人もいるのかもしれませんが、メーカーも1枚岩じゃないんですね。

営業さんは、お店あっての営業さんですから、ダウンロードが主流になってお店が無くなれば営業さんの仕事は無くなっちゃうんです。僕にこのことを教えてくれた人は、わりと早くからそのことを理解していて、ダウンロードの波に対してお店の施策を考えたりしていた方でした。

1万本のソフトはお店の売り上げ的にはインパクトはありません。ただ、ユーザーが折角お店に足を運んだのに品物が無くて、結局ダウンロードの方がずっと便利だった、という購入体験を作っていしまっていることには注目する必要があります。

買う買わないに関わらず、とにかくお店に来てもらう回数を増やさないと、お客さんはそのお店で商品を買ってくれない、というのはお店の方なら経験的に理解していることだと思います。行っても結局欲しいものが無かったお店に、お客さんが何度も足を運んでくれるかというのは、かなり疑問です。そしてそれは、売れるはずの人気商品、定番商品の売れ行きにも関わります。

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