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1980年代の東南アジア買春ツアー

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今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

1980年代の東南アジア買春ツアー

日本の景気がよかった1980年代の頃、日本人が東南アジア旅行に繰り出し、現地の女性相手に買春をするのが、社会問題になった。理屈としては日本人が海外でなにをやろうと、日本の国内法には触れない。現地の法律に合法なら責められる筋合いはない。

でも日本の世論はそれを許さなかった。日本人である以上は海外でも現地の法律のほかに日本の価値観にも縛られるということだろう。それが正しいかはともかく、その時はそういう考えにもとづいて売春ツアーは批判された。

批判が効いたのか、景気が悪くなってそんな元気もなくなったのか、最近はこの言葉を耳にすることはなくなった。まあこっそりやってるのかもしれないけど。

ノーパン喫茶なんてのも当時話題になった。トルコ風呂からソープランドに名称が変わったのも1980年代。

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橋下徹はアメリカ軍兵士の行動を日本の法律や価値観に当てはめようとしているのだよね。橋下徹のいう風俗が具体的にどういうものを意味するのかはともかく、日本で合法とされているなら、アメリカ軍兵士もそれを利用すべきだ、と。

アメリカ軍基地内は日本の治外法権だし、そうでなくてもアメリカ軍兵士の行動はアメリカの価値観に縛られる。世界展開をしているアメリカ軍が、それぞれの現地の事情に合わせていたら規律が保てないだろう。

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橋下徹はたとえば売春が合法な国で、職務で出張している日本の公務員(自衛隊員とか)が、それを利用するのはOKという考えなのだろうか。彼がそういう一貫した考えを持つならそれはひとつの考えとして否定しない。

でもそうなると慰安婦も当時は合法だったのだから、橋下徹の考えならOKのはず。なのに彼女たちには謝罪すべきだという。この辺がよくわからない。

やっぱ現在の日本の法律と価値観が絶対的基準で、他国の価値観(現在も売春を合法化している国や、逆に性風俗が日本よりも厳しい国)は考慮するに値しないということなのか。

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売春が合法な国に派兵された自衛隊員が、現地で買春した場合、橋下徹はそれに対してどういう姿勢をとるのか?売春婦たちにお詫びをするのか?それともどんどん利用して性エネルギーを発散させるべきというのか。児童売春とかも現地で事実上許されているならOKなのか。この点聞いてみたいところだ。

前者ならアメリカ軍に日本の風俗を利用を進めたことと矛盾するだろう。後者なら慰安婦に謝罪するのもおかしな話。「慰安婦には謝罪すべき」という点こだわる限りこの矛盾は解消できない。

もっとも、現在の日本というローカルな価値観(というか橋下徹個人の価値観のような気がするが)をすべての国、過去を含むすべての時代に適用するというなら別だ。それなら確かにアメリカ軍への風俗推奨も慰安婦に対する謝罪も辻褄が合う。しかしそれはあまりにも傲慢ではなかろうか。橋下徹の思考の出発点はこんなところなのだろうけどね。

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慰安婦問題で一貫した主張をしようとするなら、従来から行われているように強制か否かを争点にするしかないと思うのだよね。売春そのものの是非(内容とかも)については立ち入らない。それが長年編み出されてきた有効な戦術。だって性風俗について世界全体で一貫した基準を作り、合意を形成するなんて無理だよね。それぞれの文化に根ざすものなんだから。

それなのに橋下徹は「本音で議論しろ」などといって、いろいろ思いつきでごっちゃにした挙句収拾がつかなくなり、もはや自分でもなにを主張したいのかわからなくなってしまっている。

「本音で議論」といっても、やっぱ戦術は大事。気合で万歳特攻しても玉砕するだけだ。さんざんそれまで議論が尽くされ、定石も研究しつくされたテーマに、素人が後からやってきて「もっと本音で踏み込んだ議論をしましょう」とか言っても、結局は過去の繰り返しになり、有益な結果にはならない。

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アメリカ軍に兵士の性犯罪についてもっと真剣に考えてほしいという要求も、そんなのはアメリカ軍にとって今され言われるまでもないことだろう。長年一番頭を悩ましてきたのがアメリカ軍自身のはず。橋下徹のように昨日今日始めてこの問題をかじった人間に言われたくはないだろう。

素人がプログラマに「最初からバグのないプログラムを作れば、デバッグしなくて済むのに」とか言うのと同じではなかろうか。それが簡単にできるなら、誰も苦労しない、と。

執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年05月20日時点のものです。

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記者:

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