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話題のFlashゲーム『決定論』『YOU ONLY LIVE ONCE』を作った雷天堂にインタビュー(後編)

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ゲームオーバー後「TRY AGAIN?」をクリックすると、さっきまでプレイした内容がリプレイ再生される『決定論 – THE GAME』、1回ゲームオーバーになったら二度とプレイできない『YOU ONLY LIVE ONCE』と、奇妙なFlashゲームを立て続けにリリースしたクリエーターの雷天堂(Marcus Richert)へのインタビュー後編です(前編はこちら)。

・『モアイの巣』が大好き
記者:個人的にはどんなゲームが好きなんですか?

雷天堂:正直言うとFlashゲームで、どんなゲームに人気があって、これからどうなっていくか“リサーチ”する以外に、あまりゲームはしないんですよ。最近は『洞窟物語』『The Marriage』といったダウンロード販売しているインディーズゲームを“リサーチ”しています。家には『Wii』があって、時々『マリオカート』を友だちと遊んでますよ。ハードコアゲーマーではないですね。

記者:日本のFlashゲームで好きなものは?

雷天堂:『モアイの巣』(SKT)。音楽、ボイス、すべてが完璧ですね。洗練されていて、オリジナリティがあって、さらに大事なことに遊んで楽しい!最近は『激突要塞!+』(すずぬーと)も楽しんでいます。タワーディフェンスゲームというジャンル(個人的には好きじゃないけど)を見事にツイストさせた作品ですよね。英語版が出たらきっと海外で人気になりますよ。『Smash Fortress』とか『Smash Bash Fortress』とか英語タイトルをつけたらいい響きかも。

・日本のFlashゲームは儲かってない?
記者:日本で好きなFlashゲームクリエーターはいますか?

雷天堂:宮澤卓宏(SKT)さんはいいね。彼の作品である『モアイの巣』をモチーフに『Doeo』というゲームを作ったとき、彼は快く承諾してくれたんです。僕は彼のゲームがホントに好きなんだ。石井克雄(NEKOGAMES)さんもクールですね。彼は面白いことをゲームで表現している。

記者:日本のFlashゲームクリエーターをどう思いますか?

雷天堂:僕は日本のFlashゲームシーンは残念ながら詳しくないけど、日本のコンシューマーゲームがそうであるようにスゴいと思いますよ。才能あるクリエーターが革新的でクレイジーなゲームを作っていると思います。

日本のFlashゲームは、日本向け中心にも見えます。タワーディフェンスゲームは世界中で人気ですが、日本には日本でのみ人気となっているゲームがありますよね。“日本人論”的なものは嫌いなんですが、中国でも西欧のゲームが人気なように、日本とほかの国々には大きな違いがあるようです。言葉の壁が大きいとは思うのですが、日本にはすばらしいゲームクリエーターがいることは重要だと思います。

これはナゾなのですが、日本のFlashゲームクリエーターはどうやってお金を稼いでいるんでしょう。彼らは『MochiAds』『cpmStar』(編集部注:いずれもFlashゲームにゲーム内広告を配信する、海外の大手広告ネットワーク)を使いませんよね。『Armor Games』『KONGREGATE』『Newgrounds』といった海外の大規模なゲームサイトは、人気ゲームに彼らのロゴを入れると数千、あるいは数万ドル払ってスポンサーしてくれます。日本には秘密のお金儲けの手段があるならともかく、彼らは機会を損失してもったいないなあと思います。きっと言葉の壁があるのでしょうね。これらのスポンサーは日本語では受けられないし、『MochiAds』に関する日本語の情報もないですから。

・日本のクリエーターを応援したい
記者:次回作の予定はありますか?

雷天堂:同時に10コのゲームを進めていて、どれが最初に出せるか分からないんですよ(笑)。最近スタートさせたプロジェクトが、グラフィック的にはとても奇妙なレトロ調スペースシューティングです。『グラディウス』にインスパイアされているんですよ。今のところタイトルは『Turnip vs Face Ship Empire』(編集部注:カブ vs 顔帝国船団?)です。もうすぐ完成しそうなのが『Lost Vikings』(編集部注:海外のコンシューマーゲーム機で人気だった横スクロールアクション)タイプのゲーム、『ルミネス』タイプのゲーム、『メイド イン ワリオ』的なゲーム。ご存知のように僕の“手口”は、『モアイの巣』に対する『Doeo』みたいに、まったく新しいゲームを自分で生み出すわけじゃないんですけどね(笑)。クールで新しいアイデアがひとつだけあるんだけど、すぐ完成できるか分からないから、まだ教えないでおきます。

記者:日本の読者にメッセージをどうぞ!

雷天堂:何て言えばいいんだろう!でも日本のゲームクリエーターには、スポンサーシップやゲーム内広告について知ってもらって、自分たちのゲームでお金を稼げるように応援したいですね。個人的に聞いてもらっても歓迎ですよ。僕の文法的に間違ったブロークン・ジャパニーズでよければ、気軽にメールください!

記者:ところで、あなたのサイトはなぜ『雷天堂』という名前なのですか?

雷天堂:この名前を見て“Wapanese”(wannabe-Japanese、日本人になりたい外国人)と思われるのは残念なんですけど、しばらくこの名前を使っているから変えるべきかどうか……。そもそもは、西欧の人にも覚えやすい日本語がないか探していて、だれでも知っている“Nintendo”の“-tendo”がいいと思ったんです。それで“雷”は“Flash”の意味もあるからいいかなと。今思うとダサいですねえ。思いついたときはクールだと思ったんだけど……。


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「ゲームにイノベーションをもたらしたい」と奇妙なゲームを作り続け、海の向こうから日本のFlashゲームを見ている雷天堂。インタビューはそのユニークな視点が垣間見えるものになりましたが、「日本のFlashゲームクリエーターは儲かっているのか?」と心配していることが印象的でした。「Flashゲームをビジネスにする7つの方法」の記事でも一部解説したように、広告ネットワークの整備などの面で、日本と海外ではFlashゲームをビジネスにする基盤にまだ差があることは事実。日本のFlashゲームシーンが海外並みに盛り上がっていけるように、今後もガジェット通信はFlashゲームクリエーターを応援していきたいと思います!

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宮原俊介(編集長) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

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