体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

映画クロスレビュー:貧困・人種問題を真摯にとりあげ、パーフェクトなエンタメに仕上げた一本『ブラックパンサー』

640

【ストーリー】
若き国王ティ・チャラ、またの名を漆黒のヒーロー<ブラックパンサー>。2つの顔を持つ彼の使命は、祖国である超文明国家ワカンダの“秘密” ──“ヴィブラニウム”を守ること。
それは、世界を破壊するパワーを秘めた鉱石だった。突然の父の死によって王位を継いだティ・チャラは、人類の未来をも脅かすこの国の“秘密”を守る使命を負う事に。
だが――「私に、使命が果たせるのか…?」
ミステリアスな新ヒーローが躍動する、ハイスピード・アクション・エンターテイメントが幕を開ける!

監督:ライアン・クーグラー(『フルートベール駅で』、『クリード チャンプを継ぐ男』)

ティ・チャラ/ブラックパンサー:チャドウィック・ボーズマン
エリック・キルモンガー:マイケル・B・ジョーダン
ナキア:ルピタ・ニョンゴ
オコエ:ダナイ・グリラ
エヴェレット・ロス:マーティン・フリーマン

http://marvel.disney.co.jp/movie/blackpanther.html

(C)Marvel Studios 2018

cf516f2faefb82ed

公開されるやいなや全世界で大絶賛されている『ブラックパンサー』。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のファンはもちろん、アメコミ原作映画には馴染みがないし、途中から入りづらいと敬遠していた、という人にこそぜひ観ていただきたい作品です! なぜなら本作はMCUシリーズの最新作でありながら、この作品単体で観ても全然大丈夫なのです。

『ブラックパンサー』の最も優れたところは、その深みのあるストーリーです。父親の突然の死で王位を継ぐことになった若き王子、その正体は世界最強の戦士ブラックパンサー。そして彼の前に現れる謎の青年エリック・キルモンガー。物語はこの二人を主軸に、ワカンダ王国の大いなる秘密を巡る戦いが壮大なスケールで描かれます。国を守る責任の重さと家族への愛情など、さまざまな心の葛藤にゆれる国王役チャドウィック・ボーズマンの見事な演技。そしてマイケル・B・ジョーダン演じる宿敵エリック・キルモンガーのなんと魅力的なこと! そこには単純な“善と悪”の構図はありません。復讐譚という普遍的な物語をベースにしつつ、貧困問題、人種差別といった深刻な問題を真摯にとりあげ、なおかつパーフェクトなエンターテインメントとして仕上がっている本作には、新しいヒーローものの誕生を確信しました。

さらには舞台がアフリカのため、目がさめるようなカラフルで斬新な民族衣装の数々も見逃せません。野性的なアフリカン・アートを模した戦闘服や、有機的でなおかつメカニカルな最新兵器のデザインの美しさにもうっとりします。そして国王を守る最強の女性戦士たちのしなやかで躍動的なアクションにもほれぼれ! 画面を明るくする天才科学者の妹シュリ(レティーシャ・ライト)は日本でも大勢のファンがつくことでしょう。CIAエージェントのマーティン・フリーマンの大活躍もありますよ! 見所満載の本作、くれぐれもお見逃しの無いよう。

【プロフィール】♪akira
翻訳ミステリー・映画ライター。ウェブマガジン「柳下毅一郎の皆殺し映画通信」、翻訳ミステリー大賞シンジケートHP、月刊誌「本の雑誌」、「映画秘宝」等で執筆しています。

シュリちゃんのスピンオフを熱望

ブラックパンサーは『シビル・ウォー』で鮮烈なデビューを飾ってるし、新たに何を描くんだろうと思っていたら、ド直球のヒーロー誕生物語でした! 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』や『マイティ・ソー バトルロイヤル』といったヒャッハー系作品と比べると非常に硬派で、社会的メッセージ性が強く、単体として上手にまとまった作品という印象。それが米国で大大大ヒットしている理由でもあるし、一方でもしかしたら物足りなさを感じちゃう人もいるかも?

1 2次のページ
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。