大ヒットした加熱式タバコ「iQOS」対抗馬のJT『Ploom TECH(プルームテック)』。喫煙者による実感をがっつり検証、女子スモーカーにもおすすめ!?
タバコ葉を燃やさない、煙が出ないから副流煙もないということで目下大ブームを呼んでいる「iQOS(アイコス)」。その陰に隠れているが、JTにもまた『Ploom TECH(プルームテック)』という火を使わないタバコ製品が存在するのをご存知だろうか。
有害物質と副流煙、匂いの軽減で爆発的ブームを呼んでいる燃やさないタバコ。その現状はいかに。
今年4月に放映されたテレビ朝日系「アメトーーク!」をきっかけに、情報誌「日経トレンディ」が先日発表した「2016年ヒット商品ベスト30」で3位となったのが加熱式タバコ「iQOS」。葉を燃やさずに専用加熱ブレードで蒸気を発生させて吸い込むという新しいタバコの方式で、燃やさないが故にタールなどの有害物質を大幅に軽減、また有害副流煙も生じないということから、近年の嫌煙風潮と相まって大ヒットとなった。
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もちろんこうした通常の紙巻きたばこからの移行風潮は世界的に見ても顕著。欧米ではニコチンリキッドを使用した電子タバコが「VAPE(ベイプ)」の名称で大流行している。これはグリセリンを主成分としたリキッドにニコチンを添加し、蒸気化して吸入するもの。日本でもニコチンの入っていないものは販売されており、クラブなどで若者中心に大流行しており、「VAPE STUDIO」などの専門店も大都市圏に存在するほど。
加熱した蒸気を粉末状のタバコ葉を通して使用する”たばこベイパー”という独自の方式を採用した『Ploom TECH(プルームテック)』
普通に考えれば、その日本でもニコチン入りの電子タバコを輸入すれば良いようなものだが、日本には医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(旧薬事法)が存在し、ニコチンをリキッドの形で販売することは不可能。そこで葉を加熱してグリセリンなどで蒸気を発生させる『iQOS(アイコス)』のような製品が生まれたのだ。
今回検証するJT(日本たばこ産業株式会社)の『Ploom TECH(プルームテック)』(スターターキット・希望小売価格 税抜4,000円・2016年11月現在予約停止中)にしても、同様の縛りがある。ただ『Ploom TECH(プルームテック)』はグリセリンなどで蒸気を発生させるのは同じだが、それを先端に取り付ける粉末状のタバコ葉に通して吸引する仕組み。
たばこカプセルの中身はこのようにタバコ葉の粉が入っている。
これをJTは「たばこベイパー」と呼ぶ。つまりこれはVAPEの一種なのである。なので「iQOS」は電子タバコではなく加熱式タバコだが、『Ploom TECH(プルームテック)』は事実上電子タバコと呼んでも差し支えないことになる。実際に本体に仕込まれているカートリッジの中身はグリセリンが主体で、構造もほとんど電子タバコだ。
実は「iQOS」の知名度が爆発的に広まったので勘違いされがちだが、『Ploom TECH(プルームテック)』の前身である加熱式タバコ「Ploom」は2013年発売。つまり「iQOS」より誕生は先だったのだが、あまり評判が良くなく初代「Ploom」は販売停止。その間の2015年に「iQOS」が発売され、その後を追うように「たばこベイパー」方式に変更して今年発売されたのが『Ploom TECH(プルームテック)』である。
また12月には「ラッキー・ストライク」を展開するブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパンも12月11日に同様の加熱式タバコ「グロー」を仙台市で販売するというから、今後どんどん加熱していきそうなジャンルである。
福岡県以外ではネット購入しか手がない『Ploom TECH(プルームテック)』
品切れ店続出の「iQOS」本体キット。以前よりはマシになったといえども、まだまだ入手は難しい。一方『Ploom TECH(プルームテック)』はというと、これもまた実店舗では福岡県福岡市限定(取扱店MAP)で、それ以外の地区では公式サイトからの購入に限定されている。
福岡県内ではともかく、ネット販売ではこれまた生産が追いついておらず、2016年11月現在でも予約さえできない状況。記者は夏場に一時予約再開された時に予約、10月にやっと購入できたという有様。ロイターの報じたところによるとJTの供給能力は現状で4倍に拡大、来年の早い時期に10倍以上に生産力をアップして、大都市圏中心に全国発売する予定だそう。「iQOS」同様、思い立ってすぐ購入というわけにはいかない。
入手までの道のりを説明しよう。
『Ploom TECH(プルームテック)』入手までの道のり
購入以前に成人確認必須の「JTスモーカーズID」を取得しておかなければ、公式サイトで詳細さえも見られない。さらに「JTスモーカーズID plus Ploom」も取得しないと割引特典もきかないし、オンラインショップでの購入手続きも予約もできない。
ただ登録によって希望小売価格 税込4,000円が2,000円というのは大きい。「iQOS」が税込定価9,980円がキャンペーンで3,000円引きとなっても6,980円なことを考えるとその差は歴然。初期費用は格段に安い。
『Ploom TECH(プルームテック)』を使用してみよう!
そうしてやっとの事で通販購入できた『Ploom TECH(プルームテック)』。気をつけたいのは、同時に「プルーム・テック専用たばこカプセル」を購入しておかなければならないこと。ヒートスティック自体はタバコ店やコンビニで買える「iQOS」と違い、福岡県在住の人でない限り、ネットで購入しない限りは手に入らないからだ。最初は3フレーバー全てを試せる「トライアルSET MEVIUS for Ploom TECH 3 Flavor SET」(税込1,380円)を購入したい。
iPhoneでも入っていそうな白い箱。開けると中からプルーム・テック・バッテリー、USBチャージャー、ACアダプター、キャリーケースが出てくる。一番大きいのはキャリーケースなのだが、これがなかなかにチープな代物で、樹脂製で野暮ったい質感。持って歩きたくなるものではない。
一番大事なのはプルーム・テック・バッテリー。このスリムでクールな印象の筒状のパーツが最重要。そしてACアダプターと、それにUSBを介して取り付ける小さなUSBチャージャーがある。ここにプルーム・テック・バッテリーを接続して充電する。
充電が終了したら、同時購入しておいた「プルーム・テック専用たばこカプセル」の箱を開封。中にはプルーム・テック・バッテリーと同様のデザインの筒状のカートリッジと、たばこカプセルが5個入っている。
プルーム・テック・バッテリーにカートリッジを回転させながらはめ込む。
そしてカートリッジ先端部分にたばこカプセルをセットする。
これで準備は完了。
あとは吸い込むだけだ。自動的にスイッチが入り、蒸気が口の中に流れ込んでくる。
『Ploom TECH(プルームテック)』の吸い心地はどうか?
吸い心地は軽い印象。普段タール値5mg以下程度のタバコを吸っている人なら自然だが、きつめのタバコを愛飲している人だと物足りなく感じるかも。その傾向はレギュラータイプ「MEVIUS Regular for Ploom TECH」に顕著で、残りの「MEVIUS Cooler Purple for Ploom TECH」と「MEVIUS Cooler Green for Ploom TECH」の2種はメンソール感で多少は補われる。
問題はスロートキック。ニコチン入りのタバコで大切なのが、こののどを蹴るような独特の感覚だが、これは貧弱。推奨吸引タイムは2秒なのだが、それだとかなり軽い。5秒以上吸い込んで蒸気を口の中にためてから吸い込めばまだキック感はあるのだが、実はこの方式をとると問題が起こる。
というのも、この吸い込みで生まれる蒸気を、JTは1パフ、2パフ…とカウントしている。それが50パフを数えると、自動的に本体先端のLEDが青く12回点滅し、たばこカプセル交換時期を知らせるのだ。しかしそうして交換しても、たばこカプセルが余っている段階でカートリッジが蒸気を生まなくなるという現象が起こる。
これこそが『Ploom TECH(プルームテック)』ユーザーが厄介だと思う部分。カートリッジの中には蒸気を発生させるためのグリセリンなどを染み込ませた綿が入っている。通常の2秒吸引なら問題ないのだが、長く吸うとより多くのグリセリン類を消費してしまうのだ。すると蒸気を発生しないので、カートリッジが1箱に入っている5個のたばこカプセルを使い切る前にダメになってしまうのだ。
ものすごい荒技として、別途グリセリンを購入して注入し、カートリッジを復活させるという猛者もいるようだが、それはまた別の話。長く吸引する人はそうしてどんどんたばこカプセルが余ってきてしまうという現象が起こる。それを防止するためにはやはり2秒というリミットを守って吸うしかないのが現状だ。次のページでは『Ploom TECH(プルームテック)』導入のメリットを説明する。
『Ploom TECH(プルームテック)』のメリットとデメリット〜自然と減煙、コストパフォーマンスが良い
そうしたそれなりの気遣いは必要だが、メリットもある。特に「iQOS」と格段の差を見せるのが、バッテリーだ。本体を90分かけてフル充電すると、一箱に入っているたばこカプセル5つ分が楽しめる。1本吸うごとに充電しなくてはならない「iQOS」よりもかなり使い勝手がいい。「iQOS」のようなバッテリーケースは付属しないが、1日1箱の人ならば、満充電しておけば1本で1日持ってしまうはず。
またたばこカプセル1個につき50パフ、5個入りなので250パフできて、通常の紙巻きタバコに換算すると約30本ぶん楽しめるのだが、これもまたうれしい誤算がある。というのも通常の紙巻きタバコは一度火をつけたら最後まで吸うしかないし、中断するには火を消して廃棄するしかない。2回くらい吸えば満足できる時でも、消してしまえば1本換算。
ところがこの『Ploom TECH(プルームテック)』は2回だけ吸って、あとはポケットに入れるなどして中断、また気が向いたら吸い直すことができる。味の劣化もなく、シケモクに再度火をつけた時のように有害物質が倍増することもない。
結果として、紙巻きタバコをヤケド直前まで全部吸うようなことが、中断しつつ可能なのである。つまり購入したニコチンを限りなく限界まで消費できるのだ。だから紙巻きタバコの時と同じニコチン量を摂取するのに非常にエコなシステムと言える。
実はJTのメインブランドである「MEVIUS(旧・マイルドセブン)」を味わえるというのも魅力だが、最初に価格を見た時に紙巻きタバコが440円なのにたばこカプセルになると460円とは悪どいと正直思ったのだが、そこら辺を鑑みると決して高くはないのだ。
と、ここまで良いことづくめだが、もちろんデメリットもある。その第一はやはり吸い心地の軽さだろう。きついタバコに慣れてしまっている人には、これは大きなデメリット。あとはやはりキセルのような長い形状はそれなりに目立つ。喫煙所で注目を浴びたくない人にとってはこれは少々厳しいか。
◆フレーバーは3種類
「プルーム・テック専用たばこカプセル」は3種類。写真左からふくよかな香りのメンソール味の「MEVIUS Cooler Purple for Ploom TECH」、シャープなメンソールタイプの「MEVIUS Cooler Green for Ploom TECH」、レギュラータイプの「MEVIUS Regular for Ploom TECH」。メンソール中心で種類は少ないが、どれもクセのない味わいがMEVIUSらしいといえばMEVIUSらしい。
1箱につき、一個のカートリッジが付いてくる。
まとめ:「iQOS」以上の無臭化を実現。普段からライトなタバコを吸っている人なら自然と移行可能。匂いに悩む女性にもおすすめ
『Ploom TECH(プルームテック)』のメリットはまだある。それは臭いの問題だ。「iQOS」は匂い低減をうたっているが、独特の酸味のあるポップコーン臭がある。記者も周囲で吸っている人間がいればすぐわかるし、部屋に入ってきた妻にも一発でバレる。あの匂いが苦手という人も少なからずいるはずだ。
ところが『Ploom TECH(プルームテック)』は、ほぼ無臭の域に達する。VAPEと呼ばれる電子タバコでは当たり前のことなのだが、隣の席の人間にも気づかれないくらい匂いがない。その特徴は本人にもプラスに働く。「iQOS」ではそれなりに口の中に匂いが残るが、それもまたほとんどないのだ。もちろん服や髪に吹きかけたとしてもわからないほど、『Ploom TECH(プルームテック)』の匂いは無臭に近い。したがって匂い移りの心配なく、カバンなどに気軽に入れて持ち歩ける。
もっさりした印象のケースだが、予備のたばこカプセルを一緒に持ち歩きやすい。また「iQOS」と違い、吸殻が出ない。つまり灰皿が必要ないというアドバンテージは非常に大きい。
もちろんそうした状態なので、有害物質を含んだ副流煙の問題もほとんどない。「iQOS」は喫煙者と非喫煙者の妥協点だと以前の記事で書いたが、『Ploom TECH(プルームテック)』に至っては、非喫煙者に対する被害が皆無に近いのだ。
そもそもニコチンには習慣性は取り沙汰されることはあるが、タバコの害の主な要因はタール。タールこそが有害であり、肺を汚す犯人というのが定説だ。タールこそが喫煙者の歯を黄色くし、息を臭くし、周囲の人々の髪や服に匂いをつけ、脅威を与えるのだ。
だから節度を持った大人という前提はあるが、たとえ女性であっても『Ploom TECH(プルームテック)』なら適していると言える。周りに迷惑をかけない嗜好品として、リラックス効果は絶大。ストレスフルな現代に生きる人々にとっては欠かせないものであると思うのだが…。
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