東電の原発事故時手順書の”黒塗り”問題、枝野経産相「納得できる説明受けていない」
東京電力が、福島第1原発の事故時の手順書をほぼ黒塗りで提出した問題をめぐり、枝野幸男経産相は2011年9月13日午前の記者会見で、「私は納得できるような説明は受けておりません」と述べ、「国会関係者はもとより、国民の皆さんが納得できるような説明をする責任が東京電力にはある」と、東電に対して説明を求める姿勢を示した。
東電が黒く塗りつぶした資料は、福島第1原発1号機で深刻な事故が起きた場合の「1号機運転操作手順書(シビアアクシデント)」。東電は12日、衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会の求めに応じ、同手順書の一部を提示したが、目次の序文など50行のうち48行が黒く塗りつぶされていた。東電は、2日にも通常事故時の手順書を提出しているが、「知的財産が含まれる」などとして大半が黒塗りだったという。
枝野経産相は、この問題に対して記者から質問を受けると、「一定の公開について制約があることは十分承知している」と前置きした上で、「私は納得できるような説明は受けておりません」と発言。「黒塗りをして公表できないというのであれば、そのことについて国会関係者はもとより、国民の皆さんが納得できるような説明をする責任が東京電力にはある」と述べ、東電に説明責任があることを強調した。
■枝野経産相と記者とのやりとり
ニコニコ動画・七尾記者: ニコニコ動画の七尾です。東電がイノベーション推進委員会に提出しております、シビアアクシデントの対策手順書等の資料ですけれども、ほとんどが黒塗りになっておりまして、東電の情報開示のあり方に非難が高まっております。例えば、50行中48行が黒塗りになっています。この点についてのご見解と、今後電気事業法などの法的権限で、この黒塗りなどを開示されるお考えがあるかどうかお聞かせください。
枝野経産相: 少なくとも、なぜ提出できないかということについて、私は納得できるような説明は受けておりません。従って、もちろん企業の知的所有権の問題であるとか、一定の公開について制約があるとかいうことは十分承知しておりますが、もし黒塗りをして公表できないというのであれば、そのことについて当事者である国会関係者はもとより、国民の皆さんが納得できるような説明をする責任が東京電力にはある。今のところそれはできていないと思っています。
共同通信記者: 先ほどの東電の黒塗り文書の関係でお伺いしたいのですが、東京電力からは知的財産に関わるとか、核物質防護上の問題があるとか、あるいは社内文書であるから公開できないという説明を受けられて、大臣はそれが納得できないというふうにお考えなのでしょうか。
枝野経産相: まったくその通りでありまして、どの程度までどう説明できるのかということは、もちろん公開できない事情に関わってくるでしょうが、少なくとも現時点で聞いている理由では、説明が不十分であるというふうに思っています。
◇関連サイト
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http://live.nicovideo.jp/watch/lv63612631?po=news&ref=news#13:44
・[ニコニコ生放送]東電の手順書「黒塗り」について共同通信記者の質問から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv63612631?po=news&ref=news#19:44
(三好尚紀)
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