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フジテレビの韓国報道問題が「嫌なら見なければいい」では済まないワケ

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俳優の高岡蒼甫さんの『Twitter』での発言によって火がついた形になった、フジテレビの韓国報道問題について、ミステリー作家・深水黎一郎さんが同じく『Twitter』で「フジに不満をいだく側も、《ノーモア韓流》ではなく、《ノーモア偏向放送》というスローガンを前面に掲げるべき」と、日本のメディアをめぐる問題の本質をえぐるツイートを行い話題になっています。

フジテレビは、以前から日本対韓国のサッカー戦(2010年10月)を“韓日戦”と表現するなど、数々の韓国寄り報道が指摘されていました。7月23日に高岡蒼甫さんが行った「お世話になった事も多々あるけど8は今マジで見ない。韓国のTV局かと思う事もしばしば。」というツイートがこれほど大きな騒動に発展したのは、そもそもこのような背景があったためです。

しかし、問題はフジテレビが“韓国”に偏向していることにとどまりません。公共の電波を扱う放送局は、特定の国や商品、スポーツなどに偏向することも許されないはずだからです。これについて、深水黎一郎さんは8月13日に行った一連のツイートで、この騒動に関する議論を「今までわが国ではほとんどなされなかった、マスコミのあるべき姿」を問いなおすものにするための材料を提示されています。


まず、日本では「電波はみんなの共有財産であるはずなのに、我々一般国民は勝手に使うことができない状態」にあり、放送局は「国から認可を受けて電波を独占」していることを指摘。欧米には公共の電波は定期的に競売にかける“電波オークション制度”があり、メディアが電波使用権を継続するには落札する必要があり、また各国政府はこれにより大きな収入源を得ているという事例を紹介しています。

日本の場合は「政府による配給制で、テレビ局は大昔に認定された免許そのまま、おどろくほど安い使用料で電波を独占」しているというレトロな状況。深水さんは、「新規参入はほとんど不可能」である以上は広い公共性を持つべきであるとしています。この前提に基づけば、「どこかの国のプロパガンダのような番組」や「自社がオーナーになっているプロスポーツチームを応援する番組」を流すことにも「本来大幅な制限が加えられてしかるべき」だということになります。

8月7日には、お台場フジテレビ前で2500人(主催者発表)のデモが実施されるまでに騒ぎが拡大してもなお、現在までにフジテレビ側からこの件に関する正式な声明がされていないことに対して、「今回のフジは多くの視聴者が、それが洗脳レベルに達していると感じたから騒ぎになっていることを、フジの上層部は理解しているのだろうか」と、疑問を投げかけています。

テレビが公共の電波である以上、「嫌なら見なければいい」では済まない問題であるということを理解したうえでもう一度今回の騒動を見直せば、この国のメディアの抱える根本的な問題が見えてきます。そしてこの問題は、送電線独占により新規電力事業者の参入を不可能にしている電力業界の抱える問題にも通じるもの。“公共”のものをどう扱うのかというテーマは、今この国が問い直し議論すべき大きなテーマなのかもしれないです。
 
『Togetter』―フジテレビの韓流問題に関して テレビの偏向を叩くべき [LINK]
http://togetter.com/li/174135
 

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記者:

京都在住の編集・ライター。ガジェット通信では、GoogleとSNS、新製品などを担当していましたが、今は「書店・ブックカフェが選ぶ一冊」京都編を取材執筆中。

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