「足利・太田連続未解決事件」被害5家族が家族会を結成 事件の真相解明訴える
足利事件の被害者、松田真実ちゃん(当時4)の家族を含む、未解決の女児殺害・失踪事件の被害者5家族が2011年6月29日、事件の真相解明に向けて「足利・太田連続未解決事件家族会」を結成し、記者会見を開いた。この会見の模様は、ニコニコ生放送でも中継された。同家族会は5件の事件には関連があるとして、国や捜査機関に再捜査を働きかけていくという。
5件の事件は1979年から1996年までの間に、栃木県足利市と隣接する群馬県太田市で起きており、女児が失踪または殺害された。いずれの事件も半径20キロ圏内で起きており、5件のうち3件がパチンコ屋で誘拐され、また3件は河川敷で遺体が発見されるなどの類似性があるために、同一犯の犯行が指摘されてきた。2010年3月26日には、足利事件の犯人とされた菅谷利和さん(64)の再審無罪が確定。これにより、5つの事件が同一犯によるものである可能性も出てきた。
民主党の有田芳生参議院議員はことし3月8日、5つの事件には関連性があるとして、参議院予算委員会で質問した。これに対し、中野寛成国家公安委員長は同一犯による犯行の可能性について「否定できない」と答弁。菅直人首相も「同種事件を防ぐ意味からも、警察などがしっかり対応することが必要」と述べた。
これらの答弁を受け、太田市のパチンコ店で失踪した横山ゆかりちゃん(当時4)の父、保雄さん(44)がほかの家族に呼びかけ、家族会が結成されることになった。保雄さんは
「私たちとしては、同一犯の可能性が高いのであれば、徹底した捜査を検察、警察にお願いしたい。一人ひとりでは何もできないけれど、家族が一緒になれば動かないことはないと思ってこの会を立ち上げた」
と、家族会を結成した思いを語った。
家族会事務局長で大沢朋子ちゃん(当時8)の父、忠吾さん(65)は
「5件の事件に関連性があるのなら、もう一度警察には正義を見せてほしい。検察や警察には再捜査をしてほしい」
と訴えた。
この日の記者会見には複数の国会議員が出席。自民党の三原じゅん子参議院議員は「(事件を)風化させないこと。そしてこの事件をもう一度発信していくこと。このことに取り組んでいくことが、家族会の皆さまを支援することだと思っている」と、事件の真相解明を訴えた。
家族会は今後、事件の真相解明のため、国や捜査機関に再捜査を求めていく一方、署名活動やチラシの配布などを行う方針だという。
◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]「足利・太田連続未解決事件家族会」結成記者会見 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv54808274?po=news&ref=news
(三好尚紀)
【関連記事】
羽賀研二氏の事件に元”暴言”検事「よくこんなもの起訴したな」
再審無罪が予想される「布川事件」 事件から44年 「冤罪」被害者は何を語る?
「痴漢容疑の警視庁取り調べは違法」 息子を失った母、東京都を提訴へ
布川事件の桜井氏「検察側が無実につながる証拠を隠した」
いかにして「暴言検事」は生まれたか(1) 「生意気な被疑者は机の下から蹴るんだよ!」
ウェブサイト: http://news.nicovideo.jp/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。