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必要なものがきちんと届く仕組みを ボランティアが見た避難所生活

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 東日本大震災の被災者を支援する団体が2011年4月7日、被災地・宮城県南三陸町歌津地区で行ったボランティア活動の報告会を開催した。避難所の人たちにボランティアが受け入れられるための工夫や、避難所の状況について、現地に行ったスタッフが語った。

 報告会を開いたのは、「ビジョン東日本サポートネットワーク(ビジョンネット)」。貸し会議室事業などを展開するビジョンオフィス代表取締役の上原一徳氏らが中心となって設立した団体だ。メンバーには、下水汚泥から固形燃料を作る技術を持つバイオソリッドエナジー社がある。震災後、宮城県の要請を受けてこの技術を活用したボイラーを南三陸町に設置したことがきっかけとなり、ビジョンネットは現地で3月30日から4月6日までボランティア活動を行った。

■ 避難者が欲しいものを言い出せる工夫を

 ビジョンネットが主に活動したのは、歌津地区にある歌津中学校。物資などを求めて昼間だけ自宅から通ってくる人も含め、ここに避難しているのは「3月末時点で200~300人程度ではないか」(上原氏)という。被災者は体育館や廊下などで寝泊まりしている。

 上原氏はまず、被災者のニーズを知ろうとヒアリングを始めた。しかし、何が欲しいかと聞いても、「別に…」と言葉を濁す人が多かったという。知らない人への警戒心や、必要なものを伝えたところですぐに届けてくれるかわからないという不安から、口を閉ざした人が多かったようだ。

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 そこで上原氏は、自分たちが配れる物資のサンプルと名前が書き込める用紙を並べて、1人2個まで名前を書いてもらい「欲しいものリスト」を作った。そしてそれを元に翌日、車で1時間ほど離れたところにあるスーパーで必要なものを調達した。被災者から人気があったのは、意外にも風邪薬や胃腸薬などの薬品だ。避難所には救護班が控えており、そこで薬をもらうこともできる。ただ、人目につく場所にあるため気軽に立ち寄ることができず、少し体調が悪いくらいでは我慢してしまう人が多いのだそうだ。上原氏は、「救護班は、普段は皆から見えない場所に置かないと、体調が悪くなっても言い出しにくいのでは」と指摘した。

■ “避難所”とひとくくりにできない

 ビジョンネットは南三陸町にある避難所を計3カ所回り、施設によって置かれている状況がまったく違うと感じたという。町の拠点にもなっている総合体育館「ベイサイドアリーナ」では1,000人以上が避難生活を送っている。支援物資の集積所になっているためものは多く、自衛隊が設置したお風呂があるほか、炊きだしも行われている。ただ「遺体安置所も併設されているため、どことなく暗い雰囲気がある」(上原氏)とのこと。

 一方、総合体育館から10キロほど離れた場所にある総合スポーツ「平成の森」では、130名ほどが避難している。ここは宿泊施設を備えており、10~15名で1つの部屋を利用している。自治会長や施設の管理人などもおり、「まるで合宿のような良い雰囲気があり、チームで自治ができている」と上原氏は感じたという。

 歌津中学校も含め、これらの3カ所は10キロ内の近い距離にあるが、上原氏は「雰囲気も必要なものもまったく違う」と話す。さらに、避難所間の連携や情報共有が薄いことも課題になっていると話した。

■ 上原氏「どんどん現地に行って会話して」

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 現地の物資は、ビジョンネットが活動を始めた3月末に比べると増えてきているという。たとえば上原氏らが到着した3月30日の時点では被災者は1日2食しか食べられないこともあったが、状況は改善されてきた。また、ガソリンも手に入れやすくなっている。ただ、流通に課題があり、歌津中学校には新品の毛布が使われないまま山積みになっているなど、必要なところに必要なものが行き届いていないのが現状だ。

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