まるで牢獄? 112個もの監視カメラが設置された学校

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  「誰かに見られている」という感覚は、心地よいものではない。私たちが「監視カメラ」というものの存在にほとんど反射的な居心地の悪さを覚えるのは、無機質な視線にさらされることによって、己の一部が侵略されていくような気分になるからではないだろうか。街角やコンビニに設置されているだけならばそれほど気にならないかもしれない。だが、その場所が「学校」で、しかも「112個」ものカメラに囲まれるとしたらどうだろう。イギリスには実際そんな学校があるそうだ。あなたならば、そんな場所で気持ちよく学べるだろうか? 

 イギリスのデイリーメール紙に取り上げられたのは、イングランド中部・コヴェントリーにある中等学校。11歳から18歳の生徒1090人が学ぶこの学校には、建物外に33個、建物内に79個、計112個もの監視カメラが設置されている。「多発する不法侵入と窃盗を防止するため」というが、比率としては「生徒10人に1つ」の監視カメラが設置されているということで、保護者や人権団体からは非難の声が寄せられている。

 2人の子の父親であるダン・オースティンは、「こんなにたくさんのカメラを置くなんて馬鹿げているし、不必要だよ。どんな親だって、子どもたちには学校で安全に過ごしてほしいと思ってるけど、これは明らかにやり過ぎだ。まるで、子どもたちをハイ・セキュリティな牢獄にでも送ってる気分さ」と話す。また、市民権運動団体のダニエル・ハミルトンは、「学校ならば、生徒をスパイするより、生徒の教育にお金をかけたほうが賢明なんじゃないかな」と指摘している。

 しかし学校長は、防犯設備は生徒らの安全のために必要だと主張。「カメラは廊下とか敷地内の周りといった要所にしか設置してないわ。トイレとか更衣室には、カメラはないのよ」と反論している。

 デイリーメール紙のコメント欄には、「いくつかのカメラならいいよ、どんな学校にもあるからね。でも112個? 馬鹿げてる」「学校なの? 牢屋なの?」「隠さなきゃいけないものがある奴だけが、これに反対するのさ。この学校はよくやってる」など、賛否両論が集まった。なかには、不法侵入などの防止ではなく、いじめ防止に役立つのではと期待する声も見られた。

【関連サイト】
Big Brother High: School with 112 CCTV cameras – that’s one for every 10 pupils – Mail Online 学校の話題を報じた英メディア

(古川仁美)

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