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国際協力の仕事を目指す人へ

Tokyo Life

今回はKenさんのブログ『Tokyo Life』からご寄稿いただきました。

国際協力の仕事を目指す人へ
国際協力の仕事をしたい、という若い人の話を聞くこともそれなりにあったりしまして、そういう人たちに説教を垂れる、というようなことはやりたくはないんですけど、でも、毎回同じような話をしてばかりいるので、思うところをちょっと書き残しておこうと思います。

まずね、大学なり大学院なりを卒業してすぐ“国際協力の仕事”を得るのは、そう簡単じゃないですよ。日本全国の大学に、国際関係学科、開発経済学科、国際教養学科とかいう学科はたくさんあって、さらには政治学や経済学の方面から途上国開発の業界に興味をもってくる人もいる。毎年、「国際協力の仕事ができたらなぁ」という卒業生は、きっと数千人はいるんです。多く見積もれば万の単位に乗るかもしれない。

だけど、みなさんが真っ先に思いつく、例えば独立行政法人国際協力機構(JICA)の新卒採用数は毎年30人とか40人とか。その他に将来にわたってちゃんと生計をたてられる“国際協力の仕事”は、新卒の人々に対してはほとんど門戸は開かれていないですよ。あとは、薄給で若い間しか勤まらない非政府組織(NGO)や、原則2年の青年海外協力隊とか。就職希望者数に対して、圧倒的に枠が小さいです。

じゃあ、その他の“国際協力の仕事”ってどこにあるのか。

それは、開発コンサルタントであり、国連など国際機関の職員であり、国際NGOの職員であり、各種の国際協力専門家の稼業です。そこで求められているのは専門性を持ったプロなのです。「途上国の困窮している人を救う仕事がしたいのです」という清い心だけでは勤まらない仕事ばかりなのです。逆に言えば、プロであれば“国際協力の仕事”を得るチャンスは広がる。

いい例なのは、青年海外協力隊の採用状況ですよ。協力隊はいろんな職種が募集されているんですけど、“理数科教師” “農業” “情報技術”といったような職種は途上国側から要請が多いのに応募数が少なくて、もしあなたが応募すればきっとかなりの確率で採用されますよ。他方、“村落開発普及” “青少年活動”とか、一見専門性がなくても気合いや日本人としての常識で勤まりそうに見える職種は大変な競争倍率になっています。で、実際に採用されている人には、イギリスに留学して開発学を勉強してきましたとか、過剰に優れた経歴の人がいたりするんです。

あるいは、特定の専門技術をもっていれば、英語がそこまで得意じゃなくても「途上国の人々を救う仕事をしてほしい」というオファーは向こうからやってくる。医者や看護士などは最たる例ですが、そこまででなくても、例えば送電網設計、上水道漏水対策、システムエンジニア、灌漑(かんがい)農業、HIV/AIDS対策、廃棄物処理、道路設計、教師……、なんらかの“手に職”があれば、“国際協力の仕事”がめぐってくることは多いです。手を挙げれば、ぜひ行ってくれ、となることも多い。だから、“国際協力の仕事”を目指すにしても、まずなんらかの専門性を身につけることの方が先だと思うんです。急がば回れ、の格言どおりですよ。“国際協力の仕事”の内定もらうには、運もよくなくちゃ受からないような国際協力機構や、若者の善意を買いたたいて善意を押し売りしているNGOを目指すのもいいけれど、もっと広い視野で仕事探しをした方がいいと思うんですよね。

そして、実は、なんだかんだ言っても途上国の人々の困窮を救うのは、経済、もっといえばビジネスであるというのが現実だったりします。“国際協力”を看板に掲げている人たちの活動よりも、そこに工場が進出してきたり、新しい商売が生まれたりした方が、現地の人々の生活に余程プラスだったりするんです。国際協力だといって援助をするよりも、金もうけを覚えてもらうことの方が、経済開発には大事だったりする。

だから、“国際協力の仕事”を目指す人には、純粋に“国際協力”を掲げているところばかりを探すのではなく、民間企業の活動だって途上国の人々の生活向上にものすごく貢献している、ということを忘れないでほしいなと思うんです。そして、なんらかの専門性を持つことを目指すのをお勧めしたい。肩肘張って“国際協力”と言わなくても、あなたの日々の仕事が途上国の困窮を緩和することに役立っていることも多いだろうと思ったりするのです。

*   *   *

繰り返しですが、国際協力の現場で求めれらているのは、なにかの“プロ”です。

国際協力機構や国連機関は「途上国の困窮している人を救う仕事がしたいのです」という気持ちが純粋であれば純粋であるほど、心が折れそうになる官僚的な職場だとも聞きますし、“国際協力の仕事”がしたいとは結局どういう仕事がしたいのか、冷静に落ち着いて考えてみられるとよいと思いますよ。要は、困窮している国の人々の暮らしに役立つ仕事、であり、それは自分の専門性をもって貢献する、ということで実現されるのではないでしょうかね。

少なくとも、“国際協力の仕事”は、大学の3年から就活をすれば内定をもらえる、というところにはあまり落ちてないと思いますよ。

執筆: この記事はKenさんのブログ『Tokyo Life』からご寄稿いただきました。

文責: ガジェット通信

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