ゲーム攻略本を作るには最低3名が必要
大手の出版社はこの例ではありませんが、小さな出版社や編集プロダクションではゲーム攻略本1冊につき、1名のライターと1~2名のゲーマー、そして1名の編集者がチームになって記事を作成します。ビッグタイトルじゃない限り、コストダウンのためにライター1名にゲーマー1名、そして編集者1名というのが基本です。
まずはライターと編集者がゲームのボリュームがどれくらいのものなのかをチェックします。メーカーからもらったデータと、実際にゲームをプレイして得た感触から、どれくらいの作業量が必要なのかを把握します。期日までに作れそうにない場合は、ゲーマーを増やして2名にすることもあります。
まずライターとゲーマーで一通りゲームを最後までプレイし、最終的に何ページの攻略本に収める事ができるのかを話し合います。攻略本に限らず単行本は16ページ単位でページを増やしていくのが常識なので、ゲーム内容が濃いものでなければ128ページほどの攻略本になりますし、192~224ページあたりが普通サイズの攻略本という感じです。
ビッグタイトルを徹底攻略したゲームは膨大なデータ量になりますので、320ページだったり、448ページだったりすることもあります。500ページくらいのレベルになると、ライター5名にゲーマー10名なんてことも普通にあります。そうなるとそれだけコストがかかりますが、それだけ売れると見込まれている攻略本でしかそのような人数で作りませんので、大人数でも赤字にはならないでしょう。
ゲームを一通り遊んで攻略情報や盛り込む内容がだいたい見えてきたら、ラフを書きます。ラフはページの大まかなデザインです。どの情報を何ページに掲載し、どのように写真と原稿を掲載していくかなど、細かい作業になります。この時点で、文字数や写真枚数がほぼ決定します。ラフができたら編集者がチェックし、デザイナーにページをデザインしてもらいます。
あとはライターとゲーマーがゲームを進め、データをチェックし、攻略情報をまとめていきます。ゲーマーはライターの指示のもと、必要なデータをゲームをやり込んで調べるのです。ゲーム画面の撮影のときだけに撮影スタッフとしてくわわる人もいますが、それは稀です。
つまり、直接ゲームに触れないデザイナーを抜かせば、ゲーム攻略本のスタッフはライターとゲーマー、そして編集者の3名が最低必要という事になります(異例ですが編集者がデザイナーをやっているところもあります)。場合によってはライターがゲーマーを兼ねて編集者と2名だけで作ることもありますが、最近のゲームは内容が濃いものが多いので、2名で作れてしまうゲームは少ないのではないでしょうか。
イラスト原画: まそ先生(2ch全AAイラスト化計画)
筆者紹介
apo mekhanes theos:
ゲーム系出版社で雑誌やムックを担当。退職後、フリーランスライターとしてゲーム関連雑誌・書籍に携わり、パソコンやコンシューマーゲームのシナリオなども執筆(任天堂64DDの公式定期刊行紙を書けたのがいまだに嬉しい)。現在はインターネット媒体をメインにIT記事を執筆している。
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