<在日外交官のお宅拝見>粗大ゴミすらアートに!フランス流インテリア
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外交官と言えば、自国だけでなく諸外国での生活経験も豊富。さまざまな住文化に触れた人が日本では、どのようなインテリアや暮らしをしているのだろう。日本に在住する外交官のお宅を訪ねてみる事にした。『C’est la vie(これが人生)』フランス人の住まいへのこだわり!
取材させていただいたのは、フランス大使館で経済関係をご担当のPascal Furth(パスカル・フュルス)さん。
日本でのお住まいは東京都品川区のマンション、外国人用では無いが3LDKで177m2とナカナカ普通では無い物件(お一人住まいというので、尚更ビックリ!)
「ここに決めるまでに、30物件以上見学しましたよ」と、自分の足で住まい探しをしたと教えてくれたPascalさん。大使館が用意してくれるものだと思っていた私が驚くと…
「私にとって家は本当にリラックスできる場であることが、生活そして人生にとって大変重要。住まい探しは人任せにしませんし、妥協もしません」
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【画像1】多国籍の家具とアートがPascalさんの感性で調和した、リビングルームでお話を伺う。80m2もの広いガーデンバルコニーに面しているので、都心の1階なのに明るく開放的(写真撮影:藤本和成)
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【画像2】こちらのお住まいは3年目。今まで本国フランス以外に、タイのバンコクに6年、香港に4年赴任。日本では学生時代を博多で、大阪の領事館も経験しているアジア通のPascal Furthさん(45歳)(写真撮影:藤本和成)人を招く事が前提、外交官のオン/オフ・ライフ
住まい選びの際、建物は近代的でも伝統的(古民家など)でも良かったらしく
こだわった条件は天井が高い事、リビングが広い事、そしてキッチンは、仕事関係者との食事会を自宅でする事もあり、オープン型でなく独立型を希望。
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【画像3】この玄関を入った瞬間に気に入ったという、リビングへ続く廊下。奥のガーデンから光が差し込む。
アジアン・アートの中に床に置かれた和太鼓発見。ナント昔、粗大ゴミで見つけたものらしい!(写真撮影:藤本和成)
一番難しかったのは「欧米では当たり前の、ベッドルームにバストイレが付いている物件が少ない。知人を泊める事も多いので、2バスルームは必要なのです」
確かにトイレ2つ物件は多いが、バス2つは二世帯住宅くらいなのが日本の住宅事情。このお宅はメインのバスルームと、15畳のベッドルームにバス・トイレが付いていて合格。学びたい!カラーコーディネートとインテリアテクニック
Pascalさんのインテリア・デコレーションのセンスの良さに、何か参考にしている雑誌でもあるのか尋ねたら
「特に無いですが、家具屋やギャラリーを見て回るのが好きですね」と、旅先や赴任地で見つけた小物の国籍を次々と教えてくれた。
それぞれ国や時代が違う物を巧くコーディネートする術は、「いくつか色を決める事」。
Pascalさんのインテリアテクニッックを教えてもらった。
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【画像4】赤と黒をテーマカラーにしたシーン。窓際にタイや日本の小物、手前には同じく赤が入ったドイツのスツール。色によって生まれる統一感(写真撮影:藤本和成)
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【画像5】タイの仏具・食器に合わせ和漆器の黒いお椀も並ぶ。手前の壷はイッセイ・ミヤケのデザイン、版画や本も赤×黒でそろえる(写真撮影:藤本和成)
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【画像6】こちらは客室、オレンジ&ブルー&ブラック。このスクリーンはIKEAで買い、自分で切ってサイズ合わせしたそう。DIYもお手の物!(写真撮影:藤本和成)
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【画像7】コンソールテーブルを窓に沿って置かず、敢えて斜めに置く。それだけで、子どもの勉強机風でなくオシャレなホテル風に、流石!なテクニック(写真撮影:藤本和成)マルチ・カルチャーを楽しむのもフランス流
メインベッドルームの窓には日本の簾(すだれ)、その前に並ぶのは東南アジアの仏像アート。衣装箱は黒塗りのアンティーク、こちらも多国籍なインテリア。
「この衣装箱、これも日本の粗大ゴミ。すごいでしょ(笑)」立派な塗りの箱、内側には古い漢文と刻印が…本当に侮れない、日本のゴミ!
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【画像8】グレーをメインにしたナチュラルカラーの寝室は、和洋折衷でも落ち着いた空間に(写真撮影:藤本和成)
Pascalさんが特に好きなのは「日常的な道具。美しい形のものが多いのです」と、焼き物の棚を紹介してくれた。
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【画像9】リビングルームのオープンシェルフには素焼きのポット類が並ぶ。
「タイの家庭で実際に使われていたポット、すすけている所が良いでしょ」
中に混ぜて日本の陶器も置く、マルチ・カルチャー・ミックスがフランス人らしい(写真撮影:藤本和成)
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【画像10】80m2ほどあるガーデンテラス。モダンなアウトドア・ファニチャーの側には日本の火鉢や下駄、フランス人のesprit(エスプリ・知性/感性)を感じた(写真撮影:藤本和成)
お宅を拝見して思ったのは、フランスは移民を受け入れた多民族国家なので、他文化を受け入れる感性が日本人より豊かなのかも知れないと。そして、他文化を愉しむのは、自国の文化を理解しているからこそできる事。
Pascalさんの育ったフランスの実家は「コテコテのクラッシック家具(笑)お城にありそうなロココ調の猫足とか装飾系」フランス伝統のインテリアで育ったから、他文化への興味関心も高まった。
私たち日本人はもう少し和の伝統様式を見直さなければと反省…まずは、粗大ゴミチェックかな?!
元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/03/20/79914/
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