北陸新幹線開業で盛り上がる金沢の地価、今後はどうなる?
金沢駅西口の地価が全国トップの上昇率に
来る2015年3月14日、いよいよ北陸新幹線が金沢駅まで開業する。開業を控えて沿線地域は盛り上がっているようだが、最も熱いのは不動産市場かもしれない。特に東京駅からの所要時間がこれまでより最大で1時間23分も短縮される金沢駅では、駅周辺の開発が急ピッチで進められている。
開発の進行にともなって地価も急上昇中だ。2014年7月1日時点の基準地価では、金沢駅西口の広岡1丁目が前年比15.8%(27.2万円/m2から31.5万円/m2に上昇)と、商業地で全国トップの上昇率を記録した。金沢市の中心部でも、香林坊2丁目が3.6%、大手町が1.4%など軒並み上昇しており、同市では20年以上にわたり下がり続けていた地価に下げ止まりの動きが見られ、全用途で22年ぶりに横ばいとなっている。また住宅地でも野々市市が石川県内で唯一0.2%上昇した。今、最も急ピッチで開発が進む金沢駅西口エリア
金沢市は古くから金沢城跡や兼六園などを中心に街が栄え、香林坊や武蔵町など、金沢駅の東側に商業施設や行政機関などが多く立地していた。近年では駅の東口周辺もホテルなどが立ち並び、東口駅前の本町2丁目が市内の商業地では最も地価の高い地点となっている。
だが、中心部や駅東口は開発余地が限られることもあり、今、最も変貌を遂げつつあるのが駅の西口周辺だ。2014年3月に西口のバスロータリーが完成したのをはじめ、地元の北國銀行が本店を移転したほか、商業ビルやホテルなどの開業が相次いでいる。今回、上昇率トップとなった広岡1丁目は駅西口の駅前に位置し、2012年に地価が上昇に転じて以来、3年連続で上昇と勢いが止まらない。新幹線開業による地価へのインパクトは今後も続く!?
なかには今回の地価上昇を、北陸新幹線開業というイベントによる一過性のものとする見方もある。たしかに西口エリアなどの急激な地価上昇はやや過熱感を帯びており、開発が一段落すれば沈静化する可能性はあるだろう。だが、地価の上昇傾向そのものは今後もしばらく続くと考えてよさそうだ。というのも、新幹線開業がもたらす地域経済へのインパクトは決して一時的なものではないからだ。
最近では九州新幹線の例に現れている。同線が開業した2011年3月当時はリーマンショックから抜けきれずに経済が低迷していたこともあり、福岡市をはじめ沿線の地価は軒並み下落が続いていた。だが開業後の同年7月時点の基準地価では、福岡市の博多駅周辺や熊本市などで地価が上昇に転じる地点が登場。福岡市全体では2013年に住宅地・商業地とも基準地価が上昇に転じ、2014年は上昇率が拡大しているのだ。人口増加率全国トップの野々市市は住み心地もトップクラス!?
新幹線の開業で今後も地価の上昇が見込まれる金沢市だが、住み心地という点ではどうなのだろうか。ここでは石川県内で唯一、住宅地の地価が上昇した野々市市にスポットを当ててみよう。金沢市に隣接する同市は県都のベッドタウンとして発展し、少子化のご時世にあって人口が着実に増えている。総務省のデータでは人口増加率が全国の市でトップという輝かしい実績を上げているほどだ。
そんな野々市市にUターンして26年間お住まいの田辺さんは、地元の魅力について次のように語ってくれた。「市内にはスーパーや飲食店などがコンパクトに集約されており、日常生活がとても便利です。川沿いに自転車道路が整備されていて、車を気にせず街の中心部のどこにでも行くことができるのもうれしいところ。住宅街には田畑が残り、大きな公園も多いので子育てには最適でしょう。子どもの数は増えており、小学校では教室数が足りなくなって増築しているほどですから。金沢駅まではJRなら10分弱で行けて、バスも夜遅くまで走っているので、通勤にも便利です」
注目度が高まる金沢市や周辺エリアで住まいを探すなら、地価が上昇し始めたばかりの今が狙い目なのかもしれない。
元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/03/13/79855/
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