SEBASTIAN X、メジャー・デビュー後初の東京単独公演は2時間半の大ボリューム——OTOTOYライヴ・レポート
SEBASTIAN Xが、メジャー1stミニ・アルバム『イェーイ』のレコ発ツアー・ファイナルとなるワンマン・ライヴを、11月28日に東京キネマ倶楽部で開催した。会場には、バンドのメジャー・デビューを祝おうと多くの人が駆けつけ、新曲の披露やアルバム発売&初のホール単独公演発表などもあり、終始ハッピーな空気に包まれたライヴとなった。
場内が暗転すると、まずは飯田裕(Ba)が颯爽とステージに現れ大きくジャンプ、両手をあげて客席の歓声に応えた。続いて沖山良太(Dr)、工藤歩里(Key)も登場すると、楽しげな曲を3人で奏でる。それにあわせて客席は手拍子。すると一段高いステージに眩しい黄色のドレスに身を包んだ永原真夏(Vo)が「みんな元気ー?」と笑顔で登場、「ROSE GARDEN, BABY BLUE」からライヴはスタートした。永原がステージ中央の定位置に戻り、観客が一斉にステージへと手を伸ばした「サディスティック・カシオペア」、「夢を追いかける歌」という「光のたてがみ」などアップ・テンポの曲を立て続けに披露し早くも場内を熱狂させた。「持ち曲の中で一番『イェーイ!』という回数が多い」という「MIC DISCOVERY」では、メンバーと客席が一体となってコール。「みんな歌ってくれるー?」という呼びかけからはじまった「ツアー・スターピープル」では、オーディエンスの歌声が響き、飯田も顔をくしゃくしゃにしながら熱唱した。
ここで永原が「ただいま東京! SEBASTIAN Xです!!」とあいさつ。「先月メジャーデビューしました!」と告げると、客席から大きな拍手が贈られた。また、この日はステージの天井から多くの花が吊るされており、それはツアー各地で購入したものであることが明かされた。永原の「今日は新旧いろんな曲をやります!」という言葉を合図に、ライヴは中盤へと突入。大人っぽい雰囲気の「スピカ」、彼らの中では珍しい少しダークなアレンジの「ぼくはおばけさ」、飼い猫のことを歌った「日向の国のユカ」、永原の振り絞るような歌唱が印象的なミディアム・テンポの「若き日々よ」など、バンドの幅広い世界観を披露した。
沖山が軽快なリズムを刻むと、ここで小池隼人(トロンボーン)、amagon(トランペット)、永田こーせー(サックス)によるスペシャル・ホーン隊「オーライブラス」が登場。永原が「この編成でスペシャルな曲をやりたいと思います」と告げると、ここからしばらくはホーン隊を含めたこの日だけの特別編成で演奏された。ゴージャスなアレンジに生まれ変わった「世界の果てまで連れてって!!」では、飯田がホーン隊と向き合って演奏したり、隣に並んで演奏したりと、メンバーも楽しんでいる様子。バラードの「ハムレット」では、永原が再び上段のステージに上がり、スポット・ライトに照らされながら椅子に座って歌う。工藤の美しい鍵盤と、ブルージーなホーンの音色がしっとりとしたムードを演出した。
永原が「私、なにしに来たと思う? たったひとつ、遊びに来たんだよ!」と言い放つと、再びライヴは勢いを増していく。ミラー・ボールがまわる中で演奏された「ヒバリオペラ」では、その場でお客さんやメンバーに内容を募って「スカイツリー、カレー、オーライブラス、飯田」というこの日限定のコール・アンドレス・ポンス。「スーダラ節」では、酔っぱらい風の永原が工藤やホーン隊に歌いながら絡み、飯田は突然取り出した一升瓶を豪快に直飲み。場内はお祭りムードに包まれた。オーライブラスの参加はここまで。再び4人でメジャー・デビュー作の表題曲「イェーイ」を力強く演奏。曲中に金色の紙吹雪が舞い落ち、ハッピーな空気で本編は終了した。
アンコールでは、缶ビールを持った飯田が、登場するなり客席に絶叫。永原が「なんて言ってたの?」と訊くと、飯田が「ありがとうだよ」と答えると、場内は暖かい空気に包まれる。メンバーが揃うと、永原が客席に話しはじめる。「メジャーデビュー作『イェーイ』をリリースしてまだ1ヶ月しか経っていませんが、いろんな気持ちがあります。それを今日は歌に込めて、こうしてみなさんに聴いていただけてうれしかったです」と感謝の気持ちを伝える。そして「私たち、もうすでに新作を作りました!」と、来年の2月11日に早くもメジャー2作目のミニ・アルバム『こころ』をリリースすることを発表。さらにその新作を携え、4月15日に渋谷区文化総合センター大和田・さくらホールで初のホール・ワンマン・ライヴを行うことを発表すると、客席から喜びの歓声があがった。
そして、この日初公開という新作の表題曲「こころ」を演奏。自分自身に問いかけるような歌詞と美しいメロディ、まっすぐで疾走感のあるサビが印象的な、バンドの新たな側面を感じる曲だ。続けて「みんなのハートに怪獣はいますか?」という問いかけからはじまった「GO BACK TO MONSTER」では、曲中に飯田が缶ビールを飲み干すと、マイクをくわえて叫び声をあげる。永原も精一杯手を伸ばしながら、マイクを客席に向けた。2度目のアンコールでは、飯田が地を這うように登場。かなり酔っているのだろうか…(笑)。永原が「ありがとうございました」と感謝を伝えると、ステージをまばゆい光が包み「DNA」がはじまる。観客ひとりひとりに届けるようにエモーショナルな歌を聴かせると、観客も精一杯ステージに手を伸ばして応えた。最後に永原がもう一度、「みんな大好きだよ! バイバイ!!」とあいさつすると、約2時間半の大ボリュームなライヴは幕を降ろした。
メジャー・デビュー後、初の東京でのワンマン・ライヴということで、客席からの期待感を大きく感じた。それに応えるような、新旧を網羅したセットリストと気持ちのこもった演奏、そして新たな側面を提示した新曲。特に永原には、ヴォーカリストとしての圧倒的な力強さをこれまで以上に感じた。そんななかでも、飯田のこれまでどおりの自由なパフォーマンスには安心感があった。初のホール・ワンマンとなる次回の公演では、どんな景色を観せてくれるのか。さらに期待がふくらむライヴとなった。(前田将博)
〈SEBASTIAN Xワンマンツアー2014〉
2014年11月28日(金)東京キネマ倶楽部
1.ROSE GARDEN, BABY BLUE
2.サディスティック・カシオペア
3.光のたてがみ
4.MIC DISCOVERY
5.ひなぎく戦闘機
6.ライダースは22世紀を目指す
7.ツアー・スターピープル
8.スピカ
9.ぼくはおばけさ
10.ラブレターフロム地球
11.F.U.T.U.R.E
12.日向の国のユカ
13.若き日々よ
14.つきぬけて
-ホーン隊入り-
15.世界の果てまで連れてって!!
16.GOOD MORNING ORCHESTRA
17.ハムレット
18.ワンダフル・ワールド
19.ヒバリオペラ
20.スーダラ節
-ホーン隊はけ-
21.イェーイ
En1.
1.こころ(新曲)
2.GO BACK TO MONSTER
En2.
1.DNA
・SEBASTIAN X Major 2nd Mini Album『こころ』
発売日 : 2015年2月11日(水)
詳細後日発表
〈SEBASTIAN Xワンマンライブ2015春(仮)〉
2015年4月15日(水)渋谷区文化総合センター大和田・さくらホール
詳細は後日発表
・SEBASTIAN Xの音源はOTOTOYで配信中
http://ototoy.jp/them/index.php/31666
・SEBASTIAN X オフィシャルサイト
http://sebastianx.info/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。