外国人観光客の心をつかんで離さない秘訣

外国人観光客の心をつかんで離さない秘訣

訪日外国人客数、過去最高。観光客にリピートしてもらう努力を

日本政府観光局によると、1月~10月累計の訪日外国人客数が推計で過去最高の1100万9000人だったと発表されました。政府は東京五輪が開催される20年に向け、訪日客2000万人を目標に掲げており、10月から訪日客への消費税免税対象品目を拡大するなどして、訪日客を増やす施策も実施しています。

これをビジネスに置き換えると、「集客に成功している状況」ということがわかります。ですが、集客することよりも、それを維持することの方が重要であるということを忘れてはいけません。集客に成功しても、顧客を維持できない、つまりリピートしてもらえなければ、一過性のものとして終わってしまうからです。

そうすると、政府の施策や外国為替の影響(円安・円高)といった、個人ではどうにもできない要因で集客状況が変わってしまうため、外部要因に振り回され続けることになります。そうならないためにも、観光客向けにサービスを提供している当事者が、独自に観光客にリピートしてもらう努力が必要になってきます。

外国人観光客の心をつかむには、五感を刺激することが大切

では、外国人観光客にリピートしてもらうためにはどうしたら良いのでしょうか?シンプルに言えば、外国人の心をつかむことです。

外国人に限らず、観光客が観光地に訪れる目的は、その地域の文化に触れるためです。多くの場合、その方法が建物や景色といった、景観を「見る」ことに頼っています。そのため、一度見たら満足してしまい、再び訪れようとは思わない人が一定数出てきます。そういった人の数を減らすためには、「もっと知りたい!」と興味を持ってもらうことです。

外国人の心をつかみ、興味を持ってもらうためには、見るだけでなく伝える。伝えるだけでなく触らせる。触らせるだけでなく味わわせるなど、視覚以外の感覚を刺激すること、つまり、五感を刺激することが大切なのです。

SNSを活用した定期的な情報発信で忘れられない存在に

また、外国人の心をつかむためにもう一つ重要なのは、外国人観光客とのコミュニケーションを取り続けることです。ネットワークが発達したおかげで、現在では国籍に関係なく、簡単にコミュニケーションが取ることができます。最近であれば、FacebookなどのSNSを活用して観光客とつながりを持ち、定期的に情報を発信していくことで、観光客にもう一度利用してもらう機会を作るということもできます。

これは、ただ「Facebookを使いましょう」ということではなく、顧客とコミュニケーションをとって、「また会いたい」と思われる存在になること、つまり、忘れられないようにすることが不可欠なのです。なぜなら、顧客がリピートししない最大の原因は、忘れられてしまうことだからです。どんなに良い商品やサービスを提供していても、その後、何も関わることがなければ、他の商品やサービスの情報に埋もれてしまい、自然に忘れられてしまいます。

観光客に「もっと知りたい!」と興味を持ってもらい、そして、定期的に観光客とコミュニケーションを取って、観光した思い出を甦らせたり、文化への興味を刺激したりすることが、外国人に限らず、観光客の心をつかむために大切なのです。そういった活動を通じて、もう一度観光にやってくるきっかけを作ることが、リピーターを増やす上で重要な活動といえるでしょう。

(伊藤 伸朗/集客・顧客情報活用コンサルタント)

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