困難をチャンスに変え、人の幸せのために尽くす ― 医院経営から地域と人の未来づくりへ

チャレンジ精神と前向きな姿勢で、多岐にわたる事業を展開する株式会社ジャパンウーマンソサエティ。同社代表取締役の横山実代氏は、製薬会社のMRからキャリアをスタートさせ、赤字経営の医院再建、医療法人化、そして地域活性化事業と、次々と新しい挑戦を成功へ導いてきた。「できない」という言葉を決して口にしない横山氏の生き方は、周囲の人々を勇気づけ、新たな可能性へと導いている。人との出会いを大切にし、誰もが幸せになれる社会を目指す横山氏に、その歩みと思いを聞いた。
MRから開業医の妻へ。赤字経営からの再建で培った経営手腕

薬学部を卒業後、外資系製薬会社でMRとして勤務していた私は、「頼まれごとは試されごと」を信条に、どんな依頼も引き受けていました。その姿勢が、現在の夫との出会いにもつながりました。お得意様に誘われ、未経験ながら医師のテニスサークルに参加した際、夫と出会いました。
その1年後に結婚。好きだったMRの仕事を辞めた私を待っていたのは、厳しい現実でした。夫が義父から継いだ医院は深刻な赤字経営。月末には事業用通帳の残高が限りなくゼロに近づき、診療報酬の入金を待つ日々が続きました。さらに、厳しい義母との生活も始まり、逃げ出したいと思うこともありました。しかし、妊娠をきっかけに、医院の立て直しを決意します。
夫は患者さんの対応に優れ、医師としての腕も立つ。それなのに患者さんが少ない原因は、建物の老朽化と知名度の低さにあると見極め、移転開業を決断。新たな地で再スタートを切りました。
移転後は患者目線のサービス改善とスタッフの意識改革を徹底的に進めました。特に心がけたのは、「自分が患者だったら」「自分がスタッフだったら」という視点で考えること。一日の患者数が10人程度だった診療所は、予約でいっぱいになるほどの人気医院へと生まれ変わっていきました。
2004年には医療法人化も実現し、経営の安定化を達成しました。この経験が私の経営観の原点となっています。どんなに困難な状況でも必ず道は開ける。その確信が、後の事業展開にも大きく影響を与えることになりました。
幸せは与えられるものではなく、気づくもの。多様な事業展開の原点がここに

経営再建の成功後、私の活動は地域貢献へと広がっていきました。そのきっかけは、子育ての中で得た気づきです。群馬県出身の私が栃木県に嫁いできて感じたのは、地域への愛着の大切さでした。
「子どもたちには、地元に誇りを持って育ってほしい。でもそのためには、大人が地元を愛している姿を見せなければ」。そう考えた私は、栃木県の特産品であるイチゴをシンボルとした地域振興活動を始めました。そして2013年に、株式会社とちぎいちご王国を設立しました。
常日頃から「やらないうちから諦めるのは良くない」と子供達に言ってきた私は、言葉だけでなく、行動で見せるために一念発起し、「人を1000人集める」という目的で『とちぎ未来フェス』という講演会を企画しました。
当初は共同主催者もいましたが、途中で降りてしまい、結果的に一人での主催となりました。それでも諦めることなく、さまざまなセミナーや人が集まる場所に顔を出し、イベントの趣旨を説明して回りました。結果、当日は800人以上の方々に参加いただき、スタッフを含めると約1000人を動員することができました。
この成功体験は、後の事業展開にも大きな影響を与えることになります。医院経営のノウハウを活かした開業医の経営支援、院長夫人の支援など、活動の幅は徐々に広がっていきました。2018年には社名を株式会社ジャパンウーマンソサエティに変更。より多くの人々の幸せを支援するための新たなスタートを切りました。
困難は成長のチャンス。人との出会いを大切に、幸せの輪を広げる

「嫌なことが起きても、それは私を成長させてくれるチャンス」。そう考えるようになりました。この考え方は、厳しい義母との関係性にも変化をもたらしました。今思えば、義母なりの愛情表現だったのかもしれません。その経験があったからこそ、今の私があると感じています。
「幸せは自分で気づくもの」。この言葉は、私の事業や活動の根底にある信念です。誰かから幸せをもらうのではなく、自分自身でその価値を見いだすことが、人としての成長や充実感につながると考えています。だからこそ、私の活動では、相手が自分の可能性を発見できる環境を作ることを大切にしています。
具体的には、地域や人材育成の場で「チャレンジの機会」を提供しています。例えば、新しいプロジェクトを通じて、若い世代が自分たちの力で課題を乗り越えられるよう支援する。また、講演活動や勉強会では、失敗談や成功例を共有し、「自分もできるかもしれない」と思ってもらえるよう努めています。
これからの展望として、事業のさらなる拡大を見据えています。現在の活動に加えて、特に注力したいのは女性や若者の活躍を支援する人材育成プログラムです。また、地域資源を活用した新たな事業にも挑戦していきたいです。私にとっての成功とは、私一人が幸せになるのではなく、関わるすべての人が幸せになること。その実現のために、これからも挑戦を続けます。
私たちの未来は、今の一歩から始まります。その一歩を共に踏み出してくれる方々との出会いを楽しみにしています。

TVと雑誌がコラボ! 雑誌の面白さを発見できるWEBマガジン 自分が欲しい情報を、効率よく収集できる「雑誌」 ライフスタイルに欠かせない「雑誌」 ちょっと雑誌が欲しくなる、もっと雑誌が読みたくなる、そんなきっかけが生まれるように、TVやラジオ番組の放送作家たちが、雑誌の情報を中心にオリジナル記事を発信していきます!
ウェブサイト: http://magazinesummit.jp/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。