忘れらんねえよツレ伝ツアー追跡レポ~①埼玉編完全版~

忘れらんねえよツレ伝ツアー追跡レポ~①埼玉編完全版~

〈ツレ伝ツアー追跡レポ~Road to 赤坂BLITZ~埼玉編完全版11月17日(月) 北浦和KYARA〉

この日のライヴは〈忘れらんねえよ主催ツレ伝ツアー~そして伝説へ~& go!go!vanillas「Magic Number」2014-2015〉と題されたgo!go!vanillasとの2マン・ライヴとなっており、チケットはすでにソールド・アウト。両バンドのファンが寒い中Tシャツ姿で会場に詰めかけていた。会場の北浦和KYARAは9月に移転したばかり、駅から徒歩ですぐの好立地だ。まだ開場には早いので駅周辺を散策していると「私、浦和レッズに入る」と母親に宣言している小学生の女の子や、延々とクシャミをしながら自転車をこいで行くお兄さん等、街の人間模様が目に飛び込んでくる。彼らは忘れらんねえよを知っているだろうか。

19時をすぎてバニラズからライヴがスタート。開始直後、会場後方のPAブースに柴田隆浩が現れてしばらくステージを見つめていた。観客と共に腕を振り上げ盛り上がっている。「ツアー初日、バニラズのツアーなのか忘れらんねえよのツアーなのかどっちなんだ!? と気になってるでしょうけど、どっちもです! 所謂スプリットツアーです!」「超尊敬する最高なバンド、忘れらんねえよと出来て嬉しい!」と謙虚なMCの彼ら。

ツアー初日ということもあり前半は荒っぽい演奏だったものの、ライヴ後半には徐々にグルーヴを生み出し盛り上げたバニラズがステージを降りると、ステージバックにツレ伝ツアーの歴史を物語る幕が貼られ、欠場中の梅津拓也に代わりベースをプレイするアベマコト(挫・人間)と、冬が近づき肌寒い季節でもいつも変わらぬ安定のサカタ・スタイルのドラマー酒田耕慈がステージ上に。柴田の姿が見当たらない。と、いきなり会場に「お~くせんまん お~くせんまん」とコーラスが流れ出した。「2億4千万の瞳 -エキゾチック・ジャパン-」だ。「フロアの後ろから失礼します! go!go!vanillasだけに、郷です!」と叫びながら客席をかき分けてステージに上がる柴田に騒然としながらも「エキゾチ~ック」とサビが来ると「ジャパ~ン!」と大合唱、既に出来上がってる観客たち。これは忘れらんねえよというより郷ひろみ先輩が凄いような気がする。

「実は郷ひろみじゃありません! 忘れらんねえよです!」と正体を明かしつつ「ひろみ!」「ゴー!」のコール&レスポンスから「僕らチェンジザワールド」になだれ込みライヴがスタート。続けて新曲も交え数曲をプレイ。先程バニラズのMCでも指摘されたように、柴田のルックスは坊主頭から髪が伸び、野球部を引退してからオシャレに目覚めた先輩風だ。「この高鳴りをなんと呼ぶ」では「明日には名曲が北浦和に生まれんだ」と歌い喝采を浴びる。グッと胸に迫る熱唱となった「運動が出来ない君へ」、酒田が真骨頂のドラミングを見せる「夜間飛行」で感動させたかと思えば終盤「北極星」のギター・ソロ終わりでは観客が伸ばした指先にE.T.のように指先を合わせ、自分の指を咥える柴田に悲鳴が。そして観客全員参加の“ザイルオブデス対決”を制した観客チームにはキョロちゃんのチョコボール(“特製SEXボール”に改造済)が何個か贈られた。

アンコールでは観客にクラッカーを配り、バニラズが登場すると柴田の合図で観客と共にクラッカーを鳴らし「リリースツアー初日おめでとう!」とバニラズを祝福。良い先輩っぷりを見せて、最後は観客とともに記念写真を撮ってライヴは終了した。「次は新潟でまた一緒にやるもんね!? みんな来てくれるかな?」と呼び掛けると、「いいともー!」とノリ良く返す観客たち。すかさず「はい、録音したー! 絶対来いー!」と念を押す柴田だった。

2マン・ライヴ用のセットリストで見事なライヴを観せてくれた忘れらんねえよ。ツレ伝ツアーの充実ぶり、是非その目で確かめに行って欲しい! (次回「新潟編」に続く)。

取材・文・写真:岡本貴之

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