島根の海沿いを行く山陰線 列車に乗ってこの春、三瓶山へ…… 急行 さんべ 鳥取830発 → 熊本2033着 17時間の列車旅を想い、車窓から感じる変わらないエモーションに浸る

50年前の鉄道旅へタイムスリップする時間旅行へ―――。

たとえば、いまの中国地方のGoogleマップ↓↓↓と、日本交通公社JTB時刻表1974年1月号を開いて、50年前といまの鉄道旅行を想う。
https://maps.app.goo.gl/2ys8E8rBedNfwhDK8

北に島根・鳥取、南に岡山・広島、西に山口、東に京都・大阪・兵庫などをおく中国地方・関西地方は、北の日本海沿いを行く山陰線と、南の瀬戸内海沿いを走る山陽線がのび、その間を山陰・山陽を結ぶ連絡ルートがいろいろ走っている。

そこで、今回は島根・鳥取の日本海沿いを行く山陰線の列車に乗って旅する時間を、想像する。

50年前の時刻表をみて、「すっげえ!」とうらやむ列車をひとつ。

鳥取830発 山陰線・鹿児島線まわり 熊本2033着 急行 さんべ 2号 803D

急行 さんべ 2号 列車番号 803D 鳥取830発 → 熊本2033着。17時間の列車旅。列車番号「D」だから、ディーゼルカー(気動車)編成。

もう、こんな鉄道旅は体験できない。鳥取から、九州 熊本へ行く直通急行!

いまは、このルートの1/3ほどの距離、鳥取と新山口を結ぶ 特急スーパーおき が走ってるだけ。山陰と九州を直通する列車など、ない。

さらにマニアックなのは、併結スタイル

急行 さんべ 2号 列車番号 803D 鳥取830発 → 熊本2033着 は、列車の分割・併合(連結したり切り離したり)が、なんと3度ある!

鳥取をあさ8時半に出た気動車急行 さんべ は、島根県の出雲市・大田市・仁摩(にま)・温泉津(ゆのつ)・江津(ごうつ)・浜田と、海辺の絶景・温泉地を駆け抜け、山陰線と山口線がわかれる益田(島根県益田市)に1349につく。鳥取を出て5時間後。

ここ益田で、熊本行き急行さんべ の編成から一部が切り離され、 山陰線まわりの熊本行き急行さんべ2号と、山口線へ入り山口へとむかう同名急行さんべ2号(4803D)が分かれる。

ここからがもっとすごい。

熊本行き急行さんべ2号(803D)は、山陰線と美祢線がわかれる長門市で、さらに切り離され、山陰線経由と美祢線経由の2本の列車になり、ふたたび下関で連結して、1本の列車となって関門トンネルを抜け、九州へと上陸し、鹿児島線を伝って熊本に よる8時半すぎに到着する。

街の風景は変われど、列車旅の車窓から感じるエモーションは変わらない

50年前の 急行 さんべ 2号 列車番号 803D 鳥取830発 → 熊本2033着 17時間の列車旅は、いまもう体験できないけど、50年のときを経て、街の風景は変われど、列車旅の車窓から感じるエモーションは変わらない。

急行「さんべ」という名の由来は、島根県のほぼ中央にそびえ、いま登山やピクニック、キャンプなどアウトドアの聖地といわれる国立公園―――三瓶山(さんべさん)。

三瓶山とそのまわりには、中国地方随一の自噴量をほこる三瓶温泉をはじめ、小屋原温泉、湯抱温泉などの温泉群が湧き出、滞在型のリゾート・観光としてもその存在感は絶大で、インバウンドも注目する地。

大自然のエネルギーを感じながら心と身体をリフレッシュする場として、そして四季折々のイベントや体感プログラムがいろいろあるのもポイント。

斜面にはブナ林が、山裾にはなだらかな高原が広がり、西の原の草原ではのどかな牛の放牧風景も、絶景のひとつ。

毎年3月末には、「三瓶山 西の原 火入れ」といわれる春の到来を告げる、三瓶山の伝統行事も開催されるほか、桜が開花することには、全長7kmに渡り、約6000本のサクラが咲き誇る「さくらロード」も見逃せない。

◆島根県大田市 三瓶山観光
https://www.ginzan-wm.jp/top_sanbe/

◆しまね観光ナビ
https://www.kankou-shimane.com/

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